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2021.2.10

笹生優花 伝説の始まりはソレンスタムとの対決

<Photo:Atsushi Tomura/Getty images>

 2年目のジンクスを払しょくしよう-と今、笹生優花が奮闘中だ。コロナ禍の調整には多くの制限を覚悟しなければならない。それでも、妥協は一切なし。今季の目標のひとつである、「スタッツすべてで、2020年を上回る」ために努力を続けている。

 速くて、美しいスイングから繰り出す圧倒的な飛距離。プロ2年目は、「すべての確率をあげたい。ドライバーからパターまで少しずつやっている。とにかく、練習あるのみですから」という。21年まで続く史上初めてのシーズンでルーキーながら、偉器と呼ぶにふさわしい資質を示した。20年、2試合連続優勝を飾り、一気に全国区の知名度を獲得。 

 「運があったと思います。去年はオフから基本的な練習を繰り返し、試合へ出場する準備をしていただけです。主催者の皆さん、コースの皆さん、運営してくださった関係者の皆さん、JLPGAの皆さん、もちろんファンの皆さん。環境を整えていただいた、たくさんの方へ感謝をしながら、プレーすることを心掛けました。運といっても、私のプレーがうまくいったから運を呼び込んだわけではありません。皆さんへの感謝が運になったのかもしれませんね。私は、試合でプレーすることが最大の幸せです」。改めて、謝恩のメッセージを言葉にした。


 記録の残るツアー制度施行後の1988年以降、もっとも厳しいプロテストを突破。19年11月の最終プロテスト合格者は21人いたが、総受験者は647人で、実に30.8倍の難関をくぐり抜けた。合格時、照れくさそうに漏らしたのは、「世界一になる」ことだ。というのは、こんなエピソードがある。18年、アニカ・ソレンスタムが主催するジュニア大会への出場。「試合前、アニカさんとバンカーショットで対決するイベントがあり、私が勝った。その時、よくがんばったね-とチョコレートをプレゼントしてくれたのです。世界一を何年も続けて、優勝もたくさん…。とにかく、すごい人が気軽に話しかけてくださった。うれしくて、全身が震えたことを覚えている。私もそういう人になりたい。優勝回数、メジャーで何勝もあげるなど、少しでも近づくことができたらと思います。たとえ不可能でも、たくさん努力を重ねて一生懸命がんばると誓いました」と話している。

 その上で、「負けたよ、といいながら一緒に喜ぶ度量といっていいのかもしれないけど、そうなりたい。スポーツは勝敗ばかりを競うわけではありません。プロになると、ゴルフが仕事になって、楽しいだけではなくなってくる。だけど、アニカさんのようにずっとずっと、ゴルフの楽しさを伝えたいと考えています」。スーパースターには、未来のスーパースターをつくる役割も担う。

 先人がいたからこそ、現在がある。旺盛な好奇心、想像力は歴史を勉強することで培った。

 「ゴルフに関しての歴史が大好きだけど、世界各国の歴史にも興味がある。書物から学ぶのではなく、私はその土地を訪ねて、話を聞きたい。例えば、エジプトでは紀元前になぜ、あれほどのピラミッドを建造したのか。何もない砂漠に、あれほどのものをどうやってつくったの…。うそみたいなことが現実に行われた。興味深いし、おもしろいと思う」。

 人間の可能性は無限大である。ただし、ゴルフは思い描いたイメージ通りにはいかない。むしろ、うまくいかないことが多いものだ。「当たり前のことだけど、バーディーをとれなければ、アンダーパーのプレーはできない。私は毎ホール、バーディーをとれるようにコースマネジメントをする。なぜなら、このホールはバーディー、次はパーセーブとか、そういう作戦はあまり好きではない。だから、バーディーを狙う。ただし、バーディーを狙ってもダブルボギーを叩くなど、ペナルティーになることもある。こういうところもゴルフのおもしろさです」と、自身の人生を重ね合わせた。ハッと息を飲むようなスイングは、まだ不完全の美しさといったところだろう。どんな進化を遂げているのか、21年の第1戦ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメントで拝見したい。

(メディア管理部・中山 亜子)

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