2011年度のLPGAツアー振り返るツアープレイバック第3弾は、横峯さくらの2011年シーズン初優勝や、アンソンジュと有村智恵の白熱した優勝争いなどが繰り広げられた、6月からの4試合を振り返ります。(週2回更新)
『リゾートトラストレディス』
『サントリーレディスオープンゴルフトーナメント』
『ニチレイレディス』
『日医工女子オープンゴルフトーナメント』
リゾートトラストレディス 2011年6月3日~6月5日 グランディ軽井沢ゴルフクラブ(長野県) /6,505Yards Par72(36,36) | 優勝者 | A.P. | 合計 | 1R | 2R | FR | 優勝賞金 | | 横峯さくら | -10 | 206 | 70 | 68 | 68 | ¥12,600,000 |
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―まさかの大逆転劇で横峯さくらがシーズン初優勝― 涼風吹く快晴のなか行われた初日。この日4アンダーで首位に立ったのは、川原由維と笠りつ子の2名。1打差の3位タイには、中田美枝ら7選手が続く混戦模様となった。「今年初アンダーだったんです」と首位に立った川原。2011シーズンはここまで出場8試合で予選落ちが6回と不調が続いていたが、使用していたコンタクトレンズの度数を再計測し、レンズを交換したことで「距離感やラインが良く見えるようになった」と好発進に繋がった。 大会2日目。各選手がスコアを伸ばす展開となるなか、首位と3打差からスタートしたプロ3年目の大城さつきが、1イーグル・6バーディーの64と猛チャージ。前日の19位タイから一気に単独首位に躍り出た。2打差の2位には大谷奈千代。3打差の3位タイには、米山みどり、上原彩子、横峯さくら、諸見里しのぶの4選手が続いた。首位に立った大城は、11番からの4ホールで5つスコアを伸ばす離れ業を披露。ツアーフル参戦1年目のシーズンで、早くも大きなチャンスを迎えた。「あんまり優勝とかは考えないで、とにかく本当に楽しいプレーをしたいと思うので、結果が優勝だと嬉しいなと思います」と前年のこの大会で初優勝を遂げた甲田良美に続く、悲願の初優勝を目指す。そしてこの日ノーボギーの68で3打差の3位タイにつけた横峯さくら。「上が結構伸ばして凄いですね。距離も長いですし、グリーンもアンジュレーションがあって難しいので予想外ですね」と優勝経験の無い2人の猛チャージに驚いた様子。それでも「3打差は結構遠いと思いますけど、やっと自分のゴルフというか、パットも入ってくれたので、諦めずに頑張ります」と、首位と3打差の好位置から逆転を狙う。 そして最終日。首位の大城と3打差からスタートした横峯は、8番でイーグルを奪うなど、前半で4つスコアを伸ばして徐々に大城に迫る。一方大城は前半で2つスコアを伸ばすと、10番をボギーとして迎えた11番で値千金のイーグル。これで再びリードを広げた大城は、2ホールを残して2打のリード。これまで安定したゴルフを繰り広げた大城だけに、勝負の行方は決まったかに思われた。ところが17番をボギーとした大城は、最終18番パー4でフェアウェイからの135ヤードのセカンドショットを大きく右に外し、大ピンチ。約20ヤードのアプローチが残ったが、ボールのライは土の上、しかもスタンスは左足下がりでピンまでは打ち上げと非常に難度の高いものだった。このアプローチをグリーンオーバーさせてしまった大城は、続くアプローチも寄せきれず、痛恨のダブルボギー。これにより、一組前でホールアウトしていた横峯さくらの逆転優勝が決定。「1打差だったので、10パーセントくらいはプレーオフの確率があるかなと思っていました」という横峯だったが、思わぬ形で勝利の女神が微笑んだ。 劇的な優勝劇に「うれしい半分、信じられないという感じ」としばらくは驚きを隠せなかった横峯。2~3週間前までは「思ったとおりに打っても左に行くので、なんでだろうと悩み、試合にも行きたくなかった」とスランプに陥っていたが、見事に復活優勝を飾った。惜しくも2位となった大城は「悔しいの一言です。最後18番の2打目は8番アイアンでした。キャディさんは9番アイアンでいけると言っていたんですが、最後だし攻めていきたいと思って私が決めました。最後までピンを狙っていきたかったので…」と冷静さを欠いた終盤のプレーを悔やんだ。 |
サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 2011年6月9日~6月12日 六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県) /6,499Yards Par72(36,36) | 優勝者 | A.P. | 合計 | 1R | 2R | 3R | FR | 優勝賞金 | | アン ソンジュ | -14 | 274 | 67 | 70 | 67 | 70 | ¥18,000,000 |
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―アンソンジュが有村智恵との接戦を制しシーズン2勝目― 公式戦以外では唯一の4日間競技となるこの大会。薄雲がかった天候の下スタートした初日は前年の賞金女王・アンソンジュとリエスドの2名が5アンダーで首位発進。1打差の3位には同じく韓国のイジウが続いた。米ツアーから帰国参戦の宮里藍は2アンダーの8位タイにつけた。 前週は「1年7、8ヶ月ぶり」という韓国女子プロゴルフツアー(KLPGT)に参加し、2位の好成績を挙げたアン。今週は4日間大会となるが「メジャーのようにすごく難しいコースで、今日のスコアには満足です。残り3日間調子を上げて、もっと良いゴルフをみなさんに見せたいです」と、普段より1日長い試合は望むところ。「今週は集中したいです。我慢のゴルフになると思います」と早くも優勝が射程圏に入った。 続く2日目。この日一気にスコアを伸ばしたのは、首位と4打差の18位タイからスタートした李知姫。8バーディー・ノーボギーの64で、六甲国際GCでのトーナメントコースレコード(18H)を更新。通算9アンダーで単独首位に立った。2打差の2位タイには茂木宏美、有村智恵、アンソンジュ、リエスドの4選手が続いた。「本当にショットが良かったです」と8つのバーディーのうち、6つが2.5m以内と、抜群のショットを見せた李。「朝の練習では左に引っかかったショットが出ていたので、このコースは攻めにくいし不安でした」とスタート前は好スコアの予感は無かったというが、「素振りを何回かしていくうちに、ショットが安定してきて、自信がついてきました」とホールを重ねるごとに調子を上げた。「まだ2日間あるので明日は雨の予報ですけど、アンダーパーで回らないと優勝には届かないと思うので、パットを中心にこれから練習しようと思います」とショット以外の部分にも磨きをかけて、3日目に臨む。 大会3日目は、濃霧が発生した影響でスタート時間が変更するなど波乱の幕開け。そのなかでスコアを伸ばしたのは、通算7アンダーの2位タイからスタートした有村智恵とアンソンジュ。ともにこの日67をマークし、通算12アンダーで首位に立った。1打差の3位タイには茂木宏美と前日首位の李知姫が続いた。有村は「ショットは思うように行かなかったですけど、パッティングがだいぶ良くなってきて、上手くチャンスで噛みあってくれました」と4バーディーを奪い、約1年1ヶ月ぶりに首位で最終日を迎えることになった。「明日は久しぶりの最終日・最終組なので、どんな思いでやるか。明日にならなければわからないですけど、気持ちよく朝を迎えられるように、このあとを過ごしたいです」と万全の態勢で最終日に臨む。そして後半だけで5バーディーを奪ったアンソンジュは「前半は欲張ってしまい、ドライバーが曲がってしまったことを反省しつつやっていたら、後半はパットが入ってくれて」と後半の10番からはティーショットも安定し、3連続バーディー。その後もショットは安定し、いい形で3日目を終えた。「調子は最初より上がってきています。今日の前半のように欲張ったら優勝は無いと思うので、今日の後半のようなフィーリングを大事にしたいです」と、シーズン2勝目へ照準を合わせた。 そして迎えた最終日。次第に雨脚が強くなるなか、首位のアンソンジュと有村智恵の最終組2人による熾烈な優勝争いはさらに熱を帯びる。