2021.11.3
上田桃子 再調整で万全 しかも上昇
TOTO ジャパンクラシック 瀬田ゴルフコース北コース(滋賀県)
ギラギラでもない。さりとて、キラキラでもなし。上田桃子が全身から発散するオーラは、さながらちょうどいい塩梅だ。第1日、渋野日向子、笹生優花とのペアリング。「ふたりとも、メジャーチャンピオン。素晴らしいプレーをするでしょう。いいところは吸収したい」としながらも、「私の良さも出していきます。いいペアリング。大いに楽しみましょう」と瞳が輝いた。
前週はオープンウィーク。しかし、リフレッシュではない。残り4戦のための入念な準備である。「ゴルフ漬けの1週間。いい戦いができる」。今春、パナソニックオープンレディースで優勝を飾った、あのプロセスだ。
というのも、今大会はひとかたならぬ思い出がつまっている。「2勝しているし、相性もいい。(いい思い出を)もうひとつ、増やしたい」と心の叫びを、静かに明かした。若手が席巻するJLPGAツアーの流れを、引き戻す意味合いもある。
調整のテーマは、「サイドスピンを減らす」。詳細をたずねると、「右のピン位置で、縦の距離が合わせやすくなる」と話した。屈指のショットメーカーがさらに精度をあげる、意味合いがある。
というのは、「必ず、公式競技を勝つ」という信念がゆらがない証だ。「(公式競技は)フェアウエイが狭い。グリーンも硬く、厳しいセッティングになる。サイドスピンを減少させれば、よりピンを狙いやすくなる」といい、「体の回転でボールを打つ。ボールを捕まえて、ドローで勝負するよりも飛距離まで出ます。また、再現性が高い」と聞かされた。徹底的に、体へ浸透させたのだろう。
楽天スーパーレディース以来、13戦連続で21-23歳が優勝を飾っている。「(パナソニックオープンで)私が勝った後、30代の選手が続いて優勝。マスターズGCレディースでは菊地(絵理香)さんが頑張った。私がまた、弾みになれたらうれしい」。
2020-21シーズン、48試合を終えて、30代の優勝は8勝と、ファンからすれば、ちょっとさみしい。流れを一変させる底力の持ち主である。流されない。流れをつくる-心意気が頼もしかった。
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