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2013.11.23

大王製紙エリエールレディスオープン 3日目

さくらVS理香子 熾烈・激烈・猛烈のデッドヒート
史上最大の女王争いへ

 LPGAツアー第35戦『大王製紙エリエールレディスオープン』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)の第3日が、11月23日、愛媛県松山市のエリエールゴルフクラブ松山(6,442ヤード/パー72)で行われた。

 追う立場となった森田理香子がこの日、9バーディー、1ボギーの64。コースレコードをマークして、通算12アンダーで単独首位に立った。2打差の2位に上田桃子。通算9アンダー、3位タイには不動裕理、李知姫(イチヒ・韓国)がつけた。賞金ランク1位の横峯さくらは、通算8アンダーの5位タイ。また、藤本麻子が3番(172ヤード/パー3)でホールインワンを達成した。 (天候:晴れ、気温:14.1度、風速:2.7メートル)


 見方を変えれば、プロゴルファーは最も目の肥えたギャラリーとなる。コースレコードをマークして、ホールアウトした森田理香子が、うれしそうに口を開いた。「すごい展開。盛り上がった。私もギャラリーさんだったら、もっと楽しかった」。この日は、激しい賞金女王争いを展開する横峯さくらと同組。大ギャラリーが熱視線を送る、直接対決となった。経験の少ない選手なら、プレッシャーに押しつぶされてしまう場面。「(横峯を)意識はします。でも、決勝ラウンドだったから、きょう一緒になったのは、偶然でしょう」。 圧巻だったのは、15番。やられたらやり返す。入れたら入れ返す。横峯が20メートルのバーディーパットを決めた。その直後、森田が15メートルのバーディーパットを入れ返す。「横峯さんが入った時、すごいなぁ、と思った。私の場合は、ウワーッという感じでしたね」。森田のグリーン上は、スライスからフックする、とても複雑な下りのスネークライン。「入れる気はなかった。2パットでいい、と思った」といいながら、「ライン上のポイントを3か所発見して、その点を線で結んでいきました」と解説している。
 その森田について、2007年シーズン、同じ横峯と賞金女王を争いタイトルを獲得した上田桃子が、こんな話をしてくれた。「最近の彼女、表情が暗かった。ただ、先週、さくらちゃんが勝ったことで、逆に吹っ切れたのでしょうね。もう、自分が頑張るしかない、という状況ができあがった。さくらちゃんへ挑むのは、とてもやりがいがある」。


 個人競技の場合、客観的に判断する、もう1人の自分が必要だ。「私は、まだ23歳ですよ」とはいうものの、この日のラウンドを振り返ると、たとえコースレコードが出ても、納得がいかない様子だった。「ここまでパッティングは変わらずにいいですけど、第2打がラフからだったりすると、距離感などが…。内容からすれば、今年の前半戦の方が安定して、スイングも良かった。まだ、3日目だし、結局は4日目が終わってから。せっかく、いい位置にいるのだから、とにかく、最終日に頑張らないとという気持ちが今、とても強くなっています」。決して、力を込めたわけではないが、これまでと違って、今週の森田には気負いがない。それが、ギャラリーのように物事を楽しめる要因となった。 賞金女王だけでなく、最終戦となる「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」の出場権争い、来季のシード権争いでスポットを浴びる選手が上位グループを形成して、まるでシナリオがあったのでは― と思うような最終日の優勝争い。
 もちろん、3日目を終了して、最も優勝へ近いポジションをキープしたのが森田だった。「私もたまにはヤルなぁ、と思いました。それだけに、あすは攻めの気持ちを忘れないようにしたい」。今年の流行語大賞へノミネートされた、欲しがらない「さとり世代」に位置する森田。だが、優勝すれば、横峯の成績次第で賞金ランクの逆転も可能となる。「今年は3勝できて、いろいろな勝ち方を勉強してきました」。悟るのは、シーズンを終えてから。ツアー屈指の美しいスイングが史上に残る決戦への武器となる。


 賞金シード獲得を目指し、もう後がない上田桃子。肋軟骨骨折の痛みと戦いながらのラウンドだったが、救世主が出現した。もつべきものは同郷の先輩だ。上田が、「熊本のスーパースター」と評した不動裕理が、「苦しい時は、私の背中をみて」とばかりに、テキストとなった。第1日から3日間、不動と同組でプレー。「ジュニアのころから、不動さんはあまりにすごすぎて、マネをしたくてもできなかった。でも、今は経験を積んで、吸収する力が少しはついてきたのかな。今週だけで、私のゴルフ人生に大きなプラスに。だけど、一緒にプレーさせていただいて、改めてすごさを思い知らされました」と話した。
 ピンチだった9番では、バンカーからチップインバーディーを奪う離れ業も、その影響が大きい。「足場まわりに大きな石が5、6個あって、とても滑りやすい。一度、仕切り直しをしてイメージをしっかりと出してから打ったのがよかったのかもしれません」。実は、2日目、不動も同じバンカーからショットを行った。「私の時よりもアゴが突き出していて、もっと状況が悪かった。にもかかわらず、漠然と出して、次の1打に集中していた。心技体のバランスが良く、最終日も一緒に回りたかったですね」。
 とはいえ、3日目を終わり、不動より上位の2位へ。首位の森田とは2打差という絶好のポジションをキープした。「最終日は、私のすべてを出し切ります。みんな、賞金女王争いへ目が移っているし…」。シード権を飛び越え、優勝もー。このあたりが上田のしたたかさ。米ツアーでの経験が、土壇場で生きる。


李知姫 (3位タイ:-9)
「今日はショットが良く、チャンスについてくれました。それをしっかりとスコアにつなげていくことができましたね。上位の選手はまだまだスコアを伸ばしてくると思うので、その流れに乗り遅れないようにして、一つでも上を狙っていきたいですね」。

不動裕理 (3位タイ:-9)
「獲らなきゃいけないところで獲れなかったです…。長いパーパットがよく入ったことがせめてもの収穫です。今日みたいなゴルフでは優勝には届かないと思いますので、明日はロングホールとかチャンスで獲りたいですね。みんな自分の目標に向かって頑張っているので、私もその中にいられたら良いと思います」。

横峯さくら (5位タイ:-8)
「今日はティショットは良くなかったですが、セカンドでチャンスにつけられたので、カバーできたかなと思います。(森田との伸ばし合い)そうですね。彼女はすごく良いプレーを出だしからしていて、『私も私も!』となってしまったのですが、途中で自分のプレーをしようと戻せたのが良かったです。4打差なので届かなくはないと思います。これからショットの修正をしたいです」。

笠りつ子 (7位タイ:-7)
「風も穏やかで、絶好のコンディションの中、バーディーを重ねていくことができました。(明日)上の状況も見つつとはなりますが、自分のゴルフをして、少しでも上位で上がることができるよう頑張っていきたいです」。

テレサ・ルー (16位タイ:-4)  ※年間最多イーグル数11個に並ぶイーグルを5Hで獲得
「2打目残り220ヤードを3番ウッドで打って2オンしました。イーグルパットはピンの左から5~6メートルぐらい。このコースのパー5は距離がそんなに長くないので、積極的にチャレンジできますね。今日で記録に並びましたので、明日も狙っていきたいです」。

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