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2020.10.11

勝負強さを発揮 稲見萌寧『追い込まれると強い』

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2020-21年第8戦『スタンレーレディスゴルフトーナメント』(賞金総額7,500万円、優勝賞金1,350万円)大会最終日が10月11日、静岡県裾野市・東名カントリークラブ(6,572ヤード/パー72)で行われ、稲見萌寧が激戦を制した。第2日が荒天で中止。36ホール決戦となり、優勝争いはし烈だった。通算5アンダーで稲見、ペソンウ、淺井咲希が並び、勝負はプレーオフへ。1ホール目、稲見がバーディーを決め、JLPGAツアー通算2勝目をあげた。
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 3人のプレーオフ。稲見萌寧は1ホール目、第3打をピン手前4メートルにつけた。「ストレートに近いスライスライン。カップヘ入れる気満々でした」という。結局、ウイニングパットとなり、今季初勝利をあげた。

 自身の性格を、「普段はネガティブ思考になる時がある。ただ、追い込まれた時は強い。ここぞという勝負所になると、何がなんでもという気持ちになれる」と分析。根拠の体験は、「最終プロテスト合格の最終パット。去年、初優勝の最終パット。それに今回の最終パットの3つです」と話した。もちろん、最も難しいといわれる、通算2勝目は精神力だけではなく、豊富な練習量が裏打ちしたものだ。

 ルーキーの2019年、JLPGAアワード新人賞へ輝く。原動力はショットの精度。パーオン率は78.2079%の1位だった。今季もまた、首位の78.5185%を誇る。「セカンドショットを常にカップへ直接入れるつもりで打つ」というほどだ。とはいえ、チャンスをつくっても勝負はパッティングが左右する。

 日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯後、父の了(さとる)さんから、パッティングの新しい特訓をすすめられる。カップを中心に半径2メートルの円を描くように移動。「8球連続で決めるまで、終わらない」というものだ。ほぼ毎日のルーティンで、時には2時間にも及ぶ。荒天で中止となった前日はできなかったものの、第1日のホールアウト後は、雨に打たれながらルーティンをこなした。

  「パッティングが下手すぎるからやれ-と父に言われました。その通りです。何も言えません」と苦笑したが、やはりゴルフはパット・イズ・マネーである。2018年7月、最終プロテストを20位タイとギリギリで通過。「これを外したら落ちる」と追い込まれ、3メートルを決めた。

 昨年7月の「センチュリー21レディス」は最終日、最終18番で2メートルのバーディーパットを沈めている。イナリ、青木瀬令奈を1打差でかわし、JLPGAツアー初Vを達成した。

 「初優勝の後、チャンスが結構あっても逃し続けていた。悔しいというより、1勝をあげたことで満足していたのかもしれない」。しみじみと漏らす。それだけに、今季の開幕前は、「最低1勝」の目標を掲げたが、「あくまで、最低です」と表情を引き締めた。追い込まれて本領を発揮できるのは、真の勝負師だ。接戦に強い。これは結構だが、ファンは独走Vも期待している。変幻自在のテクニックを身に着けるには、練習で養うしかない。

(オフィシャルライター・宮脇 廣久)

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