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2021.9.19

また、また逆転V 西村優菜-日曜日は最高

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGA ツアー2020-21シーズン第42戦『第52回住友生命Vitalityレディス 東海クラシック』(賞金総額1億円・優勝賞金1,800万円)大会最終日が9月19日、愛知県美浜町・新南愛知カントリークラブ美浜コース(6,502ヤード/パー72)で行われ、西村優菜が通算10アンダーで大逆転V。通算3勝目も、5打差を跳ね返す鮮やかな内容だった。2位は通算8アンダーの植竹希望、大里桃子。渋野日向子が4位タイで、今年初のトップ5入りを果たした。また、注目の稲見萌寧は通算3アンダー、13位タイ。
(天候:曇り 気温:26.4℃ 風速:1.4m/s)
《グリーン=スティンプ:10 1/2フィート コンパクション:22mm》

 まさに台風一過。今回も西村優菜は劇的な優勝だった。今大会は台風14号の影響で36ホールの短期決戦。この日は、5打差を追いかけ、終わってみれば2位へ2打差をつけたのだから、そのすさまじさがおわかりだろう。

 わずか1日で9バーディー。従来の自己ベストを2打縮める、63をマークした。優勝を知ったのは、プレーオフへ備えてのパッティンググリーン。「キャディーさんが教えてくださった。まさか、まさか、ですよ。ゴルフって、こういうことがあるのですね。きょう、63のラウンドも、まさかでしょう」と前置きし、「神さまが味方してくれたと思います。運もあった」と振り返った。

 もしかしたら-と優勝が浮かんだのは7番、ティーイングエリア。「スコアボードがあって、(優勝が)あるのかなぁ、とギヤを入れた」。そのホールで2.5メートルのバーディーを決め、集中力が倍増する。そして、一気に加速したのが9番からの4連続バーディーだった。

 「ショットはまずまず。それよりもパッティングがすごかった。スタート前、5アンダーぐらいでトップ10へ入れれば…。そんな目標です。きょうは、最終組でプレーしたわけではありません。楽な気持ちでプレーができた」と説明する。9番=奥4メートル、10番=奥5メートル、11番=手前3メートル、12番=奥4メートルのバーディーを鮮やかにカップインさせた。

 では、ギヤを入れるとは、いったい。「車のエンジンをかける。そんなイメージ。ステアリングを握ると集中力が高まりますね。頭の中で、そういう状況をつくりだす。普段の練習から、そんなトレーニングを行っています。プロになって、去年の第1戦、アース・モンダミンカップで予選落ちをしてから、ずっと続けている」そうだ。

 そんな訓練は集中力がいまひとつ、の時にも役立つ。「集中力を高めると、私の場合、決断が早い。ダメだなぁと思ったら、とにかく即断即決のプレーを行う。稲見(萌寧)さんも、いろいろな記事で、ギヤを入れるといいパフォーマンスができる、と拝見しました」と話している。

 前週は第1日102位T→55位T→21位Tと調子をあげ、最終日は6位Tへ食い込んだ。身長150センチ・50キロと決して、体形に恵まれているわけではない。クラブなどのギアを吟味し、精神面でプラスアルファを引き出すスタイルは、賢者のゴルフと呼んで当然だろう。

 「プロになってここまで、最大のターニングポイントは去年の選手権。最終日、首位でスタートして、守りのプレーでは勝てないことを思い知らされた。たとえ、空回りしても、ビビらない強い気持ちが必要です」と力説する。

 18番、残り110ヤードの第2打をPWで、ピン手前1メートルへ。「きょう一番、集中したショット。ちょっと顔が引きつっていたかもしれないけど、本当にうれしかった」と加えた。

 過去2勝は今回同様、最終日後半の逆転劇。「プロになれば皆さん、最終日にスコアを伸ばす選手が理想だと思います。私は、たまたまでしょう」と、ごく控えめに。この奥ゆかしさと、プレーのギャップがユニークだ。いずれにしても、西村版・日曜日は最高-を目撃するのは、3度目。「今年、残り試合はまだあります。自信になった」と、4度目を予告した。

(メディア管理部・鈴木 孝之)

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