1. ホーム
  2. ニュース&トピックス
  3. Day 2 プラスワン~不動裕理~

2018.4.14

Day 2 プラスワン~不動裕理~

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

KKT杯バンテリンレディスオープン 熊本空港カントリークラブ(熊本県)第2日

 レジェンドと呼ばれるのは、わけがあった。通算50勝の存在感に加え、見る人へ幸せを運んでくる。「下手なゴルフになっても、変わらず応援してくださる。スポーツ選手は年齢を重ね、下り坂になると、なかなか注目していただけないものです。今大会は、いいペアリング、それから大勢のギャラリーからの声援など、心から熊本県民で良かった。そう感じています」。ただ、地元だからという顔見世的な出場ではない。そこは本人も、ギャラリーも承知の上だ。

 「熊本のファンはあたたかいと同時に、見る目も厳しい。グリーンへボールがオンすると、通常は拍手がくる。でも、熊本は違います。その選手のレベルに応じて拍手が来る。ピンに寄らないと、私はあまり拍手をしてもらえない。そうやって、熊本の皆さんが育ててくださいました」。さらに、2年が経った熊本地震へ話題が移る。

 「あの時、試合へはエントリーしていなかった。東京にいて、地震から1週間後、こちらへ…。2年が経ったけど、考えていたより、いろいろな面でそれまで過ごしたような、日常を取り戻すのは大変です。実家も、まだすべて片付けが終わったわけではない。70歳を過ぎた両親です。若いころのようにはいきません。私も手伝ってはいますけど」。ひと言ずつをかみしめるように語っている。

 この日は、70でプレー。通算2アンダー、6位タイで最終日を迎える。「今回は、アプローチとパッティングで、何とかこのスコアです。我慢、我慢のゴルフ。やりくりしながら頑張っている」。ここまでを振り返った。第2日は川岸史果、武尾咲希と同組。レジェンドを間近にした川岸は、「幸せでした。プライベートでは2度、ご一緒させていただきました。その時も、お上手だと思いましたけど、やっぱり試合の不動さんは違います。グリーンまわりは、必ず2回であがるような感じがした。私にも、あの技術があれば-思わず、ギャラリーになってしまうことが、しばしばです」。うっとりした表情を浮かべる。

 一方で、「強く印象に残ったのは、リズムが一定だったこと。1Wからパターまで一糸乱れない。さすが、50勝という神髄です。昨日、ペアリングを見た時からワクワクしていました。1日が本当に短いと感じましたよ」といい、大いに刺激を受けた。その効果が、すぐに表れる。「今シーズン、パー5でバーディーを量産することができなかったけど、今日はパー5の4ホール、すべてでバーディーをとれた」。悩める大器は自信を回復したようだ。

 そんな話を不動へ伝えた。「みんなが幸せになる。それが私にとっても幸せです。今日は1人、川岸さんを幸せにできました。なるほど、パー5の集中力がすごかったわけですね」と納得の様子だが、こと勝負になれば話は別だった。久々の優勝争いについて、「朝一番のティーショットが、緊張するでしょう。だって、ギャラリーが多くティーグラウンドを囲んでいるし、いいところを見せたいと思うでしょう。最終日は、どんなに雨が降ろうが、すべて受け入れます。天気は何でも。とにかく、やるしかありません」。

 相手はもちろん。自身の限界と戦う大一番である。

このニュースをシェアする

記事検索記事検索ARCHIVE

年を選ぶ arrow
月を選ぶ arrow
カテゴリ arrow
search検索