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2011年度 LPGAツアープレイバック 第5回  2012/01/23

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2011年度のLPGAツアー振り返るツアープレイバック第5弾は、ツアー初優勝を飾った笠りつ子、葉莉英の優勝シーンや、メジャー第2戦の『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』など3試合を振り返ります。(週2回更新)

『ニトリレディスゴルフトーナメント』
『ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント』
『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』


 
ニトリレディスゴルフトーナメント
2011年8月26日~8月28日
桂ゴルフ倶楽部(北海道) /6,490Yards Par72(36,36)
優勝者A.P.合計1R2RFR優勝賞金
笠 りつ子-7209726869¥16,200,000

―笠りつ子が混戦を抜け出し、ツアー初優勝―

笠りつ子

 雷雲接近により競技が約1時間中断となった初日。上位争いが拮抗するなか、この日スコアを伸ばしたのはプロ4年目の向山唯。7番でイーグルを決めるなど68をマークし、4アンダーで単独首位に立った。1打差の2位タイには表純子、豊永志帆、全美貞、カンスーヨンの4名が続いた。ツアー参戦4年目にして自身初の首位に立った向山は過去にトップ10入りすら経験が無かったが、「ショットですかね。長いパットが入らなかったので、ほとんどショットでバーディーが取れた感じです。練習ラウンドから掴めたものがありました。ショットの時にグリップエンドを引きつけるように下ろしたら、すごく良くなりました」と開眼。バーディーを奪ったホールは全てピンから4m以内につけるショットの良さで一気に首位に躍り出た。

 続く2日目。心地よい風が吹く絶好の快晴となったが、各選手のスコアは伸び悩み、上位は大混戦に。結局この日は、4アンダーの首位タイに表純子、向山唯、笠りつ子、全美貞、葉莉英、金ナリの6名が並び、首位と2打差までに19人が続く、ツアー史上稀に見る混戦となった。前日首位の向山は「良くこのスコアまで戻ってきたと思います。最終日は緊張しますよね。初めてなので、緊張しないようには出来ないので、どうしましょう?とりあえずやるしかないので、喰らいついていけたらと思います」と突然訪れた初優勝のチャンスに戸惑った様子。同じく初優勝を狙う笠りつ子は「ショットは昨日からずっと良かったです。それまでは2、3mのパットが入ってなかったですけど、ゆっくり転がすように打ったら良かったです。明日はガンガン上を狙って、波に乗りたいです」と徐々に調子を上げて最終日を迎える。

 そして最終日。序盤は首位タイスタートの表純子がバーディーを重ね、一時は2位に2打の差をつけたが、「14番からが勝負だと思っていました」という同組の笠が13番でバーディーを奪うなど、徐々にその差を詰める。すると17番で表が3パットのボギーとし、ついに首位に並んだ。最終18番ホールまでもつれ込んだ優勝争いは、セカンドショットを迎える。先に表がピン手前8mのバーディーチャンスにつけて笠にプレッシャーをかける。対する笠のセカンドショットはピンまで残り137ヤード。「ピンが2段グリーンの上なので、ピンまで届くクラブを持ちました。キャディーの父からは“思い切っていけ!”と言われたので、悔いのないようにしっかり狙って行きました」という攻めのセカンドショットは、ピン奥4mのチャンスについた。最後は「プレーオフになるのは嫌だったし、一発で決めたかった」とこのパットを見事に沈めて勝負を決めた笠が嬉しいツアー初優勝を飾った。優勝を決めた瞬間は感極まる場面もあった笠。「最後は父が背中を押してくれました。優勝して本当に気持ちいいです。今は実感が湧かないけど、やっと一番になれました」と喜びを爆発させた。「次に勝てたら成長したと思えるけど、まだわかりません。まだまだ下手です」と謙遜する場面もあったが、終盤での勝負強さはこれまで最終組を何度も経験して得た成長が伺えた。「帰ったらまず肉を食べまくります。スイーツも食べたいです。うちの家はいっぱい食べて、何事も“よかよか”と上手くいかない時も大丈夫だと言ってくれる家族。父とも仲が良いんです」とツアーきっての元気印に訪れた待望の初勝利。「今後は最終戦に出るという目標もクリアしたし、また優勝争い出来る位置に居られるように練習しなきゃいけないですね」と新たな目標を掲げ、さらなる飛躍を誓った。

