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2017.2.13

変わるステップ・アップ・ツアー① 『目指せ、賞金女王』

 LPGA創立50周年を迎えた2017年。節目のシーズンは、変革の始まりでもある。レギュラーツアーは当然のこと。大きく変わるといえば、3月28日に開幕するステップ・アップ・ツアーだ。レギュラーツアーへの出場資格を持たない選手やルーキーに試合経験を積ませることを主眼にスタートしたのが1991年。今シーズンは全21試合で行われる。

 昨年末の制度改革の発表から、プロ2年目・照山亜寿美が目の色を変えた。「賞金女王をとります。とらなければならない」。ステップ・アップ・ツアーは今季、賞金ランキング制を導入し、成績に準じたさまざまな資格が与えられる。ランキング1位の選手には、開幕戦からリランキング(2018年より制度導入予定)実施までのレギュラーツアーへの出場権を与えられることが最大のポイントだろう。照山はプロ1年目の昨年、『フンドーキンレディース』で初優勝を飾った。

 そこでつかんだのが、レギュラーツアー4試合の出場権。ところが「力不足を思い知らされた。4試合の内、2試合は予選通過ができた。でも、優勝争いなんてとんでもない。自分がまだまだということがわかりました」。同じトーナメントとはいうものの、レベルの差を感じたという。ただ、経験することは悪いことではない。「少し慣れたかなぁ、と思ったら、4試合が終わっていた」。

 今季は、優勝=4試合のレギュラーツアーへの出場権はなくなるが、賞金ランキング1位になれば、来期はシーズン途中までとはいえ、シード選手同様の出場権が与えられる。2004年、プロテストのトップ合格を目指した横峯さくらが、2位に。しかし、ステップ・アップ・ツアーの優勝でレギュラーツアーの出場権を得て、わずか7試合で賞金シードを獲得した。その翌年、諸見里しのぶも3試合で賞金シードを獲得。そうはいっても、これらは稀有な例。伝説といっても過言ではない。

 以降、そんな離れ業を演じた選手は出ておらず、4試合のレギュラーツアー出場を経て再びステップ・アップ・ツアーへ参戦しても、好成績を残せない選手も多いのが実情だ。多くのデータを分析し、何年にもわたり検討した制度の変更。どちらに理があるかは、一目瞭然だろう。

 「フンドーキンレディースは、忘れられない3日間でした。いろいろな事情があったから…。私は、両親のサポートを受けずにやっていくことが社会人としての目標です。でも、あの試合で成績を出して、賞金を稼がなければ、次の試合の遠征費やサードQTのエントリーフィーなどがなかった。経済的にいうと、ギリギリの状況。追い詰められていた。そうはいっても、試合が始まると、そんなことをすっかり忘れて、プレーに集中することができました。ツキもあって、ショットでミスをしても、全ては結果オーライ。プレーオフも自然体でプレーできたと思います」。

 ただし、勝負の世界はいいことばかりがあるわけではない。ちょっとしたことで、負のスパイラルへ陥ってしまう。照山は昨年のサードQTが、まさにそれだ。「プロテストに合格し、初めて優勝も経験した。とてもいい年だったけど、サードQTは悪夢。最終日の9ホール終了まで4アンダーでした。それが3パットをしてから、7ホールで8オーバーと大きく崩れて…。自信喪失というのか、ゴルフがわからなくなりました」という。

 ファイナルQTへは進めず、今季のQTランキングは155位。頭を抱えていたところへ、ステップ・アップ・ツアーの制度変更が知らされた。


―次回につづく

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