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2014.6.15

サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 最終日

圧勝!圧巻!圧倒! アンソンジュが今季3勝目
心・技・体、止まらない進化 賞金ランキングも首位へ浮上

 2014年度LPGAツアー第15戦『サントリーレディスオープンゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)の最終日が、兵庫県神戸市の六甲国際ゴルフ倶楽部(6,511ヤード/パー72)で開催された。

 この日、首位タイからスタートしたアンソンジュ(韓国)が6つスコアを伸ばし、通算14アンダーで圧勝。今シーズン3勝目を挙げた。5打差の通算9アンダー、2位に飯島茜が入り、3位には通算8アンダーの上田桃子。首位タイスタートの工藤遥加は74と崩れ、通算6アンダーの5位タイに終わった。

 また、大会のベストアマチュアは通算4アンダー、9位タイの森田遥が獲得した。(天候:晴れ、気温:27.7℃、風速:4.5メートル) 


 持っているだけではない。アンソンジュは勝ち方を知っている。口にこそしないが、プレーを見れば一目瞭然だ。プロ初勝利へ挑んだ同組の工藤遥加が、「スタートからポンポンと、2つのバーディーを取られると苦しい」。圧倒的なアドバンテージを握る。後は、ひとり旅の様相を呈してきた。ところが―。

 「最終日、順位がトップでスタートすると、私はものすごいプレッシャーを感じてしまう。今日もそうでした。緊張していました。でも、それがバレないようにおしゃべりをして、気をまぎらわしていたら、チャンスについただけですよ」と笑っていた。

 そうは言っても、18ホールは長い。好事魔多しのたとえではないが、6番ではピン奥5メートルから、3パットのミスを…。「難しいパッティングではなかった。でも、あの時からもっと集中しないといけない、と言い聞かせた。知らないうちにプレッシャーで体が硬くなったのかもしれない。だから、6番の後は、どうすれば、プレッシャーを楽しめるか? そんなことも考えながらプレーしました」という。

 涼しい表情でフェアウェイを歩く姿から、そんな内面の葛藤はうかがいしれない。後半の9ホールは、そんな感情面の試行錯誤がうまくいったのか。付け入るスキを与えない。4バーディー・ノーボギーと完璧な内容で今季3勝目。ただし、「2位との差がつけばつくほど、気を引き締めました。私の順位の下には、うまい選手がいるから。勝負は何が起こるかわかりません」と振り返った。

 さて、今季の4日間大会は、ここまでの3試合で2勝。本当に強い。賞金ランキングでも首位へ浮上した。「4日間の大会では、それまでの3日間で足りなかったものを反省して、最終日にリベンジする日だと思う。でも、私の体力では3日間がベスト。4日間は体力的にキツいです」。ギャラリーからすれば、その姿は威風堂々。スタミナ抜群に映るが、これまた意外な言葉を口にした。

 これで今季の3勝を加え、ツアー通算16勝目。以前から「永久シード獲得」を口にして、勝ったことよりも、あと何勝かを計算するのが、いかにもアンらしい。残りは14勝。もっと努力を重ねる必要がある。

 「目指しているのは日々、スコアの変化が少ないプレーをすることです」と話した。そして、もうひとつの大きな目標がある。「白鵬になる」だ。外国人でも日本人から尊敬されるような、偉大な人になる。「プロといったって、賞金とか、お金のことを考えてプレーしたことはありません」。

 ところで、アンは2011年の今大会を勝っているが、その時、こんなエピソードを残した。「チャンピオンブレザーのサイズが小さすぎて、ピチピチだった」。それがきっかけで、翌年以降、さまざまなサイズを複数、取り揃えるという伝説まで誕生。目標が大きければ大きいほど、ゴルフが上達し、人格も形成される。なるほど、強い選手は努力を怠らないわけだ。


 飯島茜が2位と、今季のベストフィニッシュ。「パッティングがいまひとつだった」と首をひねったが、「ショットはすごく良かったです」と胸を張った。しかし、第3日のラウンドでは、「12番ですごいチーピンが出て、ショットするのが怖くなった」という。

 こういう時は、困った時の片山晋呉だ。「ホールアウトして、電話で相談をしたら、ただひとこと『ローフェードの練習を』でした。理由は話してくれませんでしたけど、練習場でその通りにしたら、すごく良くなりました。特効薬です」。

 もうひとつ、自分なりの工夫を加えたこともあった。右手の親指には、スマイルマークのネイルアートが施されている。「最初、ドクロをすすめられたけど、やっぱり、笑っている方がいい。右手の親指はグリップを握った時によく見える。緊張した時、やっぱり効き目がありました。ようやく自分のゴルフになってきたような気がします」。スランプ脱出の出口は近い。


 自らの誕生日は優勝!と宣言した上田桃子。しかし、3位に終わった。とはいうものの、17番のイーグルは素晴らしいバースデープレゼントだったはず。約23メートルのロングパットは、鮮やかにカップへ吸い込まれた。

 「1番でバーディーをとっても、それからいいショットを打っても、なかなかチャンスにつかなくて、コースはとても難しくなっていた。だから最後ぐらいは…と、誕生日だから味方をしてくれんじゃないですか」。

 また今大会を終えて、生涯獲得賞金が4億円を突破。154試合目、歴代7番目のスピード記録となった。「最速なら燃えたでしょうけど、あまり興味がない。それよりも、早く勝ちたい」と祈るようなひと言を。今年はプロ10年目。元賞金女王の復活Vを心待ちしているのは、ファンも同じだ。


大江香織 (4位:-7)
「今日は結構良かったですね。4日目ですがフィーリングは一番良かったです。疲れも特に無いです。パットが今週自信になったので、もっと自信をつけて、また優勝争いができるように頑張っていきたいです」。

工藤遥加 (5位タイ:-6)
「緊張は無かったです。アンソンジュさんがバーディー発進して、本当にショットが良くて、OKバーディーが3、4回あったと思います。ホールを消化していくにつれ、優勝が遠のいていくのを感じました。あそこまでアンさんにバーディーを取られると苦しいですね」。

森田遥 (9位タイ:-4) ※2年連続ベストアマチュア賞
「去年より一打良かったですが、もっと詰められたなというのもあります。でも、一打成長したので良かったです。(最後は疲れが?)それはないですけど、最後気を引き締めていかないといけないという気持ちが強かったんですかね」。

斉藤裕子 (51位タイ:+7) ※16番でホールインワン
「(打った感触)普通でした(笑) 手前に落ちてコロコロって行って『まさかなぁ』と思ってティーを拾ってたら、周りが『入れ入れ』って言うから、見てみたらボールが消えた!みたいな感じでした。鳥肌立ちましたよ。(賞金100万円)来週、仲の良いみんなで集まって食事会をするので、私が出します。奢らせていただきます!」

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