ニチレイレディス　2日目

笑顔のミーティング委員長・吉田弓美子が単独首位浮上

　『ニチレイレディス』（賞金総額 8,000万円、優勝賞金1,440万円）の大会2日目が、千葉県千葉市の袖ヶ浦カンツリークラブ 新袖コース（6,584Yards／Par72）で行われた。3位タイからスタートした吉田弓美子が67をマークし、通算9アンダーで単独首位浮上。1打差の8アンダーでイナリ（韓国）、さらに1打差の7アンダーでウェイユンジェ（台湾）、フェービー・ヤオ（台湾）が続いている。

　連続予選通過記録更新中の横峯さくらは、2アンダー・20位タイで予選を通過し、記録を98試合に更新。2週連続優勝を狙う森田理香子は、1オーバー・41位タイとスコアを伸ばしきれなかった。 （天候：晴れ、気温：24.6℃、風速：2.6メートル）

　底抜けに明るい。ラウンド中も笑顔を絶やさない。18番で11メートルの長いバーディーパットをねじ込むと、吉田弓美子のこの日一番の笑顔がグリーン上ではじけた。

　今年はミーティング委員長の重責を担っている。ツアーに参加する選手層の低年齢化が進んでいるとはいえ、大勢の選手たちのまとめ役は、26歳の吉田には負担が大きい。選手としての本分をこなしながら、日々コース内外で起こる諸問題の解決に奔走する毎日。「色々大変ですよね。でも頑張らなくちゃ」。そういってまた笑顔。

　先週に引き続き、最終日を最終組で迎える。「なるようにしかなんない。追い上げてくる人は来ますので」。その言葉は、先週優勝をさらわれた森田理香子を意識してのもの。「あの18番を入れてくるのはすごい。尊敬するというか。完敗でした」。

その差はたったの1打差、しかし残り2ホールでバーディーを奪えなかった自分。反対に連続バーディーを奪った森田。その違いが吉田に完敗というイメージを与えた。今日も猛追を見せて迎えた17番。先週最終日の17番と同じ距離、1.5メートルの絶好のバーディーチャンスを外した。「デジャヴかと思いました」。そう笑い飛ばしたが、最後の18番はきっちりロングパットをねじ込んでみせた。「強い人はバックナインが強い。私もそうなりたい」。最終日、勝負はバックナイン。明日こそは18番を笑顔で上がってみせる。

　最終18番。イナリが残り40ヤードのイーグルショットを直接カップインさせるド派手なフィニッシュで、最終日最終組をモノにした。

　もともと派手なタイプではない。これまで優勝経験もない。しかし、堅実。2009年から実に4年連続賞金シード獲得。そしてその間の賞金額は毎年3,000万円前後、順位は全て20位台。この数字がイナリという選手を表している。プレースタイルも堅実。今季ここまでの成績、パーオン率は決して高くない。しかしパーセーブ率は堂々5位。グリーンを外してもコツコツとパーをセーブする。

　「ここのコースは相性がいいんです。毎年トップ10に入れている。狭くてグリーンが小さいコースが好きなのですが、ここはまさにそういうコース」。自分のスタイルに合った相性のいいコース。そして今日18番で飛び出した、自分のスタイルに似つかわしくないド派手なイーグルショット。「初優勝したいです。明日は狙います」。勝負の最終日、自分の殻を破ってみせる。

ウェイユンジェ （3位タイ：-7）
「テイクバックをどこにあげるかとか、そういうゴルフの基本を改めて思い出してやっています。ツアーを戦っていると基本を忘れてしまうんですよね」。

木戸愛 （5位：-6）
「（首位と3打差）自信はあるので、明日頑張りたいです。優勝という結果がでたら嬉しいですけど、自分のやることをやって、それでいい結果が出れば。明日が楽しみです」。

中村香織 （6位タイ：-5）
「明日、優勝を狙える位置かどうかは分かりませんが、一打一打集中してやるしかないです」。

原江里菜 （6位タイ：-5）
「ショットがビタビタつきました。逆に1ピンぐらいのパットが入らなかったですね。でも昨日は1ピンぐらいのパーパットが入っていたので、まぁいいですかね（笑）」。

成田美寿々 （6位タイ：-5）
「先週から少しずつ良くなってきて、自分の思ったところに飛んでくれるようになってきました。（優勝を）期待できる状態にはありますが、あまり期待しないようにします」。

大江香織 （6位タイ：-5）
「あれだけ曲がっているわりにはいいスコアでしたね。調子はそんなに悪くはないです。曲がるのはいつものことなので」。

辻梨恵 （12位タイ：-4）
「朝は緊張しませんでした。ちょっとマネジメントが悪かったですかね。明日しっかりやってアンダーパーで上がりたいです」。