V2へ一丸　吉田弓美子の献身力

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞

THE QUEENS presented by KOWA　三好カントリー倶楽部西コース（愛知県）2日目

　2アップ差をつけながら、欧州ツアー代表、パーカー、ボワノー組が驚異の粘りを発揮。結局、吉田弓美子、堀琴音組は引き分けに終わった。「オールスクエアは、負けと一緒。悔しいです」と、吉田は絞り出すように話している。今大会へ出場することは、今季の大目標のひとつだった。

　「去年、応援に来たら、素晴らしい大会だなぁ、と肌で感じたから。ただ、秋から体調不良で試合を休んでいたから、出場資格はあったけど、どうしようか? 真剣に悩んだ。でも、周囲のアドバイス、激励を受け、LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップで久々にプレー。そこでこれなら微力ながら力になれるかなぁ、と思いました。(日本ツアー代表の)同じウェアを着られたことは、名誉なことです」。

　献身という言葉がこれほど似合った選手はいない。各選手へ配布するために、日の丸のペイントシールを買いに足を運び、2日間をかけてお手製のミサンガをつくった。チーム全員、LPGA役員、競技委員、スタッフにまで配る。「どんなスポーツでも、連覇をすることはものすごいプレッシャーとの戦い。前年の選手の思いを込めて、組みひもを結びました。日本は絶対に優勝します」と力強く宣言した。最終日、吉田はリザーブに回ったが、メンバーを選出するミーティングは、予定を大幅に上回る、約1時間。

　「本当は私がリザーブに回ろうと思っていたけど、プレーしながら、チームを引っ張って行くことになった」と笠は打ち明けている。その表情には、吉田のサポートへの深い敬意と感謝が表れていた。