前半で有村がスコアを伸ばして主導権を握るがその後はアンの連続バーディーなどもあり一進一退の攻防。勝負の行方は最終ホールまでもつれこんだが、有村がこのホールでセカンドショットをバンカーに入れてしまいボギーとしたのに対し、アンが2オン・2パットのパーでまとめ勝負あり。アンがシーズン2勝目を挙げ、賞金ランキングで再び首位に返り咲いた。「今日は有村選手との接戦で、私自身パターが決まらず苦労したんですけど、彼女も良いプレーをしていて、彼女のプレーがなければ私の良いプレーも無かったと思います」と最後まで優勝を争った親友の有村をたたえたアン。最終18番パー4では約50cmのウイニングパットを残したが、同伴競技者のパットを待たずに“お先に”カップイン。「マークをすると外れると思い、あまりの緊張に“お先に”をしてしまいました」と緊張はピークに達していた。「日本でプレーする前は、4日間大会が苦手でした。いつも最終日に成績を落としてしまっていたんですが、今日は最後まで集中できて、そうできたのも、日本の皆さんの温かい応援のおかげです」と、5月の『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』に続く4日間大会連勝を飾った。 |
ニチレイレディス 2011年6月17日~6月19日 袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県) /6,548Yards Par72(36,36) | 優勝者 | A.P. | 合計 | 1R | 2R | FR | 優勝賞金 | | 李 知姫 | -12 | 204 | 68 | 69 | 67 | ¥14,400,000 |
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―李知姫が接戦を制し、涙のシーズン初優勝― 時折強い雨が降るなかスタートした初日。難度の高いラフに苦戦する選手が続出するなか、4アンダーで首位に立ったのは佐伯三貴と李知姫。1打差の3位には、最終ホールでイーグルを記録したヤング・キムが続いた。2011シーズン初の首位発進となった佐伯は、「ノーボギーで満足しています。雨が降ったり止んだりで、ラフも濡れていて難しいなかだったので」とティーショットでフェアウェイを捉える回数は少なかったが、抜群のリカバリーでパーを重ねていった。「セカンドでバンカーに入る場面が多かったのですが、そのバンカーショットが良かった。湿ったバンカーは得意なので、グリーンに乗らないかなと思った所は、無理に狙わずバンカーを狙って行きました」と、バンカー狙いの作戦も功を奏した。 大会2日目。首位タイからスタートした李知姫と佐伯三貴は、優勝争いさながらの熱戦を展開。ともに通算7アンダーとした2人が、最終日も再び最終組で相交える事となった。最終18番のバーディーで李を捉えた佐伯は「今日は知姫さんが良いゴルフをしていて、自分は調子が良くなかったので、ゆっくりのんびりとプレーしました。我慢の一日だと思っていたら、最後のほうでポンポンとバーディーが来たので、上がり方としては良かったです」と納得の表情。対する李は前半で着実にリードを広げるものの、終盤の17番パー3のティーショットが、グリーン手前のバンカーのアゴに刺さってしまうトラブルでボギー。最終の18番パー5でもバーディーを奪うことができず、後半はスコアを伸ばすことが出来なかった。「前半はショットが良かったです。後半も悪くは無かったですけど、バーディーが無かったのでもったいないと思いました。全体を通しては3アンダーなのでいい感じだと思います」とリードを広げておきたかったものの、2日連続の60台に及第点をつけた。「明日も60台を目標に、自分のベストで回らないと優勝は難しいので、本当に自分の最善を尽くしたいです」と、最終日のプレーに全力を賭ける。 時折晴れ間がのぞく穏やかな天気となった最終日。優勝争いは初日から首位を並走する李知姫と佐伯三貴、そして最終日一気にスコアを伸ばした表純子の三つ巴の戦いとなった。 「最終日を迎える前から“絶対勝つんだ!”という強い気持ちを持ってプレーしようと思いました」という李。