2nd day プラスワン～ささきしょうこ～

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞

NOBUTA GROUP マスターズGCレディース　マスターズゴルフ倶楽部（兵庫県）2日目

　一流選手への道は、サインからスタート。イラストやデザインを職業としている知人から、そんなアドバイスを受けたのは、小学6年生だ。

　「6種類のパターンをつくってくださった。いい選手、一流の人はいいサインをつくらないといけない。そう、言われたことが印象に残っています。6種類から自分で書きやすいものを選んで、何度となく練習を重ねた。オリジナルとして、ハートのマークと68を加えました。数字には、いつも68がマークできるように、という願いを込め、誕生日の6月8日をかけています」という。この日も、ホールアウトするとサインを求めるファンの長い行列ができた。

　今回は凱旋である。7月の大東建託・いい部屋ネットレディスでツアー初優勝を飾った。宝塚の自宅へ帰ったのは、3か月半ぶりだ。よく初優勝をすると知り合いがものすごく増える、といわれているが、「本当にその通りでした。子どもの頃に会っただけの方などが、良かったね、と声をかけてくださいましたよ」と笑っている。今回は自宅からコースへ通う毎日。ただ、19日のプロアマ大会からの帰路では、ちょっとしたトラブルに見舞われた。

　通常なら車で約45分程度だが、高速道路で事故渋滞に巻き込まれ、全く動く気配がない。そこで一般道へ迂回したが、こちらも渋滞がひどかった。運転をしていた父・修治さんが一計を案じ、「あすも朝がはやい。何時につくかわからないから、電車で先に帰った方がいい」。すぐさま、その言葉に従った。ただし、最寄りの西宮名塩駅までは、徒歩で1.3キロもあった。

　「疲れました。ゴルフ場で歩くのは平気ですけどね。それよりも、電車に乗ってからが…。ゴルフウエアのままでしたからね。それもちょっと派手めだったから。コースではスッと周囲に溶け込んでしまうけど、電車に乗ると異様な視線を感じました。気がつくと、私だけが浮いてしまって…」。これもプロゴルファーの宿命というものだろうか。

　ちなみに、目下の賞金ランキングは30位だ。残り試合の目標は、もちろん2勝目をあげることだが、「最低でも30位以内は死守したい。来年の日本女子オープン選手権競技の出場資格がある。それから、新人賞を獲りたい。最初で最後のチャンスですからね」。地元兵庫で、しかも高額賞金の今大会に全力投球である。