2021.10.17
古江彩佳ホステスV 勝とのPOを制す
<Photo:Atsushi Tomura/Getty images>
JLPGA ツアー2020-21シーズン第46戦『富士通レディース 2021』(賞金総額1億円・優勝賞金1,800万円=17日、千葉県千葉市・東急セブンハンドレッドクラブ 6,679ヤード/パー72)最終日。降雨によるコースコンディション不良のため、ファイナルラウンドの競技中止が決定した。午後1時から通算12アンダーで首位に並んだ、古江彩佳と勝みなみのプレーオフがスタート。
16、17、18番の3ホールを使用した、ストロークプレーは古江が1アンダーで優勝を決めた。
レインウェアを脱ぎ去って、プレーオフ1ホール目の16番へ、いざ-。「クラブを気持ちよく振り抜ける。雨は得意ではないけど、全英女子オープンでいいプレーができから…」と気合が入る。
2年前の今大会、アマチュアとは思えないような圧倒的な強さで優勝。最終プロテスト受験を免除され、その残りシーズンからプロへ転向した。すべてがここからスタート。さらに、優勝が縁で富士通所属になった。自身には、特別な試合なのだ。
PO2ホール目。荒天をモノともせず、5Wで2メートルのバーディーチャンスをつくった。「狙いは、もう少し左だったけど、運があった。たまたまでしょう」と、他人事のように振り返ったが、このワンショットで勝を圧倒したといっていい。
続くPO3ホール目でも、気迫満点のパッティングを披露。何と6メートルのパーセーブに成功する。「勝さんは2、3メートルにつけていた。絶対に入れてくる。どうしても決めなければなりません。フックラインです。確率は50パーセントぐらいと思ってストロークした」。
わずか3ホールでも、「最終日は試練を乗り越えたと思います。プレー内容もほぼ完ぺき。通常、プレーオフは1ホールだけです。そうなるんだろうなぁ、と予想はしたけど、3ホールの勝負は驚きでした」という。
それだけに、これまでに味わったことがない達成感が全身に満ちてきた。アマとプロで同一大会を制したのは、史上3人目の快挙だ。「プロとしてこの大会で優勝。本当にうれしい。皆さんが喜んでくださった。アマチュアの時は、考えることは自分のことだけです。ちょっとというか、意味合いはかなり違いました」と、表彰式では感極まるシーンも。
もうひとつ加えるなら、所属先の主催試合で優勝を飾ることも至難の業といわれる。参考記録では過去、快挙達成は、のべ5人が8回。古江は16年、ゴルフ5レディスの穴井詩以来、6人目の金字塔を打ち立てた。
「これまでと違うのは、ゴルフはミスのスポーツ。今までミスをすることが許せなかった。でも、ミスをしても次をどうするか-へ思考を切り替えたら、悔やむことがない。私にとって、今回は大きな意味がある優勝でした」。堂々と話す。満足、満足-とばかりにひとつ頷くシーンがとても印象的だった。
(メディア管理部・鈴木 孝之)
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