Day 3 ～ 松尾恵　プラスワン テック

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞

ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント　利府ゴルフ倶楽部（宮城県）最終日

　ゴルフは精神力。ホームアドバンテージが、これほど選手を変えてしまうのか－優勝争いをみた素直な気持ちです。サスペンデッドとなった第2ラウンドを消化し、最終ラウンドの最終組がティーオフしたのは午前11時20分。優勝した大江香織さんは、とてもいいショットで絶好のスタートを切りました。感心したのは、フィニッシュ。バッチリと決まっていた。

　今シーズンは、トップ10フィニッシュが4回。最近はあまり好調とは思えなかった。それが、第1日から淡々としながらも、静かな闘志のようなものが伝わってくる。やはり、東北高時代を過ごした、3年間の感謝を表すかの如く。驚いたのは、5番のパーセーブです。約3メートルを沈めると、ガッツポーズまで飛び出した。珍しいシーンです。

　とにかく、誰が優勝してもおかしくないような大混戦。これで流れを崩さず、勢いをつけたことで、8番は6メートル、続く9番の2メートルの連続バーディーにつながったのでしょう。お見事でした。

　一方、2位タイに終わったものの、これまた当地と縁がある、東北福祉大出身の佐伯三貴さんも、素晴らしいプレーで大会を盛り上げています。スイングがきゅっとしまって、ボディーターンの素晴らしさに目を見張ってしまった。これなら、大崩れはありません。後半の9ホールで、2つのボギーは残念でしたが、18番ではイーグルのシーンを演出。バーディーに終わったものの、最後まであきらめない勝負の執念を感じた。ツアー終盤戦で、きっと存在をアピールすると思います。

　今大会を通して、際立ったのは宮城に縁のある選手の活躍でした。ゴルフは、やっぱりメンタルなのですね。ただし、神経を研ぎ澄ませば、その時は大丈夫でも、ホッとすれば、ドッと疲れが出てしまう。くれぐれもケアをしっかりと。秋を迎え、LPGAツアーは、ますますおもしろくなりました。

(松尾恵=担当理事)