 
ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント
2011年9月2日~9月4日
みずなみカントリー倶楽部(岐阜県) /6,514Yards Par72(36,36)
優勝者A.P.合計1R2RFR優勝賞金
葉 莉英-6210687072¥10,800,000

―ママさんゴルファーの葉莉英がツアー初優勝―

葉莉英

 台風接近により強風と雨が選手たちを苦しめた初日。この日スコアを伸ばしたのは韓国の金ナリ。終盤で3連続バーディーを奪い、一気に単独首位に立った。1打差の2位タイには竹末裕美と佐伯三貴。さらに1打差には森田理香子ら5名が続いた。直近3試合で全てトップ10入りしている金。この日も徐々に悪化する天候をものともせず、終盤でバーディーを重ねた。「今日は特にショットが良かったです。15ホールでパーオンしましたし、距離感もぴったり。3連続バーディーというのも時に気にしていませんでした。1ホール1ホールに集中した結果です」と技術・精神面ともに充実ぶりがうかがえた。

 2日目も台風の影響は避けられず、30分遅れでスタート。時折降る大雨と突風でプレーの進行が遅れるなか、2週連続優勝を狙う笠りつ子が69をマークし、首位タイに浮上した。同じく首位タイには竹末裕美、佐伯三貴、葉莉英(イエリーイン)の3名が続いた。晴天、強風、大雨と刻々と変わる天候にも「ティーに立てば、いつものようにやれました」と平常心のプレーが出来たという笠。この日は「ロングパットを打つ機会が多くて、ショートをしないようにと思っていました」とパッティングに神経を使ったが、10番、14番ではロングパットをショートして3パット。「オーバーしたところは2パットでいけたので、悔しいです」と2度のミスを悔やんだが、先週から4ラウンド続けての60台は成長の表れだ。初優勝から2週連続優勝となれば、1990年の西田智慧子、2005年の表純子に並ぶツアー史上3人目の快挙。「意識は全く無いです。明日も今日みたいなミスが無ければ、上にいけると思います」と自信を持って最終日に臨む。

 最終日も台風の影響による激しい雨に見舞われ、午前中には一時競技を中断する悪天候の下で行われた最終ラウンド。アンダーパーはわずか一人という難コンディションの中で膠着した優勝争いを制したのは、最終組でスタートした中国の葉莉英(イエリーイン)。上位陣が軒並みスコアを落とす中で72のイーブンパーをマークし、後続を一打差で振り切り通算6アンダーでLPGAツアー初優勝を飾った。5アンダーの2位タイには笠りつ子と金ナリ。前日首位タイの竹末裕美は4位タイ、同じく首位スタートの佐伯三貴は7位タイとなった。
大混戦となった優勝争いを制し、中国出身選手としては張娜(チャンナ)、フォンシャンシャンに次ぐ3人目のツアー優勝を飾った葉。「今はとても嬉しいです。日本に来て、ひとつの夢を叶えることが出来ました」と喜びをかみしめた。勝負の分かれ目となったのは、16番・パー5。競り合う選手たちがバーディーを奪えないなか、3打目を4m弱のチャンスにつけてバーディーを沈めた。「14番でボギーを打っていたので、他の難しいホールを考えても、取れるのは16番しかないと思っていました」と積極的な攻めが勝負の明暗を分けた。

 「日本に来て3年。幼い息子を中国に残して日本に来たのは正直辛かったけど、ここで優勝できて自分を証明できたことはよかったです。親として息子のそばに居られなくて申し訳ない気持ちでいっぱいだけど、私の背中を押してくれて、子供の面倒を見てくれている主人と母には本当に感謝しています」と、競技生活を支える家族への感謝の気持ちを忘れない。「中国にはまだ女子プロゴルファーが100人もいません。でも私や後輩のフォン選手が活躍することで、少しでも中国の若いゴルファーがプロを目指してくれれば。私もあと2~3年は頑張って、また中国に帰って子供を産みたい。そしてまた日本で活躍できれば最高です」。ひとつの大きな目標を達成し、母の強さを証明した葉。これからも母として、そして中国を代表する女性ゴルファーとして輝き続ける。

