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2014.11.9

ミズノクラシック 最終日

死闘
李美香が香妻琴乃とイルヒー・リーとの三つ巴を制し、米ツアー初勝利を飾る

 全米女子プロゴルフ協会公式戦『ミズノクラシック』(賞金総額$1,200,000、優勝賞金$180,000)の最終日が、三重県志摩市の近鉄賢島カンツリークラブ(6,506ヤード/パー72)で開催された。

 最終日は、初優勝を狙った香妻琴乃、イルヒー・リー(韓国)、李美香(韓国)の3人によるプレーオフとなり、5ホールに渡る激戦を制した李が米ツアー初優勝を飾った。1打差の4位タイグループには、横峯さくらやローラ・デービース(イングランド)など9名が入った。(天候:雨、気温:16.7℃、風速:1.1メートル)

ミズノクラシックの賞金換算レートは1ドル=113.40円となりました。

11アンダーで並んだ李美香、香妻琴乃、イルヒー・リーの3人のプレーオフは、5ホールに及ぶ死闘となった。

 プレーオフは18番の繰り返し。「18番はこのコースで一番難しいホールなので、パーをキープしていかないと」と、リーが語ったように我慢比べになることは当事者も感じていた。3人の戦いは拮抗していた。1ホール目、2ホール目と3人共パー。すでにこの時点で持久戦の様相を呈していた。そして、3ホール目。3人共ティーショットはフェアウェイ。迎えたセカンドショット。香妻のボールは、ピン右14メートルにオン。リーは、ピン下約10メートル。李は、香妻と同じくピン右約7メートルにつけた。

 最初のパットは、香妻。静まり返るギャラリー。香妻から放たれたボールはラインに乗るように転がり、見事カップイン。普段あまり表情を表さない香妻が、この時ばかりは右手を天に掲げ、喜びの感情を露わにした。同時に、割れんばかりの歓声が18番を包み込んだ。この瞬間、誰もが香妻の優勝を確信したにちがいない。興奮が冷めやらぬ中、リーがパッティングのルーティンに入った。再び静まり返るグリーンサイド。すると、リーのボールは、香妻に負けまいと言わんばかりに力強くカップに進み、消えた。握った両拳がリーの気持ちを物語っていた。そして、3人目の李。香妻とはほぼ同じライン。「香妻さんが決めたんだから、私も決められる」と自信を持って打てた。ボールは、香妻と同じラインをたどり、見事カップに収まった。


 3度沸いた18番グリーン。ギャラリーは3人のバーディー合戦に酔いしれた。これで、プレーオフは4ホール目に突入した。4ホール目はそれぞれ決め手を欠き、勝負は5ホール目に。ついに決着の瞬間がやってきた。勝負はセカンドショットの精度だった。リーのセカンドショットは、右のバンカーに。「これだけが悔しかった」とホールアウト後、リーは振り返った。香妻もグリーンを捉えることができず、左ラフに。そして、李のセカンドショット。「感触が良かった」というボールは、グリーン手前からピンに向かって転がり、ピンそばにピタリと付いた。これで勝負は決まった。 5ホールに及ぶ激闘は、李に米ツアー初優勝をもたらした。「これで帰れる」。優勝した李のこの言葉に、激戦の様子をうかがい知ることができる。


 米ツアー2年目の新人は、「こんなに早く優勝できるとは思わなかった」と想定外の優勝に驚いた様子。「今はどのトーナメントでも良い経験ができています。これからも自分のプレーに徹します」と、浮かれる様子は全くない。米ツアーにまた新たな逸材が現れた。

香妻 琴乃 (2位タイ:-11)
「悔しいですけど、自分の全力を出し切った結果だと思います。前のプレーオフよりは良いプレーが出来たので、あとは技術の問題ですね。(プレーオフ3ホール目バーディーを決めた後すぐ取り返されたが?)“やっぱり入れてくるんだなぁ”と思いました。“あっ!”という感じではなく、“よし!”ともう1回気持ちが入りました。(優勝するためには?)アプローチとパターだと思います。やっぱりアプローチで拾う力がないと思うので、そこを磨いていけばスコアを落とさず後半もプレーできると思います」。

イルヒ・リー (2位タイ:-11)
「(プレーオフは)特に緊張もなかったし、いつもと同じようにプレーが出来ました。18番はこのコースで一番難しいホールなので、パーキープしていけば勝てると思いました。ただ、他の2人が非常に良いプレーをしていました。(3日間を振り返って)プレーオフの最後のホールだけが悔しい。その他はすべてにおいて良かったです」。

ローラ・デービース (4位タイ:-10)
「良い3日間だったと思います。プレーの内容も良かったし、満足しています。ただ、今日のバックナインが悔しい。勝つチャンスのある選手は自分を含めて大勢いました。(ギネス記録で緊張は?)朝はとても緊張していました。優勝を狙える位置にいると緊張するのは当然。記録のことは気にしていませんでした。これからもチャンスはあると思う」。

横峯 さくら (4位タイ:-10)
「(最後のカラーからのパットは)あれが入ったら“持ってる!”と思いました。でもあれを入れてもあと、1打、2打(優勝には)足りなかったのかなと思います。今週はパットに悩まされました。特にロングパット…。もったいないのがありましたね」。

藤田 幸希 (4位タイ:-10)
「ミズノクラシックは久しぶりの出場だったんですが、以前出場したときは3日間アンダーパーで回れたことがなかったので、すごく楽しかったです。(残り3試合)去年の今頃と比べると精神的にすごく楽ですね。今年はミズノクラシックとリコーカップに出場することを目標にしていました。去年の終盤戦は本当に大変でミズノクラシックどころではなかったので。久々に出場して良いプレーが出来ましたし、もう1つのリコーカップで優勝できるように頑張ります」。

上原 彩子(4位タイ:-10)
「バーディースタートで良いパーセーブもいくつかありました。今回は悔しいけど、トップ10入りがなかったので、そういう意味では良い1週間だったと思います。(米ツアーの手応えは?)パッティングがかなり良い方向にいっています。今シーズンはあと1試合ですが楽しみです。今年の初めに取り組んだことがだんだん結果に繋がりつつあるので、手応えはあります」。

カリー・ウェブ (4位タイ:-10)
「(3日間振り返って)プレーの内容よりも、スコアは良かった。最終18番のボギーは残念だったし、11アンダーで終了したかった。3日間通してショットは良かったし、このコースは優勝もしたコースなので、また来年ここで今年のこの悔しい気持ちをぶつけたい。また戻ってきます」。

鈴木 愛(13位タイ:-9)
「今日は体調が悪く、昨日の夜から今朝まで気持ちが悪くてフラフラでした。9アンダーになった時に、トップが11アンダーだったので、まだ可能性はあるかなと。でもショットが良くなかったし、パットも入っていた訳ではないので、体調面といい、全体的に良くなかったです。昨日は良いラウンドが出来ましたし、今週はショットが良かったので充実しています。日本女子プロゴルフ選手権以来、久しぶりに良いゴルフが出来ました」。

申 ジエ (18位タイ:-7)
「雨を心配していましたが、早めのスタートで雨の影響が少なくコースコンディションは良かったです。苦しい場面もありましたが、ボギーなしのプレーでホステスプロとしてベストを尽くせました。賞金女王のチャンスはあるので、急がずにベストを尽くしたい。ただ、選手である前に、日本で一人の人間として認めてもらうことが大事だと思っている。日本での習慣、礼儀も学んでいきたいです」。

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