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2019.4.21

限界をつくらない 李知姫、不惑の誓い

<Photo:Masterpress/Getty Images>

 LPGAツアー第7戦『KKT杯バンテリンレディスオープン』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会最終日が4月21日、熊本県菊陽町・熊本空港カントリークラブ(6,428ヤード/パー72)で行われ、李知姫が通算8アンダーで逆転優勝を飾った。1打差の通算7アンダー、2位は吉本ひかる。(天候:晴れ 気温:24.9℃ 風速:1.3m/s)

 勝負所を知り尽くしたベテランの技がさえた。通算7アンダーで並走する吉本ひかるはホールアウト。最終組でプレーする李知姫は、パー5の最終18番にかけた。「バーディーがとれるホール。このチャンスを活かさなければ優勝は難しい。絶対に決めるつもりでした」とウイニングパットを振り返る。4メートル、下りのスライスラインを見事にカップイン。ところが、「勝ったという実感がわかなくて…。本当に優勝したのかなぁ、という気持ちでした」という。

 きょうは、特に前半のプレーが強烈。「すごくショットの感じがいい。とてもいい手応えがあった。でも、後半へ入るとショットの感触がいまひとつ。ひたすら、ガマンを重ねていたのです」。まさに、経験の妙といえるだろう。今年2月、不惑を迎えた。「40歳になったことをビックリしたのは、私自身。去年、ゴルフの調子があまりよくない。私のゴルフはどうなるだろう。果たして、40歳で優勝できるのだろうか。シーズン前からそんなことを考えた」そうだ。

 もっとも、周囲から、「何歳までプレーするのか。いつ引退する。とにかく、そんなことばかりを聞かれた影響も多いと思う。私はいくつまでプレーするとか、考えていません。若い時は、30代まで、と思った時期もあったけど、だんだんゴルフが楽しくなる」と話した後、笑顔になる。「年をとると、飛距離が出なくなるといわれるけど、私は大丈夫。(大山)志保さんも頑張っているし、まだまだイケると思っています。ただ、同じ年ごろの選手が少なくなったことは事実。(古閑)美保さんが、テレビ中継のラウンドリポーターをしていて、私が選手です。ちょっと複雑でした」と首をひねった。

 一方で、限界をつくらないことも第一線で活躍する重要な要素。「できる限りの準備をします。やはり、体調管理が重要でしょう。長く続けるためには、努力がもっともっと必要ですね」と自身へエールをおくる。さらに、「私はあとひと息が足りないことが多い。賞金女王もなれそうでなれない。もう一段階、上のレベルを目指したいです。もし、以前に優勝を重ね、タイトルをとっていたら、今のような気持ちにはなっていなかった。悔しい。惜しいがエネルギーの源」と本音を語る。

 今回の優勝でツアー通算23勝目を飾った。「永久シードをとるためには、年間3、4勝しなければならない。ツアーのレベルが格段に上がっているし、難しいとは思っているけど、まだあきらめてはいません」。気高く、力強く、不惑の決意がインタビュールームに響いた。

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