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2011.2.4

2010年度 LPGAツアープレイバック その8

  

 マスターズGCレディース 
(兵庫/マスターズゴルフ倶楽部/6,502Yards/Par72)

優勝者A.P.合計1R2R3R優勝賞金
横峯さくら
-10206716768¥22,140,000


―横峯さくらが逆転女王へ望みをつなぐ劇的V―

 いよいよ大詰めに差し掛かったLPGAツアー。前週4勝目を挙げたアンソンジュ(韓国)と、そのアンを約5千万円差で追う横峯さくら。それに続くランク3位の全美貞(韓国)と同4位の馬場ゆかり。この大会ではアンを追う3選手の熾烈な優勝争いが繰り広げられた。

 肌寒さを感じるなかスタートした初日。まず首位に立ったのは、この日唯一となるノーボギーの67をマークした馬場ゆかり。「後半たて続けにバーディーが来たのが良かったです。前半はいくつかグリーンは外しましたけど、カラーだったりとか、アプローチも1m以内ばかりで危なっかしいのは無かったです。パーを積み重ねられたので良いスタートが出来たと思います」と会心のラウンドを振り返った。1打差の2位にはプロ6年目の成田いづみ。さらに1打差の3位タイには米山みどり、全美貞、タミー・ダーディン(豪州)が続いた。アンソンジュは1オーバーの28位タイ、横峯さくらは1アンダーの7位タイにつけた。

 続く2日目。前日首位の馬場を始め上位陣は大混戦となったが、なかでも4打差7位タイからスタートした横峯さくらは、9ホールで7バーディーを奪う猛チャージ。また全美貞、馬場ゆかりも安定したゴルフでスコアを伸ばし、3人が通算6アンダーで首位に並んだ。奇しくもこの時点での獲得賞金ランキングで2位、3位、4位につける3人が首位に並んだ2日目。ランキング2位の横峯は「勝てそうで勝てない試合が続いて、そのあとちょっと落ちた時期もあって…。今回はチャンスなので勝ちたいですね」と珍しく優勝を狙う強気の発言も飛び出せば、ランキング3位の全も「今日は安定していて、あまりピンチは無かったです。最終組で回れることは良いことなので、楽しく回りたいです。明日は良いゴルフをするだけです。そうすれば(4勝目も)出来ると思います」と自信を覗かせる。ランキング4位の馬場も「どうしても最終組で回りたいと言う気持ちがあったので、最後は絶対バーディーを獲りたいと思いました。今日の内容を考えると、出来ればあと2、3つ伸ばしておきたかったですけど、3人並んでいる訳ですし、まだ面白い展開」と優勝へ色気をみせる。それぞれの思惑が交錯する最終日、アンソンジュに少しでも近づくのは誰か。その1番手に名乗りをあげるべく、最終日は互いのプライドを賭けた、熾烈な戦いが繰り広げられる。

 そして最終日。序盤から最終組3人がスコアを伸ばし、優勝争いはこの3人に絞られる。そんななか迎えた7番195ヤードのパー3。9番ウッドで放った横峯のティーショットは見事にカップに吸い込まれてホールインワン。プロ入り後、自身初となるエースで流れに乗ると、その後は猛追する馬場ゆかりとの一騎打ち。勝負は最終18番ホールまでもつれたが、1打リードしていた横峯が最終ホールをパーで乗り切り、勝負あり。この時点で賞金ランキング1位を独走するアンソンジュとは残り5試合で約3,281万円差となり、逆転賞金女王へ望みをつないだ。

 5番ホールでは20ヤードをSWでチップイン。7番ホールでは9Wでホールインワンと、前半はまさに“神懸かり的”なゴルフを見せた横峯。「入って喜びましたけど、まだ7番ホールだったので、あんまりはしゃいじゃいけないと思って、絶対に気を抜かないようにと言い聞かせていました」と会場の興奮冷めやらぬ雰囲気にも冷静さを保ち、続く8番で、すかさずバーディーを奪った。「今年は1勝してから今日まで凄い間があったので、これはチャンスだと思いました」という優勝への執念が、久々のチャンスをモノにさせた。前年同様、逆転女王への可能性も出てきたが、「諦めずに頑張ると言えば良いですけど、それは内心思うことで、今は少しでも追いつきたい気持ちですね。私自身調子も良くなってきて、ここでそれを言ってしまうと、自分にプレッシャーになってしまうので、今はとにかく頑張る事ですね」と慎重な姿勢。残りはあと5試合。最後の気力を振り絞って、ベストのプレーを目指す。