 
日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯
2011年9月8日~9月11日
キングフィールズゴルフクラブ(千葉県) /6,700Yards Par72(36,36)
優勝者A.P.合計1R2R3RFR優勝賞金
三塚 優子-628267717569¥25,200,000

―三塚優子が公式戦の大舞台で2年半ぶりのツアー優勝―

三塚優子

 澄み渡る快晴のなかスタートした初日。難度の高いセッティングに苦しむ選手が多いなか、三塚優子と並び首位に立ったのは、過去この大会を2度制している不動裕理。10番からの4連続バーディーなどでスコアを伸ばし、通算5アンダーとした。1打差の3位には福嶋晃子。さらに1打差の4位には横峯さくらが続いた。後半は圧巻のバーディーラッシュで首位に立った不動。「出来すぎ」というティーショットの正確性で、フェアウェイを外したのは僅か2回。「アイアンが良かった分バーディーチャンスは多かったですけど、前半は打ちきれずにバーディーを奪えなかったのが残念」とバーディーを奪えなかった前半を悔やんだが、「ボギーを打たないように心がけていたので、パーを取れて1ホール得した気分」と深く考えず、後半のチャージに繋げた。上位には福嶋をはじめ、ロングヒッターがズラリと顔を揃えるが、「彼女(福嶋)の距離は私達とは比較になりません。いい所に打ってもセカンドショットはミドルアイアンかロングアイアン。勝つためにはフェアウェイに置くしか無いです」とあくまで正確性で勝負する。「メジャーというのはそれほど意識はしていないですけど、今回のコースのセッティングがそう思わせてくれます」。ツアー50勝を誇る永久シード選手の女王の風格を感じさせるコメント。明日も闘争心を掻き立てる難セッティングに、冷静に挑む。

 同じく首位に立った三塚は2009年『大王製紙エリエールレディス』以来のノーボギーラウンド。「フェアウェイを外したのは3回くらい。ラフから打ってもグリーン面には乗っていたので、特にピンチは無かったです」と会心のプレーを振り返った。練習ラウンド時はティーショットがフェアウェイに行かず苦労したが「フェアウェイに行かせようと思わなかったのが逆によかったと思います」と気楽に臨んだ結果が吉と出た。「5アンダーは想定外です。2アンダーくらいで回ってくれば良いと最初の目標でした。このコースはバーディーをおまけだと思ってプレーしていて、ダボを打たないように心がけていたので、その中でノーボギーで回れたのは自信になりますね」。徐々に本来の自信を取り戻しつつある大器が、メジャーの大舞台で復活の兆しをつかむ。

 燦々と照りつける太陽のもと行われた2日目。午後になるにつれ風も強くなりボギーを叩く選手が続出するなか、この日も安定したゴルフをみせたのが首位タイでスタートした三塚優子。4バーディー・3ボギーの71をマークし、通算6アンダーで単独首位に立った。1打差の2位に横峯さくらとカンスーヨン。さらに1打差にはディフェンディングチャンピオンの藤田幸希がつけた。「今日はショットは100点の出来」と振り返った三塚。この日はティーショットでフェアウェイを外したのが3回、そして全てのホールでパーオンとショットが絶好調だったが、「パットはマイナス10点。タッチが全く合いませんでした」とボギーをした3つのホールは全て3パット。バーディーを取ったホールもロングホールでの2オン2パットとパッティングで不振を極めた。この日の三塚の1ラウンド38パットは、出場選手中ワースト。単独首位に立った選手としては極めて珍しい現象となった。この日2つスコアを伸ばし、1打差2位タイに浮上した横峯は、チャンスを決め切れない場面も多く、15番ではボギーが先行してしまったが「気持ちを切らすこと無く、16番はパーで良いと思っていたらバーディーが入ってくれたので良かったです」と16番では12~3mのバーディーパットを決めて流れを戻し、絶好の位置で2日目を終えた。「コースに慣れたこともありますけど、ショットが左に行く心配がないので、ちょっとしたミスでもセミラフで止まってくれます」とショットの不安も徐々に解消し、初の選手権タイトルも視界に入ってきた。

