2011年度のLPGAツアー振り返るツアープレイバック第2弾は、公式戦第1戦の『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』のほか、5月に行われた熱戦の模様を振り返ります。(週2回更新)
『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』
『フンドーキンレディース』
『中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン』
『ヨネックスレディスゴルフトーナメント』
ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 2011年5月5日~5月8日 茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県) /6,655Yards Par72(36,36) | 優勝者 | A.P. | 合計 | 1R | 2R | 3R | FR | 優勝賞金 | | アン ソンジュ | -10 | 278 | 71 | 67 | 71 | 69 | ¥24,000,000 |
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―アンソンジュが公式戦初優勝― 東日本大震災発生から2ヶ月弱。被災地となった茨城県で行われるシーズン初の公式戦となったこの大会。初日は会場が茨城に移って以来、初日最多となる8,000人を超す大ギャラリーが訪れるなか大会が開幕した。日本、米国、欧州、韓国と4つのツアーの賞金女王が揃う豪華な顔ぶれのなか、出場試合2連勝中の不動裕理がその勢いを初日から見せた。「今日は風が舞っていて難しかったので、ボギー1つで収まってすごく良かったです」というように、パーオンが少ない苦しいラウンドとなったが、絶妙な小技を武器にパーをセーブし続けた。この日は4バーディー・1ボギーの69のラウンドで、単独首位スタート。1打差の2位タイには上田桃子ら5選手が続いた。 穏やかな天候のなか行われた2日目。首位スタートの不動のスコアが伸び悩むなか、上田桃子とアンソンジュが共にスコアを伸ばし、通算6アンダーで首位に立った。1打差の3位には、テレサ・ルーが続いた。「今日はすごく良いパットが決まってくれました。微妙な距離のパットも入ってくれたので、良いパッティングが出来ました」と好調の一日を振り返った上田。2m前後のバーディーパットやパーパットが次々と決まり、自身約1年ぶりに首位を奪取した。 続く大会3日目。小雨が降る肌寒い天気のなか、首位タイでスタートした上田桃子は3バーディー・1ボギーの70と2つスコアを伸ばし、通算8アンダーで単独首位に浮上。1打差の2位にはアンソンジュ。さらに1打差にはテレサ・ルーが続いた。「今日は、雨が降るか降らないか分からなかったので、リズムを気をつけようと思いました」と序盤はパーを重ねる静かな出だしとなった上田。途中、「雨の影響でグリーンがちょっと重く感じました」とパッティングを打ちきれない場面があったが、大きなミスもなく、スコアを伸ばして3日目を終えた。「明日は自分のゴルフだけを考えて、攻めていきたいなと思います。自信を持ってやれているので、明日は自分に勝負していきたい」と単独首位で迎える初のメジャータイトルへの挑戦に意欲は充分。そして首位の座こそ譲ったものの、この日も安定したプレーを見せたアンソンジュは、「スコアを伸ばしたかったけど、雨が降ったり止んだりでグリーンの状態が読めずに強く打てませんでした」と上田同様にグリーン上で苦しむ場面があったが、正確なショットは健在。「上位にいる選手にチャンスがあるし、自分にもまだチャンスがあると思います。あともう少し切り換えて、明日に挑みたいと思います」と悲願のメジャータイトルを射程に捉えた。 迎えた最終日は、前日から一転して快晴で絶好のコンディションとなったが、首位スタートの上田桃子は序盤から苦しいゴルフ。10番終了までに4つスコアを落とし早々と優勝戦線から外れると、変わって浮上したのがメジャー初タイトルを狙うアンソンジュ。前半をイーブンで折り返すと、終盤でバーディーを重ねて混戦を抜け出し、通算10アンダーで公式戦初優勝を飾った。結果的に3打差の勝利となったアンだが、「朝からとても緊張していて…」と前半は緊張の連続。1番、3番でバーディーを奪うものの、6番ホールでは、1.5mのパーパットを打つ際にギャラリーの携帯電話が鳴ってしまうハプニングで、2度の仕切り直し。このパットを外してボギーとし、嫌な流れになりかけたアンだったが、「気持ちには影響がありました。でもその人がマナーモードにするのを忘れただけだと、いい方向に思ったら、許すことも出来ましたし、気持ちも落ち着いたのでいい結果に繋がったと思います」と集中力を途切れさせることなくパーを重ね、後半のチャージに繋げた。「崩れそうになったとき、自分を奮い立たせて、一生懸命やった結果が優勝に結びついて嬉しいです」と自分自身に勝利した事が、何よりの勝因となった。 |