 

  

 樋口久子IDC大塚家具レディス 
(埼玉/武蔵丘ゴルフコース/6,561Yards/Par72)

優勝者A.P.合計1R2R3R優勝賞金<※>
森田理香子-1113371-
62¥9,450,000


―森田理香子、ツアータイ記録で涙の初優勝―

 正午の気温13.7℃と、肌寒い曇り空のなか幕を開けた大会初日。首位から3打差以内に26人がひしめく混戦のなか、初日首位に立ったのは2008年に本大会を制している服部真夕、そしてニッキー・キャンベル(豪州)の2人。服部は「今日は本当にパットが良かったですね。後半の10番も右にティーショットを曲げてしまって、出して2mくらいのパーパットを入れてパーだったので、そこをパーで切り抜けられたので、後半伸ばせたと思います」と後半の9ホールで4バーディー。同じく首位のキャンベルは「このコースは距離が長かったのですが、天候も落ち着いていて、コンディションも良かったので、良いプレーが出来ました」と好プレーを振り返った。

 2日目は前日から懸念されていた台風が関東地方に接近し、開催コースの武蔵丘GCにもその被害が及ぶ。協議の結果、2ndラウンドは悪天候の為に中止が決定。勝負は最終日18ホールの短期決戦に持ち込まれた。初日首位タイの服部は「この天候じゃしょうがないですね。明日一日頑張るのみだと思います。天気が良ければ、しっかり伸ばすしかないと思います」と気持ちを切り替えた。

 そして最終日。時折雨がぱらつくものの、台風の影響もなく穏やかな天候で競技が行われた。試合は序盤から短期決戦に勝負をかける各選手によるバーディー合戦が繰り広げられるなか、首位と3打差の13位タイからスタートした森田理香子が驚異的なプレーを見せる。2番で8mのバーディー決めて波に乗ると、3番は3m、4番では8mを沈め3連続バーディー。続く5番でこの日初めてのボギーを叩くも、続く7番から4連続、勢いは止まらず、14番からさらに3連続バーディーを決め、最終18番でも難なくバーディー。計11個のバーディーを重ね、LPGAツアー記録タイとなる62ストロークをマーク。この圧巻のプレーに上位陣はついていくことが出来ず、結局森田は通算11アンダーで2位に4打差をつける圧勝。「樋口会長が殿堂入りをした、この記念すべき試合で優勝できたのは光栄に思っています」と歓喜の涙でツアー初優勝を飾った。

 最終18番ではイーグルパットを外し、惜しくもツアー新記録の61とはならなかったものの、完璧なゴルフを披露した森田。ここ2ヶ月で4度予選落ちを喫するなど苦しいゴルフが続き、「本当にうまくいかなくて、辞めろということかなと思った」。それでも「周りにいい先輩や師匠(岡本綾子)がいてここまでやってこられたので、一人の力じゃなくて、みんなの力で勝てたと思っています」と、苦難を乗り越えての初優勝に感無量の表情。「今回勝てたことで自信を持てたと思うので、もっと練習して敵なしと言われるくらい上手くなりたいです。1勝したら、(最終戦の)リコーカップにも行けるので、あと4試合もっともっと、上を目指して、これに満足せずに欲を言うけどもっと勝っていきたい」とさらなる目標を掲げ、ツアー終盤戦に挑む。

※競技が36ホール(2ラウンド)に短縮となったため、賞金ランキングへの加算額は75%となる。

 

  

 ミズノクラシック 
三重/近鉄賢島カンツリークラブ6,506Yards/Par72)

