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2020.7.10

バーディー量産のオリジン 運命の1W

<Photo:Richard Heathcote/Getty Images> 

 JLPGAツアーがおもしろい-といわれる要因を探った。選手の技術向上など、数多くのファクターがある。ギャラリー、ファンを沸かすのはスーパープレーだ。年間バーディー数を調べると、2019年は日本人選手がひとつの壁を破ったことに気がついた。400の大台を穴井詩渋野日向子がクリア。過去30年間を見ていると90年は年間バーディー数1位が271で、300を突破したのは05年だった。

 渋野は穴井よりも昨シーズン、出場数が8試合少ない。平均バーディー数4.00と第1位である。1ラウンドで4つのバーディーを獲得している計算に。超攻撃的スタイルはファンから絶大な支持を集めた。

 日本だけではなく、世界中から熱視線を浴びた、あのシーンからもうすぐ1年が経つ。新型コロナウイルス感染症の影響で流動的だった、大会も開催が決定。AIG全英女子オープンで、「チャンスは私、1人だけ」と連覇を狙う。

 昨年の同大会、最終日の12番。303ヤードのパー4は強烈だった。この時点で首位から2打差。ティーイングエリアに立つと、迷わずキャディーバッグから1Wを抜く。リスクを承知で1オンへ挑戦した勇気のワンショットだ。イーグルこそ成らなかったが、楽々とバーディーを奪い、勝負の流れを引き寄せた。自身の運命を大きく切り開く伝説が誕生する。

 用具契約する、ピンゴルフジャパンのG410 PLUSを使用した。19年3月に発売。半年がたって用具市場では比較的、落ち着いた状況だった。ところが、日本人選手42年ぶりのメジャーVで、人気が再燃焼してこちらも用具市場に残る1Wとなった。現在もランキングではトップ、2位を争うロングセラー。発売後、1年半近くが経っても売れ続けるのは、変化の激しい現在では、異例といえるのではないだろうか。

 「JLPGAツアーのコースセッティングは、とてもシビア。ティーショットに関していえば、欧米のツアーと比較してもかなり難しいと思います。ターゲットの幅が狭い。飛距離と、精度のトータルドライビングが必要です。海外のツアーでは、ティーショットのターゲットが広く、グリーンへ近づくにつれ、絞っていくのが特徴。渋野選手の(全英女子最終日)12番は、そうした日本のツアーで磨かれた経験の賜物でしょう」。ピンゴルフジャパン・ツアーディビジョンマネージャーの浦山康雄さんは分析した。

 同社は、プロトタイプをつくらない。ヘッドなどは、市販と同じもの。ただ、ショップなどでフィティングを行い、ユーザーのデータからシャフトなど、最適なものを選択する。そして、オーダーから工場でパーツを組み立て、72時間以内に届けるそうだ。販売方法も実にユニークである。

 偉業を達成した渋野に限らず、現在のJLPGAツアーで顕著な現象が選手の若年化だろう。しかも、プロ入りしてすぐさま頭角をあらわす選手が増えたのはなぜか。「スイングを見れば、おわかりだと思います。クラブを自身の用具として使っています。ジュニア時代から、自分に合ったものが手に入る。要は、ゲームに集中できるわけです。以前はジュニア用のクラブが極端に少ない。シャフトを切り短くするなど、どちらかといえば人がクラブに合わせることが強く、スイングにクセがあらわれる傾向があった。伸び盛りのジュニアが、フィッティングをして、自分に合ったクラブを使う時代です。間違いなくレベルアップします」(浦山マネージャー)。

 より遠くへ正確に飛ばすことはプロ、アマを問わずゴルファー永遠の願いだ。提供するメーカーサイドも技術の粋を集める。G410シリーズは、「深重心になって、スイートエリアが拡大。打点が広がりターゲットまでスピンをかけず、ストレートにボールを飛ばすわけです。ヘッド上部にある6本のタービュレーターが、空気抵抗を抑える役割を果たしている。レーシングカーのウイングに相当します」(浦山マネージャー)と解説した。もうひとつ、可変式の弾道調整機能を搭載していることも斬新だ。

 鈴木愛は同じG410でも、低スピンタイプのLSTを使用する。17年鈴木→18年アンソンジュ→19年鈴木と、3年連続で賞金女王を同社の1Wが後押ししたそうだ。弘法筆を選ばずといわれるが、真のプロフェッショナルは用具にこだわり、誠実で徹底した練習を行う。誰にも負けない1日を迎え、1ストロークを縮めるための努力を繰り返す。

【平均バーディー数】

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【年度別バーディー数】

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