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2014.6.13

サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 2日目

夏女、イナリが躍動! 上田、工藤が2打差の2位タイ
勝みなみら3人のアマチュアが同組で直接対決へ

 2014年度LPGAツアー第15戦『サントリーレディスオープンゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)の2日目が、兵庫県神戸市の六甲国際ゴルフ倶楽部(6,511ヤード/パー72)で開催された。

 首位タイスタートのイナリ(韓国)が、この日も68とスコアを伸ばし、通算8アンダーで単独首位。2打差の通算6アンダーに工藤遥加、上田桃子が続き、通算5アンダーの4位タイには、勝みなみらアマチュア3人を含む6人がつける大混戦。大会初の連覇を目指したホステスプロの森田理香子はこの日もショットが不調で、通算5オーバーで予選落ちとなった。(天候:曇り、気温:23.7℃、風速:3.9メートル)


 7月生まれのイナリは、自らが「夏女」というように、お暑いのが好き。「湿気が多くても気にならない。とにかく、これからが私の季節です」と話した。自己暗示ではないが、そう言い聞かせると、不思議に体が動く。ただし、プレーはクールに、を心がけている。

 「グリーンが硬いから、ピンを狙うのではなく、手前から安全に。その分、ロングホールは比較的距離が短いから、きっちりとバーディーをとるプランです」。

 今季は、開幕から5戦連続で予選落ちを喫したが、原因はハッキリしていたので、焦りはなかった。「体質からいうと、代謝が悪い。寒い時は、一生懸命にプレーしても、筋肉というか体が動きません」。ジッとこの季節が来るのを待っていたという。

 体が動けば、舌の回転も滑らかになった。イナリと接して、驚かされるのは、巧みな日本語。日本ツアーへ参戦する2年前から、お父さんのすすめもあって、日本語の個人教師をつけて勉強を重ねた。そして、7年前に来日してからは、単独で行動。「日本で生活するのは、ゴルフ場だけではない。父からは、若い時に人一倍苦労しろ、と繰り返して教えられました」。

 さて、イナリといえば、日本では"いなり寿司"を連想してしまう。「ファンの方からは、"おいなりさん"と呼ばれます」と笑っていた。余談だが、韓国でもいなり寿司と同じ食べ物があるそうだ。"ユブチョバブ"という名で、油揚げの間にご飯を入れ、味付けも同じ。ピクニックなどでは定番のメニューだとか。

 ちなみに、ナリという名は、淑女になってほしいという願いを込められて命名されたそうだ。好きな日本語は「守る」。とはいえ、決勝ラウンドへ向け、「チャレンジできるので、4日間大会が好きです。イケるんじゃないですか」とボルテージまで上がっている。


 フル参戦は今年が初めて。プロ4年目を迎えた工藤遥加がジワリジワリと進化を見せている。「後半のラウンドで、ボールをうまく風に乗せることができた。おかげで、ピンに絡んで楽にバーディーをとることができました」と、この日を振り返った。

 5バーディーを奪い、ノーボギーのラウンドができたのは、練習の賜物。今年、岡本綾子からアドバイスを受けるようになり、まず指摘されたのは、「人の3倍」という練習量だった。「今までは、これでいいと思ったらやめていました」と話し、2週前には、こんな指令を受けている。「頭を使って練習」。シンプルだが、工藤にはズシリとくる一言だった。自身で多くの工夫をしながら試行錯誤の日々。動画などを使い、スイングなどを入念にチェックした。

 「先週、予選落ちした原因は、力の伝わるところにズレがあった」と判明。加えて、頭脳をフル回転させれば、メンタルの甘さも感じるようになってくる。「今までのトーナメントでは、予選カットばかりを気にしてプレーしていた。要は、下を見ていたことになる。それを今週は上を見てプレーするように心がけました。おかげで、気持ちが楽に…」とほほ笑んでいた。


 これが、プロ! 上田桃子が上がりの3ホール、圧巻の3連続バーディーで2日目を締めくくった。

 「気持ちが良かった。昨日はマネジメントのミスが多く、きょうは集中力を絶やさないように注意しました。そのおかげで決断力があったと思う。11、12、13番では約3メートルのパーパットが残ったけど、うまくしのげたのも、そのおかげかも…」。

