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2013.6.13

サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 1日目

成田美寿々のバーディーラッシュ! ゴールドラッシュ!!

 『サントリーレディスオープンゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)の大会1日目が、兵庫県神戸市の六甲国際ゴルフ倶楽部(6,537Yards/Par72)で開幕した。自己ベストとなる64をマークし、8アンダーで首位スタートしたのは、成田美寿々。2打差・6アンダーの2位には、アンソンジュ、リエスドの韓国勢がつけ、5アンダーの4位に比嘉真美子、岡村咲が続いている。

 2週連続優勝を狙う表純子は、1アンダー・21位タイ、森田理香子、横峯さくらは1オーバー・45位タイと出遅れた。(天候:晴れ、気温:30.6℃、風速:4.3メートル)

 負のスパイラルを吹き飛ばしたのは、開き直り。ノーボギーにこだわるあまり、見えない呪縛で自分自身をがんじがらめにしていた。1番のティーショット。いきなり左のバンカーにつかまった。それも、目玉という最悪の状況。目標としていたノーボギーのラウンドがもろくも崩れ去った。「最初でボギーにしたことで、もういいか、と思ったら、急に気分が楽になりました。不思議です。そうしたら、スイングの怖さがなくなりました」。

 3番で2.5メートルを決め、この日の初バーディーを奪うと、さながらのバーディーラッシュ。7番までは、5連続。アウトの締めくくりとばかりに、9番では2.5メートルを沈めて、6バーディーを奪った。インに入ってもよい流れは逃げることはない。11番で3メートルのパーパットを残すピンチがあったが、難なく乗り切ってさらに3バーディーを上乗せした。64のスコアは2012年マンシングウェアレディースの第2ラウンドの65を上回る自己ベスト記録。もうひとつ、首位でスタートするのも初体験となった。

 ノーボギーでラウンドすることに執念を燃やすのは、意外な理由があった。成田の賞金を管理するのは、父の俊弘さん(58)。プロとはいうものの、日本体育大学在学中の20歳だけに、過分な金銭感覚を身に着けることは、分不相応と考えた。そこで、出来高制による、小遣い制を提案したのだ。バーディー1個につき、1,000円。これもさらに、細分化されている。1日、3個のバーディーが目標で、たとえば、4日間で目標の12バーディーをクリアすれば、11個目からは、1個について5,000円に跳ね上がる計算だ。ちなみに、ノーボギーのラウンドには、3万円のボーナスとなり、これが最も狙いやすいとインプットしたのが、そもそもの間違いだった。

 「よく父に、バーディーパットを外すと、グリーンにお金をまいてきたな、といわれました」。まさに、パット・イズ・マネー。コースには、お金が埋まっているといわれるもの。ささいなことで、練習場では調子が良くても、いざコースでは思い通りにボールが当たらない。ドライバーの飛距離が30ヤードも落ちてしまった。今季は、これまで得意ではなかった、パッティングとショートゲームで何とかしのいで、予選通過を果たしてきたが…。しかし、中京テレビ・ブリヂストンレディス、リゾートトラストレディスと2週連続の予選落ち。先週のヨネックスレディスを休養にあてている。アマチュア時代の原点に戻り、基本的な練習を繰り返した。

 「彼女は、左の骨盤がカタい。それをやわらかくするため、スタンスをより広くとって打つとか、ペットボトルの上にティーを立てて、それをポンと打つ。ティーショットに不安があるから、これまでの試合では、だんだんとティーアップが低くなっていました。それじゃ勝負になりません。ジュニア時代にやってきた練習は、ツアーが続くとなかなかできない。一度、原点に戻ったらいい、と考えて私は、休むように提案しました」と俊弘さんは証言。

 昨シーズン、富士通レディースでツアー初優勝を飾り、今シーズンはさらなる飛躍を誓った。「メジャーを含む、年間3勝をする」。その励みにしたいと、父親へ交渉したのは、運転免許の取得と、小遣いの見直しだった。いずれもオッケーとなったが、まさか、その2つが足を引っ張るとは考えてもいなかった。運転免許の取得で、オフの大事な期間となる1ヶ月月が犠牲となり、練習力が足りなかったという。一方で、ボーナス制度も二重の足かせに。そうはいっても、苦しんだ経験はこれからのプロ生活には、何物にも代えがたい財産として心に刻まれた。

 ちなみに、優勝すると、成田はどれだけの小遣いを手にできるのか。「10万円です」。あまりに少ないと思ったが、「20歳の女子大生だから、そのぐらいが妥当」と俊弘さん。それどころか、「予選落ちしたら、小遣いは1円も出ない。それが約束です」と、戒めの言葉を愛娘に贈った。ちなみに、きらきらネームが氾濫する女子プロゴルフ界でも、美寿々の名は珍しいと感じる。命名したのは、母、和子さん(57)。「美寿々という漢字の並びがとても美しいと思った」。なるほど、リーダーボード最上位の5文字が輝いていた。


アンソンジュ (2位タイ:-6)
「3週休んでいたので、今日は練習するような気持ちで試合に出ましたが、それがいい成績につながったのかもしれません。久しぶりにいいスコアが出て本当に嬉しいです」。

リエスド (2位タイ:-6)
「今日は本当に暑かったですが、私は暑いほうが好きなので、気持ちよくプレーできました。明日から自分がどんなゴルフができるか楽しみです」。


比嘉真美子 (4位タイ:-5)
「今日はアウトで耐えて、インで伸ばすという戦略通りに出来ました。調子は変動がありますが、日々戦略を考えながら、今日みたいにフラットな気持ちで4日間戦っていきたいです」。

岡村咲 (4位タイ:-5)
「今日はすごく楽しいラウンドが出来ました。問題は明日なので、今日のことは忘れてまた明日、初日のつもりでやりたいです」。

金田久美子 (6位タイ:-4)
「暑かったですね。暑いのは嫌いです。でもいいゴルフができました。今日の手応えはいいですが、明日が勝負なので。明日もスコアを伸ばして決勝ラウンドを楽しめる位置につけたいです」。

新崎弥生 (6位タイ:-4)
「18番は10メートル近くの下りのパットが入っちゃいました。段々トーナメントの雰囲気に慣れてきたなという感じがします。初日がよくても2日目からつまずくことが多いので、1日1日リセットしていけたらいいなと思います」。

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