ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント　最終日

森田理香子が涙のツアー通算2勝目

　2012年度LPGAツアー第27戦『ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント』（賞金総額7,000万円、優勝賞金1,260万円）の最終日が、宮城県宮城郡利府町の利府ゴルフ倶楽部（6,498Yards／Par72）で行われた。

　天候：雨、気温：19.5℃、風速：2.4m。次第に強くなる雨のなか行われた最終日。優勝争いは最終組3人による熾烈な戦いとなるなか、後半に入り抜けだした森田理香子が、後続の追撃を振り切り、2010年10月以来となるツアー通算2勝目を飾った。2打差の2位には茂木宏美。3打差の3位にはリエスド（韓国）が入った。

　最終日序盤は単独首位でスタートした茂木宏美とリエスドが互いにスコアを伸ばし、一歩も譲らない展開。同組の森田はこのバーディー合戦に遅れを取り、パーをセーブするのが精一杯だった。しかし「以前最終組を回った時より落ち着いて出来ました」という森田は、焦ることなくパーを重ねると、迎えた7番・パー3。「（持ち球ではない）フェードボールを頑張って打ちました」というティーショットで1mにつけて、難なくバーディーを奪うと「あそこでショットで思い出したことがあって、流れが良くなりました」ときっかけを掴み、続く8番パー4でもセカンドショットを1mにつけてバーディーを奪った。すると同組の茂木が9番でボギー、リも10番でボギーとし、流れが森田に傾いた。その後も10番、12番、13番でバーディーを奪い、一気に同組の2人を逆転した森田。15番ではボギーとし、再び茂木に並ばれたが「どうしようとかは特に思わなかったです」とすぐに気持ちを切り替え、直後の16番で再びバーディーを奪い、勝負を決めた。「途中からいけるかなと思いましたけど、そう思うと良くない事も多いので、何があるかわからないと思って、そういう気持ちを出しちゃいけないと思ってプレーしていました。ずっと気持ちは平らでしたし、（ここまで出来たのは）自分でもわからないです」と終始冷静だった優勝争いを振り返った。

　2年前の初優勝時は、2日目が中止となり、2日間・36ホールの短縮競技。最終日は、最終組から5組前をまわり、62を出しての大逆転優勝だった。「あの時とは全然違うし、まわりからも2日間だろと言われたりもしました。こうして3日間スコアを伸ばせたことは嬉しいですし、同門の選手達の優勝争いする姿を見ていて、自分がプレーしている以上にドキドキしましたし、それが凄く勉強になりました」とこの2年で大きく成長。優勝直後は「今までやってきた事が間違っていなかったんだ」と大粒の涙を流した。師匠の岡本綾子から「今日の自分と明日の自分は違うよ」とアドバイスを受け、この日は冷静に自らがやるべきことを考えての勝利。「（今回の優勝で）成長したと思います。ショットは曲がっていましたけど、次へ次へと思えた気持ちがありました。小技も下手と言われていたのが人並みと言われるようになりましたし、今後は全てが上手になるように頑張っていきたい」とさらなる進化へ向けて、ツアー終盤戦に挑む。

茂木宏美 （2位：-12）
「優勝できなかったのは、残念でした。でも気持ちは前向きな感じです。良いゴルフをしていたと感じています。反省点もありますが、次に繋がった大会でした。(先週優勝した)永井奈都ちゃんなど若い子もたくさん出ているし、最近の私は自分のゴルフができていませんでしたが、35歳でもまだやれると感じました。今回は私のゴルフができたんじゃないかなと思います」。

リエスド （3位：-11）
「優勝できるという感覚はあったんですけど、途中から思うようなプレーができなくなってしまいました。今回は残念、悔しいですが、次勝てるように頑張ります」。

有村智恵 （4位：-10）
「昨日と比べるとショットはあまり良くなかったんですが、パターが決まってくれました。上に届くほどのスコアは出せませんでしたが、良いプレーができたと思います。ここ4週間、すごく安定してプレーが出来ています。東北のファンの方、すごく多くのギャラリーの方が応援してくれて、楽しかったです」。

蛭田みな美 ベストアマチュア
「初めてプロの試合に出て、攻めと、パーを取るゴルフの切り替えがプロの人たちは上手いなと感じました。今週はショートゲームが最後の方に良くなってきました。ショートゲームが上手いとわれる選手になりたいです。（高校は）福島でお父さんに習っています。今回はすごく素敵な経験をさせてもらいました」。