2019.7.13
マイナス40% 岡山絵里が目指す非完全の強さ
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ニッポンハムレディスクラシック 桂ゴルフ倶楽部(北海道)第3日
一か八かではなかった。首位タイで最終日を迎える、岡山絵里は完ぺき主義。「私は0か、それとも100かという性格です。パーフェクトでなければ、イヤ」と自己分析し、ことあるごとに話してきた。ところが、今回はちょっと違うのだ。
プロ5年目で、ようやく悟りの境地へ。「100%ばかりを目指していたら、18ホールの勝負ではとてももたない。だから、やめました。今、とても良い意味で自分自身を甘やかしています」という。今シーズンは出場16試合で、予選落ちはなし。前半はショットが好調だった。ハイライトは4番からの3連続バーディーだろう。中でも、パー3の5番で披露した5Iで30センチにつける、スーパーショットはギャラリーへ最大のアピール。ちょっと照れくさそうな笑みが好印象だった。
「今、課題にしているのは、60%のプレーでスコアをつくっていくこと。今年の全米オープンで痛感したことです。プロになる前から、理想としたのはきれいなゴルフ。ナイスショットをして、ナイスなパッティングでバーディーをとる。考えてみれば、毎ホール、そんなことを続けるのは不可能ですよね。実際に、大事なことはいかにしていいスコアであがれるか。たとえ、ボギーでも仕方がないと割り切って…。ずっと、割り切れなかったことが最近、できるようになった」。
技術面でもパッティングを数値化し、入念にストロークをチェック。さらには、昨年、腰痛で苦しんだ経験から、「自分でこだわったトレーニングを行っています」と話している。最終日は、黄金世代、さらに実力者との一大決戦。ツアー2勝目をあげる絶好のチャンスが訪れた。「年下の選手に負けてはいられない-とずっと思っている。でも、ラウンド中は、いろいろな欲を封印。フェアウェイをキープして、コツコツとパーを積み重ねて行きますよ」と静かにチャンスを待つ作戦だ。
(メディア管理部・鈴木 孝之)
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