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2014.5.10

ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 3日目

プロのプライドを賭け、最終日へ
逃げ切りを図るフォンシャンシャンに挑戦する大和なでしこ・成田美寿々、藤田光里

 2014年LPGAツアー公式戦『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2,400万円)は、茨城県つくばみらい市の茨城ゴルフ倶楽部西コース(6,630ヤード/パー72)で、サスペンデッドとなった2日目の競技と、第3日が行われた。

 第1日から首位を快走するフォンシャンシャン(中国)が、通算6アンダーの単独首位で最終日を迎える。2打差の通算4アンダーに成田美寿々がつけ、通算2アンダーの3位タイグループには、藤田光里、宮里美香、フェービー・ヤオ(台湾)の3人。宮里藍はイーブンの10位タイ、アマチュアの勝みなみは、通算6オーバー。(気温:晴れ、気温:20.6℃、風速:1.9m、ギャラリー:10,708人)



 アクシデントにも動じない。4,000年の歴史がある中国が送り出したフォンシャンシャン。最強の冠は、ダテではなかった。11番。パッティングのアドレスへ入った際、グリーンの傾斜でボールが動いた。1打のペナルティーがついて、ダブルボギーに。普通なら、後悔の気持ちが頭を駆け巡り、なかなか平常心ではいられない。ましてや、競技委員を呼んで事情説明をするなどして、前組とは、間隔が…。「プレーのスピードを速めて、3ホール後に追いついたけど、同組で回った選手には、ご迷惑をかけました」。臨機応変に対処できて、しかもその後のプレーで2バーディーを奪って、この日も2アンダーを上積みしている。「ゴルフに、アクシデントはつきもの。気持ちをしっかりもって、その分は後でバーディーをとればいいことです」。

 ルーティンワークも変わらなかった。もちろん、表情も。14、17番でバーディーをとった際も、いつもと同様、軽く右手をあげて「サンキュー」。ギャラリーの声援に応える。公式戦は、こう戦え、というマニュアルを見ているかのようだ。日本女子オープンに続いて、公式戦2勝目をグッと引き寄せたように映るが、少しも浮ついた面はない。それどころか、「ゴルフの魅力は、最後の1ストロークまで勝負の行方がわからないところ。すべてが終わってからです」。石橋を叩いても渡らない。孫子の兵法ではないが、「動かざること山の如し」といった印象だ。



 成田美寿々のプロのプライドをかき立てたのは、アマチュアの勝みなみだった。「アマチュアの選手があれだけ頑張れる。私もアマチュア時代の頃を思い出した。きょうは、ガンガン行こうと思っていましたね。勝さんにできて、自分にできないのか…。すごく意識をしてプレーしました」。自身を鼓舞するために、セレクトしたのが黄色のウエア。「勝負の時には、このカラーです」。今年、年頭にたてた目標は、公式戦の1勝を含む、年間3勝だ。3週前から、今大会のために着々と準備を重ねている。

 『KKT杯バンテリンレディスオープン』から、パターグリップを太いものに替えた。これが、上昇ムードを引き寄せる。「開幕戦から、パッティングがうまくいかない。3パットをすることがとても多かった。せっかく、いいショットをしても、それでは成績が上がりません」と分析した。指先で操作することがなく、体全体でストロークを行うなり、成績もゲキ変。満を持して迎えた今年の公式戦の第1戦、というわけだ。

 「パッティングが良ければ、ショットへの依存度が減ってくる。グリーンへ乗せればいいという気楽な気持ちまで出てきました」。オフには、精力的に肉体改造へ取り組んだ。「陸上の選手かと思うぐらい走りこんで、ウェイトトレーニングもやりました。体重は変わらないのに、体脂肪が減ったということは、筋肉がついた証拠。疲れも少なくなりました」と明かした。最終日は、最終組でフォン シャンシャンへ挑む。「作戦は、シャンシャンについていって、ジリッ、ジリッと行きます」。今度は、勝へ、プロのプライドを披露する絶好のチャンスが訪れた。



  ルーキーがとてつもない記録へチャレンジする。4打差の3位タイで最終日を迎える藤田光里がツアー初Vを飾ると、公式戦初優勝の年少記録を更新。これまでのレコードは、1989年11月26日、JLPGAレディーボーデンカップ(現LPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ)で20歳27日の平瀬真由美だった。今回は、19歳227日の藤田が挑戦権を得た。しかし、「優勝? とんでもない。考えていません。目標は、スコアをひとつでも伸ばすこと。それだけ…」と目を丸くした。

 振り返れば、この日はプロ入り後、初体験のことばかり。前日のサスペンデッドで、午前4時に起床。第2日の残りの8ホールを消化した後、再び、第3日に臨んだ。「きょうは、ほぼ1・5ラウンドでしたけど、疲れなどは感じなかった。それ以上に、驚いたのが、ギャラリーさんが多いこと」。とはいえ、1万人を超えるギャラリーがいても臆するところはない。普段以上の集中力を発揮したのは、大器と呼ばれるゆえんでもある。好調の要因は、「攻めるところは攻めました。守るところはちゃんと守ったのがよかったと思う」。最終日は、今季2度目となる最終組。スタジオアリス女子オープンで学んだことを試す絶好のチャンスともなった。

宮里美香 (3位タイ:-2)
「すごく良いプレーが出来ました。スコアを伸ばせたのはすごく大きいです。欲を言えば連続ボギーがもったいないですが。シャンシャンが伸ばしていて、彼女が崩れるのが考えられないので、私が伸ばさなきゃいけない。結果ばかり意識するとズルズル行くので、自分のプレーに集中してブレないようにしたいです」。

原江里菜 (6位タイ:-1)
「トラブルショットからバーディーが取れたり、我慢のプレーが出来たので良かったです。今日は攻めたというより、安全にいって長いパットが決まってくれたという感じですね。(最終日)まだ出来ることがいっぱいあるので精一杯やりたいと思います」。

アンナ・ノードクイスト (6位タイ:-1)
「難しいピンポジションの中、しっかりバーディーを決めることができたので良かった。全体的には満足しています。3日間流れは悪くないので、明日はまとまった良いゴルフがしたいです」。

宮里藍 (10位タイ:イーブン)
「ショットでチャンスにつけられなかった分、我慢我慢となりましたね。明日は、今自分が取り組んでいることを思い切って楽しんで挑戦していきたいと思います。日本ツアーのレベルは間違いなく上がっていると思います。フレッシュな顔ぶれも多いです」。

勝みなみ (51位タイ:+6)
「入れなきゃとか、これを乗せないととか気持ちだけが先にいって乗れなかったですね。(たくさんのギャラリーがついて)ありがたかったけど、後半崩れたので申し訳なかったです。声援は嬉しかったですね」。

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