2016.10.23
全美貞が大逆転V 引退危機から伝説への道を-
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
2016年LPGAツアー第32戦『NOBUTA GROUP マスターズGCレディース』(賞金総額14,000万円、優勝賞金2,520万円)大会最終日が10月23日、兵庫県三木市・マスターズゴルフ倶楽部(6,523ヤード/パー72)で行われた。この日、7バーディー、ノーボギーの65をマーク。全美貞が通算17アンダーで今季2勝目を飾った。1打差の通算16アンダー、2位タイは笠りつ子、鈴木愛。(天候:曇り 気温:19.3度 風速:3.4m/s)
圧巻の大逆転。元賞金女王が完全に輝きを取り戻した。勝負を決めた、17番のバーディーパットは大会史上に残るものだ。9メートルの距離で、しかも、「軽いスライスライン。上って下って…。うまくラインへ乗せることができた」と説明。しかし、こんな舞台裏を明かす。「最終日はここにカップを切ると、予想していた。練習ラウンドで何度か試しました。でも、まさかバーディーがとれるとは…。ストロークした瞬間、これなら。パーは楽にとれる-そんな感じです」。
無欲の勝利だった。「まさか、まさかです。スタート前、風が強いから、とにかくスコアを落とさないようにしよう、と思った程度。しかし、パッティングが1日を通して、素晴らしく、それにつられ、アイアンショットが良くなり、ずっといまひとつだった1Wまで後半、思い通りになった」と振り返る。
ただし、プレーオフに備えて、パッティング練習をしていた際は、「今年、(プレーオフは)2戦2敗で、去年も1度負けている。いちおう、練習をしていたけど、プレーオフはやりたくない。だから、私は2位でいいから、笠さん、鈴木さん、連続バーディーをとって、というのが正直な気持ち。優勝したことはうれしい。だけど、プレーオフを戦わないで終わったことでホッとしたのが一番。だって、もし負けた時は、ずっと引きずるからです」。
今年、1度は引退を決意した。「ゴルフが楽しくない。とりあえずやめたかったから」という。ところが、『サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント』で優勝を。「私以上に、韓国の家族が涙を流して喜んでくれた。まわりの人まで幸せに感じるゴルフって、なんて素晴らしいのだろうと思い直したら、再び、前向きになれました。優勝などを目指すのではなく、今は楽しくプレーすることだけを考えている」。俗にいう燃えつき症候群を脱出。
4年ぶりの年間複数回優勝に加えて、通算24勝は具玉姫を抜く日本ツアーでの韓国人選手単独1位となった。「不思議な気持ち。すぐに抜かされてしまうかもしれないけど、立派な行動をできるように、心掛けないといけませんね」。レジェンドの道を歩んでいく。
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