 強い日差しが選手の体力・集中力を削る消耗戦となった3日目。上位陣で大きくスコアを落とす選手も出るなか、安定したプレーを見せたのが首位と1打差の2位からスタートした横峯さくら。前半で1つスコアを落としたものの、後半で2つスコアを伸ばし、2位の藤田幸希、三塚優子に3打差をつけ、選手権大会初制覇へ王手をかけた。
この日はティーショットがラフに入る場面が多かった横峯。「ラフが深くて全然打てなかったです。今までがラッキーだったんだなと改めて思いました」と2打目以降も苦戦する場面が多かったが、集中力が切れることはなかった。9番パー4では2オンするものの、10mから3パットのボギー。嫌な流れになりかけたが、「ストレスが溜まるハーフになりましたけど、キャディーが慰めてくれました。あそこで気持ちが切れていたらアンダーパーでは回れなかったです」と気持ちを切り替え、次の10番パー5では20mのロングパットを2パットで沈め、悪い流れを止めた。「10番終えて(首位の三塚に)2打差でしたでしたけど、調子は悪くなかったので追いつこうというよりしっかりパーを取っていこうという感じでした」と同組でリードを広げていた三塚のプレーにも焦ること無く、マイペースのプレーで終盤の逆転へとつないだ。ここまでの3日間を「ラフに入ったことも多かったけど、パーを拾えましたし、我慢するゴルフが出来ました」と総括した横峯。悲願の初タイトルへあと1日となったが「3打差はあって無いようなもの。今週の場合、フェアウェイとラフでは全く違うので、ティーショットをしっかり集中したいです」とさらに気を引き締めて、運命の最終日を迎える。
前日首位の三塚優子は「ドライバーが前半酷すぎて、フェアウェイは1回だけ。出して乗せて、出して乗せてのゴルフでした。昨日、一昨日とショットが良いのが続くとは思ってなくて、割り切ってやったんで、これが精一杯です」とスコアを落とし、2位に後退した。

 迎えた最終日は不安定な天候で2度の競技中断。首位と3打差の2位からスタートした三塚優子はスタート時点で首位の横峯に3打差をつけられ「まず私の優勝は無いと思いました」と半ば優勝を諦めていたが、前日首位発進のプレッシャーから解放されたせいか、「自分のゴルフを伸び伸びとできました」と75を打った3日目と違い、この日は冷静そのもの。同組の横峯、藤田がボギーを重ねるなか自身の持ち味である攻撃的なゴルフを貫き、前半で首位を捉えると、後半は中国のフォンシャンシャンの追い上げを1打差でしのぎ、公式戦初制覇。2009年のツアー開幕戦以来2年半ぶりとなる、涙のツアー4勝目を飾った。首位スタートの横峯さくらは中盤の連続ボギーが響き、首位と4打差の3位に終わった。「コースが難しかったので、相手どうこうより、どうコースを攻略するかで頭がいっぱいでした。3打差あって、逆転勝ちしたこともなかったですし、私の勝ちは無いと思って気楽に出来ました。3週前くらいから調子は上がってきたのもありますし、ジュニアの頃からこのコースは回らせていただいて、相性がよかったので、全てがプラスに働いたと思います」と勝因を挙げた三塚。17番パー5ではティーショットを左のラフへ曲げ、2打目は右の池方向へ一直線。しかしボールは池から僅か5cmほどの池の淵で止まり、パーで切り抜けた。「すごくラッキーでした。(勝った)ニチレイの時もそうでしたけど、勝つ時はああいうショットがあるのかもしれない」と運も味方につけた勝利だった。

第6回は 1月27日(金)掲載予定です。

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