2017.3.18
渡邉が3位タイへ浮上 『もっと上に』
<Photo:Chung Sung-Jun/Getty Images>
Tポイントレディス ゴルフトーナメント 鹿児島高牧カントリークラブ(鹿児島県)2日目
スポーツは記録。よく、記録にも記憶にも残るように、と多くのアスリートが口にするが、やはり勝たなければ忘れ去れてしまう。この日の18番。渡邉彩香の脳裏を過ったのは、昨年の最終日だった。「1打、届かなかった。それだけを忘れずに最終日はプレーしよう」と。もし、16年の今大会で優勝を飾っていれば、リオデジャネイロ五輪日本代表を、手中にできたかもしれない。また、シーズン未勝利という屈辱も、味わわないで済むはずだった。
相性の良さを生かして、大会2日目は6バーディー、2ボギーと首位から3打差へ浮上。リベンジの絶好機となった。「2つのボギーは3パット。かなり、もったいない。ただ、感触はとてもいいです。なかなかバーディーがこなくても、我慢していたら後半、チャンスが来たから」という。今季の目標を質問されると、「ターゲットはありません。唯一、あるといえばひとつでも多く勝つこと」。しっかり言い切った。
勝利のためなら、こだわりも捨てる。今季から各日毎にドライビングディスタンスを発表することが話題になった。飛距離といえば渡邉の代名詞のようなもの。ところが、「1番のこだわりはありません」。そうはいっても、2日目まで264ヤードをマークして、断トツのトップである。「カート道に当たって、ボールが転がったものがあったし、そこは何とも思っていない」と、まるで他人事のようだ。
そして、「調子がいいとか悪いなんていっていられない。いつでも勝ちたい。去年は、上位争いだけで満足していたから、あとひと押しが足りなかったと反省しました」と力を込めた。ただし、ガチガチになっているわけではない。いい意味でゆとりを感じさせるのも、16年とは違った一面だ。
「本田さんが(サッカー日本代表の)メンバー入りして本当に良かった」と笑顔で漏らす。本田圭佑の流儀は有言実行。悔しさを糧にひたすら勝利を目指す。
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