その意気込み通り、前半は1番、3番、7番と攻めのゴルフでバーディーを重ね、同じ最終組の佐伯とデッドヒートを繰り広げる。互いに一歩も譲らないまま、勝負の決め手となったのは17番パー3。ティーショットは李、佐伯共に4ヤードほどのバーディーパットを残したが、「同じ組の横峯さんに、どちらのボールが遠いかを見てもらって、私が先に打つ事になりました。上りのラインだったし、自信が有りました」というバーディーパットを先に決めると、続く佐伯はバーディーパットを決めることが出来ずにパー。これで2位の佐伯らとの差を2打とし、勝負を決めた。「3日間で振り返って今日が一番ショットが悪かったですけど、そのかわりパッティングが良かったです」という一日を象徴する場面だった。李は2010年8月以来の2011年シーズン初優勝を飾った。2打差の2位には佐伯三貴。さらに1打差の3位タイには、表純子とイナリが入った。 |
日医工女子オープンゴルフトーナメント 2011年7月1日~7月3日 八尾カントリークラブ(富山県) /6,476Yards Par72(36,36) | 優勝者 | A.P. | 合計 | 1R | 2R | FR | 優勝賞金 | | 上原 彩子 | -16 | 200 | 66 | 68 | 66 | ¥10,800,000 |
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―上原彩子がハーフ29の猛チャージで逆転優勝― 時折雨が降る不安定な天候のなか始まった初日は、雨の影響で止まりやすくなったグリーンに好スコアが続出。そのなかで66をマークした表純子と上原彩子が首位に並んだ。また首位と3打差以内には15人もの選手がひしめき、早くも混戦模様となった。上原は9番(パー5)のチップインイーグルで波に乗ると、後半は「ショットが良かったので、ピンチらしいピンチはありませんでした」と4つバーディーを奪い着実にスコアを伸ばし首位に浮上。「景色も凄く綺麗。このコースは好きです。ショット自体も良い感じなので、パー5でバーディーが取れるよう、100ヤード以内をきっちりやること、攻めるゴルフが大事になってくると思います。明日、明後日もみんな伸ばし勝負になると思うのでそこをポイントに置いて、頑張ります」と、早くもバーディー合戦を想定したプレーを描いていた。 大会2日目。強い日差しが照りつける過酷な条件にも関わらず、初日に続きバーディー合戦が繰り広げられる展開に。そんななか首位と1打差の2位からスタートした宋ボベが7バーディー・1ボギーの66と大きくスコアを伸ばし通算11アンダーで単独首位に立った。1打差の通算10アンダーには表純子と、この日5連続バーディーを奪った上原彩子。ともに68のラウンドで2位タイにつけた。序盤からバーディーを重ね前半だけで5バーディーを奪った宋。折り返しの10番こそボギーとするものの「ショットもパットも良かったです」と安定したプレーで12番、14番もバーディーを奪い、単独首位に立った。疲れとストレスから体調を崩し、前週土曜日に退院したばかりの状態だったが、「本当に外に出ないで、ゆっくりしていました」と充分な休養をとれたことで好調を取り戻した。「スコアも良かったけど、それよりゴルフをできるのが楽しくて」と喜びを噛みしめながらのラウンドだった。 最終日は前日に引き続き好天に恵まれ、60台の好スコアが続出。首位と1打差でスタートした上原は前半9ホールでスコアを7つ伸ばし、ハーフ29のツアー記録タイ(当時)をマーク。首位の宋も前半を3アンダーの33と決して悪くない折り返しだったが、上原の勢いに圧倒された。後半はなかなかスコアを伸ばせない苦しい展開となった上原だが、前半のリードがものをいい、1打差で宋を振りきってツアー通算3勝目を挙げた。2009年以来の優勝に「久しぶりの優勝なので、優勝ってこんなにいいものだと改めて思いました」と激戦を制しての優勝に感無量の上原。「今回のバーディー合戦で勝てたのは自分にとってプラスで、これもできるんだなと思いました」と技術面、精神面でも成長を見せた勝利だった。 |
第4回は 1月20日(金)掲載予定です。