スタンレーレディスゴルフトーナメント　最終日

有村智恵が今季初優勝 ハーフ27を記録した諸見里が3位に

　2011年度LPGAツアー『スタンレーレディスゴルフトーナメント』（賞金総額9,000万円、優勝賞金1,620万円）の最終日が静岡県裾野市の東名カントリークラブ（6,500Yards／Par72）で行われた。

　天候：晴れ、気温：33.8℃、風速：3.4m。この日も真夏の天気となった東名カントリークラブ。首位タイスタートの有村智恵が前半で6バーディーを奪い、混戦を抜け出し、通算15アンダーで今季初優勝を飾った。3打差の2位には横峯さくら。さらに1打差の3位には、この日ハーフ27と8連続バーディー（イーグルを含む）の2つのツアー記録を更新した諸見里しのぶが入った。

　この日10アンダーで首位の有村が最終日の1番ホールのスタートを迎えた時、8番ホールでは大記録が生まれようとしていた。有村のスタートから1時間40分前、首位とは7打差の27位タイからスタートした諸見里しのぶが、1番ホールから7連続バーディーをマーク。続く8番パー5で2オンに成功していたのだ。これまでのツアー記録は7連続バーディー。諸見里はその記録を知ってか知らずか、続くイーグルパットも決めて、8ホールで9つスコアを縮める離れ業をやってのけた。この快挙にギャラリーの歓声は最高潮。その歓声は1番ホールのグリーン上でプレーする最終組にも聞こえていた。

「ギャラリーから12アンダーだよという声が聞こえて、諸見里さんのスコアとどうしても計算が合わないので、間違いかもしれないと思いました」と近くでプレーしていた有村には、あまりの離れ業に理解が出来なかったようだ。思いもよらなかった伏兵の出現に一度は戸惑いをみせた有村だったが「どんな成績が出てきてもおかしくないですし、そんな恐怖感があるなかで戦っていくのが優勝争い。まわりがどうであっても自分が伸ばせばいいと思っていました」と4mにつけたバーディーパットをしっかりと決め、最高のスタートを切った。3番ホールでは「3万年に1度くらい曲がった」とティーショットを大きく曲げたが、見事にパーセーブ。その後は諸見里のスコアに触発されるように、前半は30をマーク。この時点で通算16アンダーとし、一気に勝負を決めた。

「今週は初日にああいうことになって、みなさんの記憶にも残る試合になったと思います。私は本当にそのプレッシャーとの戦いでした」と優勝インタビューでは、涙も見せた。「今年は宮城で行う試合とメジャーには勝ちたいです」。夏のオープンウィークには、東北高校のOGと被災地石巻に訪問するプランを立てている有村。「行く前にいい結果が欲しかったので、良い報告ができそうです」と高校時代を過ごした思い出の地でさらなる活躍を誓う。

横峯さくら （2位：-12）
「（10番のボギーは）悪くないショットだったんですが、深いラフに入ってしまって…。アプローチが寄らず、フィーリングが合いませんでした。優勝には届きませんでしたが、まずまずでした。もっといっぱい練習しないといけませんね。でも最後のホールでバーディーを取れて、単独2位に入れたのは大きいです。（前半戦を振り返って）前半1勝出来て、今週も2位で終わりました。もう少し勝ちたかったけど、まだ前半だと考えれば。良くも悪くもなかったと思います」。

諸見里しのぶ （3位：-11）
「気がついたら、バーディーばっかりでした。5連続以上バーディーは記憶にないので、6連続したときに最多だな、と思いました。良い緊張感の中で、ハーフ20台でラウンドできたのは、ゴルフ人生で初です。良い25歳を迎えることが出来ました。（ハーフ27とスコアカードを書いた時の感想は？）パット数でよく見る数字だな、と思いました。パット数もトータル27。前半が9パットで後半が18パットでした。後半はもったいなかったですが、これをいいきっかけにツアー後半戦に向けて頑張りたいと思います」。

宋ボベ （4位タイ：-10）
「63というのは自己ベストなので満足です。今日は成績よりも、良いスコアで回りたかったので、1日9アンダーで回れてよかったです。これからシーズン後半戦もあるので、トレーニングとか練習をしっかりして、頑張れるようにしたいです」。

藤本麻子 （4位タイ：-10）
「出だしのボギーが優勝争いをしていく中で、致命的ですよね。久しぶりに優勝争いという緊張感の中でプレーが出来たことは、本当にプラスになります。キャディーのトムからも“君はいいプレーヤーだ”と言われて、自信にもなりました。この3日間はいい経験になったし、この経験を今後の試合にも生かしていきたいと思っています」。