2018.9.2
驚異の集中力 申ジエ、小祝を振り切る
<Photo:Ken Ishii/Getty Images>
LPGAツアー26戦『ゴルフ5レディス プロゴルフトーナメント』(賞金総額6,000万円、優勝賞金1,080万円)大会最終日が9月2日、岐阜県瑞浪市・GOLF5カントリーみずなみコース(6,545ヤード/パー72)で行われ、申ジエが今季2勝目を飾った。勝負は通算14アンダーで並んだ、小祝さくらとのプレーオフへ。2ホール目でボギーの小祝を振り切り、申がLPGAツアー17勝目をあげた。(天候:曇り 気温:29.6℃ 風速:2.0m/s)
勝敗は紙一重。1メートルのウイニングパットを決めると、長い1日を物語るように申ジエは大きな、大きなため息を漏らした。「きょうは、大変な1日。それは、ギャラリーの皆さんも同じ。たくさんの皆さんが最後まで声援をくださったので、私も頑張ろうというパワーになりました」と深々と一礼を行う。
世界中のキャリアを誇る申でも過去、プレーオフ中断はない。「2012年、アメリカでプレーオフ途中、日没。翌日へ持ち越したことがあります。重要なことは、中断で集中力を失ってしまうこと。残って待っていてくださる、ギャラリーの皆さんのことを考えながら過ごした。ごめんなさい。メディアの皆さんのことも…」。元世界一の冠は、気配りの人だ。
そして、「最後まで勝ちたい。自分の気持ちを強くもつことを心がけた。プレーオフの直前、54ホールの試合で、悪いことは出し尽くしたと、自分自身へ言い聞かせましたよ。だから、これからは、いいことばかりが続く」とも。
その通りに勝負が運んだ。そうはいっても、敗れた小祝さくらを絶賛する。「KKT杯バンテリンレディスオープンでは、同組でプレーをした。その時、ホールインワンをしたことが印象に残っている。小祝さんだけではなく、同じ世代が皆、強い。特に小祝さんは堂々としたプレーをする。きっと、きょうの経験からもっと格好いい選手になるでしょう。私も興味深く、見守っていきたい」と話した。
かつて、申は韓国で、パルパル世代のトップランナーをつとめた経験がある。1988年生まれは、黄金世代。イボミ、キムハヌルなど多くのスター選手がいたからだ。今季初Vのワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップでは、「日本の若い選手たちの、いい見本でありたい」と語っている。
さらに、「日本ツアーで戦うようになってから、福嶋晃子さん、大山志保さんなど、たくさんの先輩の皆さんにいろいろなことを教えていただいた。スポーツには国籍はありません。若い選手から、アドバイスを求められることは、とてもうれしいことです」と続けた。
一方で、黄金世代について、「最近の若い選手はアグレッシブ。ちょっと前まで、ミスを最小限に抑えることを、最初に考える選手が多かった。でも、今は違います。リスクを覚悟のうえで、攻撃的なプレーをする。みんな才能があるから、お互いが引っ張りあい、相乗効果を生んでいるのでしょう。とてもいい流れだと感じます」と瞳が輝く。若手の台頭でもっとも刺激を受けたのは、申かもしれない。
次週は日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯が控える。「メジャーを勝つためには、強い気持ちの他に、積み重ねた経験が必要。幸い、私はこれまで、経験をたくさん積んできました。それをもって向かいます」と締めた。アジアナンバーワン決定戦へ、静かな闘志を燃やす。
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