2017.10.21
上田桃子、首位奪取 技も勘もさえた
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
2017年LPGAツアー第33戦『NOBUTA GROUP マスターズGCレディース』(賞金総額1億8,000万円・優勝賞金3,240万円)大会3日目が10月21日、兵庫県三木市・マスターズゴルフ倶楽部(6,507ヤード/パー72)で行われた。接近中の台風21号の影響でタフなコンディションながら、上田桃子が通算11アンダーとスコアを伸ばし、単独首位。2打差の通算9アンダー、2位に畑岡奈紗、申ジエ、藤本麻子が続いている。(天候:雨 気温:16.4℃ 風速:2.7m/s)
勝負所を察知する能力。前日に続いて、上田桃子の勘がさえわたる。12番、9番アイアンのショットは、ピン右上5メートルにつけた。この時、首位を走っていたのは同組の畑岡だ。「ここが、キーポイント。これ以上、離されるわけにはいかない。ものすごく集中したバーディーパットだと思う。うまく入って、食いついていけた」と上田は振り返っている。
まるで最終日の優勝争いの緊張感。台風接近で、明日もまた荒天は間違いない状況だ。「私だけではない。スコアを少しでも伸ばす。最初は和気あいあいでも、途中から最終日の雰囲気のようだった。後半の9ホールは、ギャラリーも含めてシーンとする時間がかなりあったと思います」と説明する。さらに、「畑岡さんは、雨にもかかわらず、アグレッシブなプレーを続け、たくさんガッツポーズが飛び出していた。ならば負けない。だって、きっちりと準備をしてきたから」と話す。
ここ最近は、背中痛の影響などで、優勝争いをすることがなかった。「おかげさまで、体調が良くなってきたし、今大会へ向かう時から、優勝争いをしたい……と思ってきた。練習日から、その優勝争いのために、あらゆる状況を設定して、準備を重ねてきた。おまけに、予選ラウンドのペアリングをみたら、畑岡さん、ディフェンディングチャンピオンの全美貞さん。いい感じで回れそう、と感じた」。輝きまで取り戻す。
この日、スタート前の練習では、雨は降っていない。にもかかわらず、あえて上田は、レインウェアを着用。これも、それ以降の天候を予測した準備のひとつだった。「とにかく、あせらずにプレーする。ケガをしてから、5割のパワーで練習をしている」。ベテランと呼ばれるキャリアを積み、多くの経験が厳しいコンディションでも揺るぎのないプレーを演出した。18番、グリーン左のマウンドから、残り11ヤードの第3打を見事なまでのチップイン。「まさか、入るとは思わなかった。あの時は、とにかくお先にパーをセーブすることだけ。だって、プレッシャーをかけたいでしょう」。
終わってみれば、2打差をつけて単独首位に立っていた。もちろん、強烈なオーラを放ちながら……。
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