1. ホーム
  2. ニュース&トピックス
  3. サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 2日目

2013.6.14

サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 2日目

脱メカニック 求フィーリング 飯島茜の大改造計画進行中!

 『サントリーレディスオープンゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)の第2日が、兵庫県神戸市の六甲国際ゴルフ倶楽部(6,537yards/par72)で行われた。首位の通算7アンダーに並んだのは、飯島茜、比嘉真美子、リエスド(韓国)の3人。2打差の通算5アンダー、4位タイには、森田理香子ら5人がつけ、通算4アンダー、9位タイに、福田裕子、黄アルム、アンソンジュ、岡村咲が続いている。
(天候:晴れ、気温:30.4度、風速:3.2メートル、ギャラリー:4,211人)

 ジワリ、ジワリとギャラリーが増えていく。熱視線に刺激され、忘れていた感触がよみがえってきた。圧巻は17番。7メートルのパッティングをねじ込んだ。飯島茜はこれで首位へ。「久々にいいプレーができました。コースでマネジメントしていて、とても楽しい」と言葉が弾む。2010年のゴルフ5レディスで通算6勝目をあげてから、スランプが続いた。ハードな練習、新しいコーチ探しなど、プラスになりそうなことは、何にでもチャレンジしたが、すべて空回り。「自分なりに考えたら、勘違いしていることが多かった」。そこですがったのは、ゴルフ界きっての理論派、感覚派で知られる男子プロで、永久シードをもつ片山晋呉だ。連絡をとると、意外にもすぐにオッケーの返事が。2月、宮崎市内で行われた合宿へ参加した。

 片山は、「本気で、すべてを直すの? で、いくら稼いでいるの? 700万円ぐらいか、それなら、いいかなぁ」。ポンポンと飯島へ質問。懐事情まで探ったのは、改造が長引けば、収入が途絶えてしまうことを心配してのこと。かといって、手取り足取りのレッスンではない。一緒にラウンドして、ひたすら技を盗む。「片山さんの感覚というか、フィーリングでプレーするスタイルを私も欲しかった。せっかくアドバイスを受けても、言葉の重みがわからないといけないと思ったからです」。ゴルフをはじめ、コーチである、父の一男さんとは、スポ根アニメの代表作「巨人の星」のような世界が展開された。理論で武装して、メカニックなプレーに執着。それで行き詰まり、ひとりで熟慮した答えが、フィーリング派への転向だ。

 もちろん、ないものねだりではない。プロ生命をかけ、「秋ぐらいには優勝争い。できれば、優勝へ持っていくのが目標です」。あせらず、さわがず。予選落ちした時も、時間を有効に使った。片山の出場する試合を観戦して、そこでテクニックやフィーリングを目に焼き付ける。この日、ショット、パッティングなどがフィットしたのは、2010年に優勝経験がある今大会だった。感性を磨けば、プライベートも変わってくる。 「自宅や、試合で宿泊しているホテルの部屋を、きれいに片づけないと落ち着かない。トイレのふたが開いているだけで、違和感があるようになってきましたね」と笑った。

 ちなみに、片山からのアドバイスで、最も印象に残るのは、「ゴルフは、曲がるもの」。あるがままに受け入れ、それを自然に受け入れる。簡単なようだが、これが難しい。さて、決勝ラウンドの飯島は-。最終日、久々にコースを『茜色』に染め上げてみせるのか。16日は父の日。全く違ったスタイルでのVは、最高のプレゼントとなる。

 比嘉真美子にとって、今季はルーキーイヤー。すでに2勝をあげ一躍、時の人となった。まだ、19歳。コースではフレッシュなプレーを披露するが、身に着けた思考法は、実に老かいだった。「第1日と変わらない気持ちでプレーすることが、4日間の大会での必勝法。3日目だから、最終日だから、優勝争いだから…。その時々で変えてしまうのは良くないと思う」。スタートからパーをキープし続ける我慢の展開だった。

 チャンスが巡ってきたのは、7番。残り15ヤードの第3打をチップインバーディー。続く、8番でも連続バーディーとした。 「1日が長く感じられたのは、プレーを待っている時間が長かったからでしょう。集中力をキープするために、キャディーさんと夕食の話題について話したり、水分をとったりして、オンとオフのスイッチの切り替えを心がけました」。この日の取材場所は、優勝トロフィーの前。直立不動で、はきはきと質問に答え、終了すると、トロフィーをチラリとみた姿が印象的だった。

 首位に立ったリエスド。この日のラウンドでは、キャディーをつとめる妹のチソンさんから激しいゲキが飛んだ。その数は12回。「納得のいくプレーができれば、結果はついてくる」。すべてが同じ内容だった。勝てそうで勝てないイライラが続く。そこで韓国でのコンピュータープログラマーの仕事を休んで、サポートを買って出た。ホールアウト後には、「こんなに多く人にみてもらえて、拍手まで…。プロゴルファーほどすてきな仕事はない」とまでいわれたという。 予選ラウンドは酷暑の中でのプレー。しかし、「わたしはアスリート。常にトレーニングは怠っていないから、暑さは気にならない。4日間大会は、わたしは大歓迎です」。さらに、「暑い方が集中できる」とも。日本語を流暢に話せるようになったのは、「来日してから、日本語ができなくて、ずいぶんと損をしたからです。お金でしょう。時間でしょう。たくさんありましたよ」。なるほど、目の色が変わってきた。

 

成田美寿々 (4位タイ:-5)
「昨日できすぎていただけ。まだあと2日あるし、追いかける方が気楽にできます。(最後バーディーで)-5と-4では気持ちが全然違う。最後は気合で入れました」。

藤田幸希 (4位タイ:-5)
「今日はアプローチとパッティングが良かった。ショットは9年のプロ生活の中で今年が一番仕上がっています。あとはパッティング。明日以降も続けていって自分のモノにできたらですね」。

金田久美子 (4位タイ:-5)
「ショットはすごく良かったけど、パターが全く入らなくて…ダメですね。ショットが良かったからピンチは無かったですけど、今日は悔しかったです。あと2日ショットの調子を崩さず、体力維持してやっていきたいです」。

森田理香子 (4位タイ:-5)
「(5番でイーグル)気持ち良かったです。2ndショットもイメージ通りの球が打てました。(イーグル数4個目でトップタイに)前に去年より2試合ぐらいペースが早いと言われて、安心して取れました。あと2日、守るとこは守って、攻めるところは攻めて。4日間大会は勝たなきゃいけないですよね」。

新崎弥生 (4位タイ:-5)
「今日もパッティングが良かったです。私のタッチとここのグリーンはマッチしているし、自分が読んだラインをしっかり信じてできています。4日間大会で4日間戦えるのは記憶に無いくらい前のことなので、すごく嬉しいです」。

このニュースをシェアする

記事検索記事検索ARCHIVE

年を選ぶ arrow
月を選ぶ arrow
カテゴリ arrow
search検索