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2017.2.15

変わるステップ・アップ・ツアー② 『一打の重み、スリリングな戦い』

 2017年からステップ・アップ・ツアーの制度変更を受けて、照山亜寿美がまず感じたことは、「私、ついている。サードQTで失敗して、お先真っ暗だった状況が一変した。だから、ステップで賞金ランキング1位になって、2018年はレギュラーツアーへ一気に突っ走りたい。そういうこともあって目標を高く設定しました。私だけではなく、周囲の選手がもっと"ヤル気がわいてきた"と話している」と語っている。

 プロになって大きく変わったことは、"ギャラリーへ見せる"という使命が新たに加わったこと。「よく試合になると、アドレナリンが出るというけど、私もプロになって、そのことがわかった。練習ラウンドでドライバーの飛距離は平均250~60ヤード。でも、試合では270ヤードぐらいになる。どうしてかはわからないけど、やっぱりアドレナリンということでしょうか」とほほ笑みながら、「ギャラリーの皆さんの声援がとてもうれしい。応援してくださる人がいれば、バーディーを獲って喜んでほしいと思います。それが私の感謝の気持ちですね」と続けた。

 プロテスト合格後、ステップ・アップ・ツアーへの出場権を得て、最初の試合でこんなことが。「ギャラリーさんから"サインをください"と言われました。それはとてもうれしいけど、LPGAのホームページから、私のプロフィールをプリントアウトして"ここにサインしてほしい"と仰った。ありがたいなぁ。もっと努力しなければいけないなぁ。プロの喜びを実感しました」と話している。

 また、ファンとの会話でよく耳にすることは、「スカイAでいつも観ている。応援するからね」。ステップ・アップ・ツアーが右肩上がりになった要因は、CS放送・スカイAで2012年からテレビ中継がスタートしたことにある。露出が増えてスポンサーや開催コースからの評判が上昇。一方で、実際にプレーする選手が「本当にうれしい。ありがとうございます」と異口同音に繰り返す。

 というのは、CS放送の利点を生かし、より多くの選手の生のプレーを映すからだろう。たとえ、優勝争いを演じていなくても、テレビ画面に登場となれば、えも言われぬ体験に。さらに、選手は「家族や親戚、知人がとても喜んでいます」と話す。成績にかかわらず、ホールアウトまで全力を出しきろうという姿勢が生まれる。

 一打の重みとは、よく優勝争いやレギュラーツアーの賞金シード争いでクローズアップされる言葉。ステップ・アップ・ツアーも17年から、一打がシーズン最後まで重要な意味をもつ。賞金ランキング2~5位へ、ファイナルQTの出場権。6~10位にはサードQTからの出場権がそれぞれ与えられる。照山は昨年、サードQTで足踏みした経験があるだけに、「シーズンを通して、大きなモチベーションです。賞金ランキングのトップ10へ入れば、苦しいQT出場を軽減できる。あの苦しさを知っていますから」。

 よりスリリングな戦いは、ツアー全体のレベルアップへつながる。


―次回につづく

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