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2021.10.8

山下美夢有 正確アドレスでバーディー量産

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

スタンレーレディスゴルフトーナメント 東名カントリークラブ(静岡県)第1日

 再び、上昇へ転じた。山下美夢有が、首位から1打差の2位タイと絶好のスタート。2番から4連続バーディーをマークするなど、確かな手応えを得た。

 ルーキーながら、今春のKKT杯バンテリンレディスでツアー初優勝。しかも2位が3回で、トップ10フィニッシュが14回と堂々の成績を残している。ところが、周囲の高評価とは対照的で、自身は「何かが足りない」を感じる毎日だ。それがわからない。

 「振り返ってみると優勝してから、スイングがこうなっている。ああなっているなど、そんなことばかりを考えていた。優勝の時は、目前の1打へ集中して、どんなボールで攻めようなど、とにかくシンプルに考えていたことがわかりました」という。

 プロフェッショナルが最も難しいのは通算2勝目。これが定説である。理由は個人差もあるが、やはり結果ばかりを気にしてしまう、欲が絡むからだろう。そんなことに気づいたのは、日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯。親交がある中嶋常幸へ、すべてを打ち明け相談したことがきっかけだった。

 「プレースタイル、練習方法など、たくさんのお話を聞いてくださった。その上で、ズバリ指摘を受けたことは、考えすぎ。もっと思考を整理して、シンプルにプレーしなさい-とアドバイスをいただきました」。わかっているようで、わかっていなかった。まさに目からうろこが落ちたとは、このことだったそうだ。

 意識の変化は、改めて基本を大切にすることにつながる。「セットアップが一番大切です。私は、アドレスで右を向くクセが…。その日の修正点は、その日に。ラウンド後、練習場でスティックを置き、アドレスの向きを確認する練習を欠かさず行う。ちょっと違和感があっても、まっ、いいかではすまさない。試合で、同じミスを繰り返すだけですからね」と、より自身へ厳しく変身。

 チャンスが来たら逃さない。連続バーディーの源はシンプル思考と、正しいアドレスにあったのだ。ちなみに、JLPGA会員数は1,190人で、プロフェッショナル会員は874人。その中で優勝経験者は236人だが、2勝以上は170人と絞られる。

 今年8月、20歳の誕生日を迎えた。まさに、これが青春。みんな悩んで強くなっていくものだ。

(メディア管理部・中山 亜子)

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