1st day プラスワン～井上りこ～

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞

スタンレーレディスゴルフトーナメント　東名カントリークラブ（静岡県）1日目

　画数は11と少ない。井上りこ(23)。とても覚えやすい名前だ。今年、TPD単年登録を行い、今回がプロデビュー戦だ。「パッティングのタッチがとても良かった」という。2アンダー、9位タイで1日目を終えた。今大会は、主催者推薦選考会を突破して出場権をつかんだ。今季は中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン、日本女子オープンゴルフ選手権競技の2回、選考会へチャレンジしたが、いずれも及ばず。「私は、スコアの波が少ない。だから、1日が勝負の選考会にはあまり向いていない」と苦笑した。ということで、3日間競技のツアーは大歓迎。

　ゴルフを始めたのは9歳。「福岡の実家が、小さなゴルフ練習場を経営」ということで、スッと入っていけた。最初の転機が訪れたのは、高校3年。「ゴルフの調子がとてもいい感じで、いわゆるイケイケの状態でした。だから、プロテスト受験の申し込みを。でも、キャンセルして進学することにした。1度、推薦の話があり、断ったけど、もう1度、推薦のお話をいただいた。キャンセルしたことが良かったのか、悪かったのかはこれからの成績しだいだけど、ゴルフに限らず人生を生きる上で学んだことが、たくさんあった」と話す。兵庫・大手前大学では、日本女子学生ゴルフ選手権競技で、2位が2回。「1位になれない女で終わりました」。

　卒業した今年、プロテストを受験したが、最終テストの最終日を10位で迎えながら、無念の不合格だった。「4年間、待ったのが良かったのか…。だけど、後悔はしません。ゴルフは楽しいですからね。今回、最も気をつけたことはあいさつ。同組でプレーする方、ロッカールームで顔を合わせた方など、できるだけ自己紹介をしなければなりません。何事も最初が肝心。あいさつはすべての基本です」。

　趣味はミュージカル鑑賞。最も印象に残っているのは、劇団四季の美女と野獣だ。「ミュージカルを鑑賞すると、まるで夢の世界にいるみたい。豪華なステージ、きらびやかな世界が素晴らしいです」と前置きし、「ラウンド中、無意識に踊ったり、歌を口ずさんでしまうこともある。当然、周囲の方には、ご迷惑にならない程度です」と明かした。

　ちなみに、ここ一番のゲン担ぎを質問すると、「勝負下着をつけることです。もっとも、そんなことよりも、2日目に予選を通過しないといけませんね」。トークも、なかなかのものだった。