フンドーキンレディース 2011年5月13日~5月15日 福岡センチュリーゴルフ倶楽部(福岡県) /6,482Yards Par72(36,36) | 優勝者 | A.P. | 合計 | 1R | 2R | FR | 優勝賞金 | | 佐伯 三貴 | -8 | 208 | 71 | 67 | 70 | ¥14,400,000 |
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―佐伯三貴が念願のツアー3勝目― 絶好の快晴のなか行われた大会初日。時折吹く強風と高速グリーンに各選手が苦戦するなか、3アンダーで首位に立ったのは、永井奈都と朴仁妃(パクインビ)。1打差の3位タイには48歳のベテラン・塩谷育代ら4名が続いた。プロ10年目で初の首位発進となった永井。「このコースは距離が長く、私は飛ばない方なので、ウッドを使うことが多かったです」と前日の雨の影響でランがほとんど出ない状況に加え、ドライバーの平均飛距離が200~210ヤードという永井にとってはタフなラウンドとなったが、「本当にパッティングが良かったですね」と正確なショットに加え、この日はパッティングが絶好調。気象とともに刻々と変わる芝の状況にも対応した好プレーだった。 日中の気温が24.1℃と、昨日よりさらに気温が上昇した2日目。各選手がスコアを伸ばす展開のなか、1アンダー7位タイからスタートした佐伯三貴が、5バーディー・ノーボギーの67をマークし、前日首位の朴仁妃(パク インビ・韓国)と並び、首位に立った。3打差の3位タイには、馬場ゆかり、宮里美香ら5選手が続いた。ここまで5戦して3位以内が3回と好調の佐伯。「後半ちょっとピンチはありましたね。でもうまいことパッティングが入ってくれました」と納得の一日を振り返った。翌日はツアー3勝目へ向けての大一番を迎えるが、「私の気持ちが波打たなければ、勝てると思います」と優勝へかなりの手応えを掴んでいた。 最終日は風が比較的弱く、快晴と絶好のコンディション。首位タイスタートの佐伯三貴は前半を33とし、早くも試合の主導権を握る。しかし順調なプレーを続けていた佐伯にピンチが待っていた。後続が徐々に追い上げるなか迎えた16番パー5。ティーショットは「風に乗ってしまったんですよね」とフェードボールが風に乗り、ボールは右の林の方向に。しかし幸か不幸か、ボールは右の垣根には行かず、カート道路上に止まる。一度はカート道路からの救済を考えた佐伯だったが、あいにく救済できるのは垣根の方向のみ。佐伯は結局そのボールを救済せずに、8番アイアンでクラブを傷つけながらもフェアウェイに出したが、続く3打目に残った距離は同じ8番アイアンの距離。その場面で佐伯は果敢にも8番アイアンを持ち、見事にピン4mに寄せてバーディーを奪った。「8番に助けられました。8番アイアンを抱いて寝なさいとキャディーさんに言われました」と後に振り返ったように、優勝を引き寄せる大きなバーディーとなった。 18番では「アドレナリンが出てしまったのかも」とグリーンをオーバーしてボギーとしてしまうが、16番のバーディーで作ったリードが物を言い、後続を振り切った佐伯。「先週、先々週といい感じで来ていて、優勝というよりは精一杯でしたが、今週は首位で最終日を回れたので、勝てたらなぁと思っていました。最後のハーフはそういう思いも入れながら、東北の人が助けてくれたのかなと思うショットもありました」と東日本大震災で被災地となった宮城の東北福祉大学出身のプロとして、並々ならぬ気合で迎えた再開後のツアーで、被災地に嬉しい報告が出来た。 |
中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン 2011年5月20日~5月22日 中京ゴルフ倶楽部 石野コース(愛知県) /6,444Yards Par72(36,36) | 優勝者 | A.P. | 合計 | 1R | 2R | FR | 優勝賞金 | | 野村 敏京 | -13 | 203 | 66 | 69 | 68 | ¥12,600,000 |
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―米ツアーメンバーの野村敏京が日本ツアー初優勝― 強い日差しが降り注ぐ快晴のなかスタートした初日。この試合が国内でのプロデビュー戦となる野村敏京(はるきょう)が、6バーディー・ノーボギーの66をマークし、単独トップに立った。1打差の2位タイには笠りつ子とタミー・ダーディン。ディフェンディングチャンピオンの不動裕理は、3アンダーの4位タイにつけた。単独首位の好スタートを切った野村は昨年末、米ツアー出場権をかけたQTを受験。ツアーフル出場の権利こそ逃したが、今年は米下部ツアーで優勝を飾るなど、勢いに乗る18歳(当時)。この試合は米ツアーのメンバーとして、クラブ契約をする主催者の推薦を受けてのプロデビュー戦。通常であればプレッシャーに押し潰さてれもおかしくない場面だが、この日の野村は「ショットが思ったより良かったです」とパー5で2度の2オンに成功するなど、持ち味の飛距離を生かすゴルフを展開した。 2日目は気温が上昇し、厳しい暑さ。上位陣がスコアを伸ばすなか、首位スタートの野村敏京は4バーディー・1ボギーの69のラウンドで通算9アンダーとし、首位を堅守。宮里藍に次ぐ史上2番目の年少優勝へ向け、首位で最終日を迎えることとなった。