優勝者A.P.合計1R2R3R優勝賞金
申 ジエ-18198656667¥14,443,200


―女王の貫禄、申ジエが亡き母に捧げる米ツアーV―

 日本国内で行われる全米女子プロゴルフ協会公式戦『ミズノクラシック』。米ツアーの『P&G NWアーカンソー選手権』までのUSLPGA賞金ランキング上位の43名と日本ツアーの『富士通レディース』までの賞金ランキング上位35名に出場資格が与えられるこの大会は、米ツアーからこの時点で5勝を挙げている宮里藍、そして『日本女子オープン』でプロ初優勝を挙げた宮里美香、上田桃子の3名が凱旋出場。さらにこの時点の米ツアー賞金ランキング1位の崔羅蓮(チェナヨン・韓国)、同2位の申ジエ(シンジエ・韓国)、曽雅妮(ヤニ・チェン:台湾)、モーガン・プレッセル(米国)など、錚々たる顔ぶれが参戦した。

 初日は爽やかな秋晴れのなかスタート。日米のトッププロによる熾烈な戦いが繰り広げられるなか、7アンダーで首位に立ったのは、馬場ゆかりと申ジエ。「ロングホールで取りたいと思ってバーディーが取れたので、良いスコアに繋がりました。本当に良いスタート。またチャンスが巡って来たのかなと言う感じです」と会心のスタートを切った馬場。2010年シーズンはここまで未勝利ながらも賞金ランキングで自己最高の4位につけており、この大舞台で惜敗に終止符を打ちたいところ。一方の申は「ここに来るとショットも良くなるし、ウッドを持ってもボールがピンに向かって飛んでいくね」と同伴競技者に言わせる程、コースとの相性が抜群。この日は9バーディー・2ボギーの猛チャージにも「悔しいのはパッティング。午前中はショートすることが多かったですし、午後はロングパットの距離が合わなくなって苦しかったです」と反省しきり。「この試合には特別な思いがあるので、まずはこの試合で頑張るのみです」と米ツアー初優勝を挙げたこの大会で、気持ちの油断は一切無い。

 2日目。前日同様、絶好の天気に恵まれるなか、首位タイスタートの申ジエは「初日が良いスコアだったので、今日は少しプレッシャーが多かったせいか、出だしは体の状態が悪かったです」と前日の4連続バーディー発進とは違い、出だしからエンジン全開とは行かなかったが、それでも「我慢しながらやって、バーディーを獲ることができました」と4番パー4でセカンドをピン横30cmにつけると、徐々にショットの切れ味が戻り、結局終わってみれば6バーディーノーボギーの好スコア。隙の無いゴルフでスコアを伸ばし、通算13アンダーで単独首位に立った。2打差の2位にステーシー・ルイス(米国)、さらに1打差の3位タイには佐伯三貴とヤニ・チェンが続いた。2日間で13アンダーのスコアにも決して満足しない申。「このコースはスコアが出るコースなので、明日はもうちょっと攻撃的なプレーをしなければいけないと思っています」と2年連続の米ツアー賞金女王へ向けて最終日も全力のプレーで勝負する。

 最終日。単独首位スタートの申ジエがこの日も順調にスコアを伸ばす。2位グループからは曽雅妮とステーシー・ルイスが必死の追い上げを見せるが、申が後半の2つのロングホールで確実にバーディーを奪い、勝負を決定づける。最終的に54ホールで20個のバーディーを奪った申は、他を寄せ付けない完璧なゴルフで勝利をモノにした。これで米ツアー賞金ランキング首位を行くチェナヨンとの差も約3,500ドル余りと急接近。「来週は休むのでわかりませんが、最終戦が残っています。今週の良いイメージを持って、最後の試合も精一杯頑張りたいです。最後の試合に勝てれば、温かく冬が越せるかな」と女王への意欲も十分。「今季は序盤で盲腸の手術をして、後半戦を戦う体力が心配でしたけど、こうして今日、5週連続出場の5試合目で勝つことができて、本当に良かったです。実は明日は母の命日なので、韓国に帰ります。帰る時には必ず母にトロフィーを持って帰ると心の中で誓っていたので、それが出来て良かったです」と中学3年生の時に交通事故で亡くなった母の墓前に捧げる、最高のプレゼントとなった。

 

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