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2022.3.11

永井花奈がスランプ脱出宣言 V字回復へ自信

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント 土佐カントリークラブ(高知県)第1日

 今大会をV字復活のきっかけに-。永井花奈が5バーディー、ノーボギーの67で回り、3位タイの好スタートを切った。昨年の最終日は、稲見萌寧とのプレーオフで惜敗。勝負の明暗がシーズンまで左右する顕著な一例だろう。稲見は賞金女王へ輝き、一方の永井は不振に陥り、5試合連続を含む23試合の予選落ちなど、賞金シード権を失っている。

 気分を新たに、今大会から導入した58度ウエッジが、スコアを後押し。6番のチップインバーディー、17番では大ピンチのバンカーから1.5メートルに寄せ、パーセーブに成功した。「去年まで使っていたタイプが、廃盤に…。前週は新たに2タイプのウエッジを試したけど、なかなかうまくいかない。おかげで、今日はハマりましたね」と満足そうにうなずいている。

 一方で、昨年秋から青山充コーチの指導を受けている。「課題は、ヘッドアップするスイングだと思っていたけど、指摘されたのはまったく逆でした。ボールを見過ぎ、といわれた時には本当に驚きです」。新たなスイングづくりへ取り組んでいる。「テンポも意識している。おかげで、今はゆったりとクラブを振れるようになった」と話した。

 もしも、1年前に今大会で勝っていれば、その時点で1年間の出場資格を得られる。シード権を失うこともなかったろう。1打の重みを痛感した1年になった。「1年前の私は、気持ちがすごく弱かったと思う。(稲見)萌寧の方が勝ちたいという気迫が上回っていた。勝負の流れが悪い方へ大きく傾いてしまいましたね」とも振り返る。

 この日、東日本大震災発生から11年。数年前から、契約スポンサーを通じ、バーディー奪取に応じたチャリティーを行っている。「失いかけてきたものを取り戻しつつある。バーディーをたくさんとれば、チャリティーができるし、優勝を目指したい」。かみしめるように、苦悩からの脱出を宣言した。

(オフィシャルライター・宮脇 廣久)

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