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2021.11.6

2位T上田、稲見 絶好調ではなくても-逆転Vを

<Photo:Toru Hanai/Getty Images>

TOTO ジャパンクラシック 瀬田ゴルフコース北コース(滋賀県)第3日

 72ホールの勝負は、やはりおもしろい。2位タイで最終日を迎える上田桃子が、「私は、4日間がいい。あせらずにプレーができる。スタートから、そのまま行けるということは、まずないし、現状を知ることができるわけです」と分析した。

 確かに、この日も絶好調というわけではない。4バーディー、ノーボギーのラウンドは見事でも、「首の皮一枚で、(優勝争いへ)つながっている感じがする。若い選手に負けない。負けたくない-という強い気持ちが、高い集中力を持続できる源でしょう。ただし、私はチャレンジャーのつもりでプレーをしている。それは最終日も同じ。(若手にはない)経験があるでしょうといわれても、何の足しにもなりませんよ」。

 そんな話を聞きながら、まっ先に浮かんだのがパー3の15番だった。第1打がバンカーへ。それも目玉である。脱出には成功したものの、パーパットが8メートルも残った。見事なカップインは、気迫と集中の賜物だろう。右袖に着けたペコちゃんのスマイルが、もっと大きくなったような気がした。本当にすごいシーン。

 今大会、過去2勝をあげている。しかも、人生を左右する出来事が多い。「(07年)優勝してUSLPGAツアー挑戦を決めた。もうゴルフをやめたい…とそんな気持ちだった(11年は)、優勝して、また頑張ろう-。いろいろな決断をしました」という。そして、「5打差以内なら追いつける」。自身を鼓舞した。


 一方、稲見萌寧も絶好調ではないけれど-の2位タイ。腰痛に苦しみながら、5バーディー、ノーボギーの内容はすごかった。3番=8メートル、15番右奥から7メートルのバーディー奪取など、パッティングに冴えわたる。しかし、ショットメーカーのプライドも忘れてはいない。第2打の精度は当然のこと、13番の第3打は47ヤードを58度で70センチへつけ、楽々とバーディー。「けがをしていても、何とかできる」と振り返った。

 さて、会見では翌日へ向けての睡眠について、創意工夫を披露。「シーズン中、枕、毛布、マットレスなど寝具は必ず持参する。腰痛になって、いろいろと寝る姿勢についても考えた。いつも、心臓を下にして、壁へ向くと安眠できる。でも、その逆を試したら安眠できませんでした」と話した。

 それだけに、「最終日の目標は、痛みのない状態でプレーすることです」とも。その上で、「チャンスをモノにするだけですね」と、ひとことで締めた。人生の3分の1は、布団の中で過ごすのが人間だが、プロゴルファーは残りの大半を優勝することに費やしている。

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