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2016.9.4

お見事、ホステスV 穴井詩、9年の沈黙を破る

<Photo:Masterpress/Getty Images>

 2016年LPGAツアー第25戦『ゴルフ5レディス プロゴルフトーナメント』(賞金総額6.000万円、優勝賞金1,080万円)最終日が9月4日、北海道美唄市・ゴルフ5カントリー美唄コース(6,364ヤード/パー72)で行われ、大会の冠スポンサー、ゴルフ5所属の穴井詩が通算14アンダーでツアー初優勝。2打差の通算12アンダー、2位は申ジエ、通算11アンダーの3位にイボミが入った。(天候:曇り 気温:23.2℃ 風速6.5m/s)

 大願成就、苦節9年-。さまざまなことが頭を過る。ただ、その瞬間、「タイミングを逸した。あれよ、あれよという間に全てが過ぎていく。こんなはずでは」と穴井詩は打ち明ける。夢にまでみたツアー初優勝。「本当に長かった。泣いてしまうと、うまく優勝スピーチができないから、それが終わって涙というシナリオを描いていたんです。でも、アッという間の出来事で次々とセレモニーがあったから、忘れてしまった」。

 Vの予感が漂ったのは、2日目の17番。17メートルのバーディーパットを決めるなど、前週までとは別人のようなオーラを感じた。「今年は、どんなに予選落ちが続いても、1試合だけ勝てればいい。そう誓った。だけど、予選落ちをするにも、意味のあるものにしなければならない。成績はいまひとつで、皆さんからみるとさまよっているようでも、ちゃんと前向きでした」。

 デーンと落ち着いて、堂々のスタート。4、5番でバーディーチャンスをものにすると、無理に攻めてはいかない。後半に入って、10,11番で連続バーディーを奪い、グイッと混戦から抜け出した。14番で唯一のボギーを叩いたものの、元世界ランキング1位の申ジエ、それから賞金ランキング1位を快走中のイボミを寄せ付けない。王者のゴルフと、女王の品格をアピールしながら、あっさりと勝利をもぎとる。

 「18番、1.5メートルのパーパットはビビりました。2パットで行っても優勝だったけど、それでは格好が悪い。ウイニングボールは今、ポケットに入っている。どうしよう、と考えています」と話した。

 ツアー初優勝ということは、負けっぱなしということにもつながる。何度もチャンスがありながら、あと一歩が足りない。「一生忘れられない」と語ったのは、14年のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップだ。テレサ・ルーと雨中の決戦。プレーオフで敗れた。「内容は、私の勝ち試合。本当に悔しい」と今でも顔をしかめた。なぜなら、「サプライズで両親、兄が最終日、応援にきてくれた。特に兄は、リコーにつとめているからです。きょうの優勝でリベンジの機会を与えてもらったこともうれしい」。

 一方、忘れてはならないのは、今大会が所属先、ゴルフ5の冠大会だったことだ。「よく、ホステス大会では、プレッシャーがすごい、という選手がいる。でも、私はいつも親切に接してくださるスタッフの皆さんのおかげで、ホームゲームの雰囲気でした」と感謝を表した。

 日本一、幸せな女子プロゴルファーとなった穴井だが、好事魔多し。「実は、選手権大会(コニカミノルタ杯)の、練習ラウンド予約を忘れていた」。次の目標を「公式戦制覇」と宣言しただけに、ゴルフは記憶と経験のスポーツであることを、改めてかみしめた様子である。

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