単独首位からのスタートに「最初の方で少し緊張しました」という野村だったが、前日同様ショットの安定度は抜群。9番ではティーショットを左に曲げて今大会初のボギーを喫したが、それ以後はピンチらしいピンチも無く、ルーキーとは思えない落ち着きぶりで予選2日間を終えた。「ボギーをしないのが目標だったのですが、パー5でボギーにしてしまって、先生にあとで何を言われるか…」と69の好スコアにも、この日唯一のボギーに本人は反省しきり。「優勝を絶対すると思ったら、頭が真っ白になってスコアに影響するので、守る気持ちを持ってやりたいです」と最終日へ向けて早くも気持ちを切り替える。そしてこの日2位に浮上したのが、前年の賞金女王・アンソンジュ。首位を行く野村とはこの大会の練習ラウンドで共にプレーし「1回だけのラウンドでしたが、彼女の強い気持ち、技術を見て、素晴らしい選手だと思いました」と絶賛。しかし自身もホステスプロとして臨む大会だけに、最終日は先輩プロの意地を見せたいところ。 迎えた最終日は、最終組がハーフを終えたところで激しい雨により約2時間の競技中断となる波乱の展開。そのなか単独首位スタートの野村は序盤からバーディーを重ね、4バーディー・ノーボギーと他を寄せ付けない圧巻のゴルフで国内ツアー初優勝。宮里藍の最年少記録に次ぐ、18歳178日での優勝を飾った。野村追うアンソンジュは、6番パー5でティーショットを左に曲げ、OB。そして続く3打目もOBとし、このホールまさかの9打。「アンさんは先輩なので、OBのときはあまり気分よくは思わなかったですけど、優勝となるとライバル。あとは私のスコアを守るだけだと思いました」と野村にとっては優勝を決める大きなアドバンテージとなったようだ。 |
ヨネックスレディスゴルフトーナメント 2011年5月27日~5月29日 ヨネックスカントリークラブ(新潟県) /6,376Yards Par72(36,36) | 優勝者 | A.P. | 合計 | 1R | 2R | FR | 優勝賞金 | | 茂木 宏美 | -5 | 211 | 70 | 71 | 70 | ¥10,800,000 |
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―茂木宏美が3年ぶりのツアー通算5勝目― 雨がぱらつくなか幕を開けた大会初日。まず飛び出したのはこの日1イーグル・3バーディー・2ボギーの68をマークした朴仁妃。1打差の2位タイには横峯さくら、馬場ゆかり、笠りつ子、李知姫(イチヒ)の4名が続く混戦模様となった。2週前の大会では最終日に首位から陥落してしまった朴だが、「最後に悔しい思いがあるので、頑張りたいですね。18番イーグルと良い形で終われたので、明日に生かして最善をつくしたいです」と2勝目へ向け絶好の位置につけた。 2日目は朝方に雨が降ったものの穏やかな天候。上位が混戦のなか、着実にスコアを伸ばして首位に立ったのは1打差の2位タイからスタートの李知姫(イチヒ・韓国)。この日は4バーディー・2ボギーの70で通算5アンダーとスコアを伸ばした。首位と1打差2位タイには最終18番でチップインイーグルを奪った横峯さくら、酒井美紀の2名がつけた。「前半もったいないボギーを打ってしまったので、スコアは出ないんじゃないかと思っていた」という李は前半を1バーディー・2ボギーの37とスコアを伸ばせない我慢のゴルフ。それでも15番で6mのバーディーパットを沈めると「リズムが良くなって」と勢いに乗り、上がり17、18番で連続バーディーを奪い一気に首位の座へ。パッティングに悩んでいた時期もあったが「今年のオフに100ヤード以内のショットとパッティングを練習して、今年は春先から良い調子できているので、去年よりスコアが出るようになってきました」と確かな手応えを掴んでいた。8、9番で連続ボギーを叩くなど安定感を欠いた横峯は「17番までは凡ミスが目立っていた」とこの日のラウンドを振り返ったが、最終18番ではグリーン手前からのアプローチを決めてチップインイーグル。自身も「イメージ通りに打てた」と語る会心のショットでトップに1打差と食らいついた。 そして最終日。前日の夜から降り続いた雨の影響で濃霧が発生し、途中約2時間半の中断。刻々と変わる天気同様に、試合も首位が目まぐるしく入れ替わる大混戦。そんな混戦を制したのは、この日首位と2打差からスタートした茂木宏美。各選手のスコアが伸び悩むなか、15番のバーディーで単独首位に立つと、最終18番でもバーディーを奪い、李知姫を1打差で振り切った。 「今は本当に頭がいっぱいで、とにかく嬉しいです。最後のバーディーパットも思い出せないくらい興奮しています」と、3年ぶりの優勝に喜びを爆発させた茂木。この日はボギーが先行する苦しい立ち上がりとなったが、後半11番でバーディーを奪うと「(ボードを見たら)トップに1打差だったので、そこからグッとモチベーションが上がりました」と闘志に火が付いた。2010年秋に結婚し、ご主人の物心両面でのサポートも大きな力になっているという茂木。「主人を含めて、キャディさんやみんなに肩車してもらっています(笑)」と、独特の表現で周囲への感謝を示した。 |
第3回は 1月16日(月)掲載予定です。