 1日目に続いて、この日もアマチュアの柏原明日架と同組だった。「彼女が小学生の時、一緒に回った時にきっと強い選手になるだろう、と感じていた」という。13番を終えたとき、ギャラリーの盛り上がりが今ひとつに感じたという上田は、「明日架ちゃんと『ギャラリーを沸かせよう』、と話しました。そうしたら、彼女は14、15番で連続バーディーでしたけど」。

 とはいえ、上田にチャンスが訪れたのは16番からだ。奥のカラーから4メートルを沈め、17番は1メートル、そして18番では、これぞプロという、アプローチの技を見せる。残り45ヤードをSWでチップイン。有言実行、見事にギャラリーを沸かせた。

 「明日は、ムービングサタデーというより、守りに入らず攻めてスコアをつくっていきたい。私は、このコースをよく知っているのでアドバンテージになる」。復活Vを目指す元賞金女王へ、オーラが漂ってきた。


 今大会の注目のひとつは、16人が出場したアマチュアのローアマ争い。奇しくも3日目は、勝みなみ森田遥佐々木笙子のアマ3人が同組でプレーする。

 この日、魅せたのは勝。7バーディー・1ボギーの66という爆発力で、一気に通算5アンダーの4位タイへ浮上した。悪いことの後には、いいことがあるという強い信念のビッグスコア。「昨日あまりパッティングが入らなかったので、"明日は入るぞ"って、よく言い聞かせて寝ました。パッティングって、気持ちの問題もありますから…」。

 また、初日はショットのバックスイングにも異変を感じた。「クラブを上げた時、違和感がずっとあったから、ホールアウトしてすぐに、練習場へ行って修正しました。だから、2日目は自信があったんです」。持っている15歳は、このあたりが違う。ゴルフへ取り組む姿勢が常にポジティブだ。

 「いつも目標の一番目は、楽しくプレーすること。優勝とかは考えていない。今回も同じだけど、10位以内にいることがうれしいです。だから、第2の目標ができました。ローアマをとりたい」と目を輝かせた。

 一方でゴルフ漬けの毎日が続いているだけに、気分転換といえば、大ファンの阪神を応援することだが、開催中のワールドカップなどには興味を示さない。「サッカーって、何人でプレーするかもわかりません。でも(通学する)鹿児島高校では、サッカー部の全校応援がある。ルールから勉強していきたい」と笑った勝には、13日の金曜日も幸運に変えてしまうパワーもあるらしい!?


大江香織 (4位タイ:-5)
「今日はちょっと疲れもあって、自分が思っているのと逆に行く球が何回か出たので、これから修正します。(明日以降)コースも難しいし、ピンポジも難しくなると思いますので、落ち着いてプレーしたいです」。

木戸愛 (4位タイ:-5)
「ショットは昨日より良かったです。100ヤード以内も昨日より良かったです。一日一日、自分のゴルフをして少しでも自信をつけたいので、そういう意味では良い予選ラウンドでした。明日も予選と変わらず自分のゴルフができればいいですね」。

佐々木笙子 (4位タイ:-5)
「今季予選通過は初めてです。緊張しちゃうクセがあるので、決勝トーナメントも緊張すると思いますが、それを楽しみながらプレー出来れば良いと思っています」。

森田遥 (4位タイ:-5)
「14番まではボギーが1個ありましたが、完ぺきでした。14番から集中力が切れてしまって、精神的に疲れたんだと思います。体力はいけるんですが、心のスタミナが無いんですかね。明日はボギーが無いゴルフがしたいです」。

大山志保 (10位タイ:-4)
「今日もショットが良かったです。いつもショットは良くて、パッティングが入らなかったのですが、今日は1、2メートルがしっかり入ってくれました。残り2日もパッティングが大事になってくると思います。これから修正して明日、明後日はもっとバーディーを取れるようにしたいです」。

柏原明日架 (28位タイ:-1)
「良いのか悪いのかよく分からないですね。流れが良くない中で後半2連続バーディーが来て、調子が良くないなりには我慢できたのかなと思います。2日間ビッグスコアを出している人がいて、自分にもチャンスが来ると思っているので、自分のゴルフを信じて頑張ります」。

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