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2021.11.11

稲見萌寧『良くならず。悪くもならず』

第37回伊藤園レディスゴルフトーナメント グレートアイランド倶楽部(千葉県)

 すべてを受け入れ、ベストの準備を。稲見萌寧はすべてが自然体だった。シーズン終盤、腰痛を発症。秋口までのような上昇は望めない。にもかかわらず、ぼやくわけでもなし。マイナス材料を口にするわけではない。つとめて平静。このあたりが素晴らしい。

 「最低限の練習は行った。(腰痛は)良くならず。悪くもならず、です」と、この日の練習ラウンド後に語った。なんの不安もなければ、休みをつくらないゴルフ漬けのルーティン。しかし、このところ週初めの月、火曜日は「通院と、ケアをしている」と話した。

 前週は、そんな状態ながら単独2位を確保。仮に2位タイが3人の成績なら、賞金ランキング1位を譲りわたしたことになっていた。底力を感じたのはもちろんだが、練習で蓄積したからこそ、万全の状況でなくてもあらゆる技術を駆使しながら、ベストパフォーマンスを展開したともいえるだろう。

 「(9日)湯たんぽを買って、持ってきました。腰を温めます」と、うれしそうに語る表情も前向きの姿勢を示す。ところで、タイトル争いについて、「(意識は)まったくない」と即答。

 猛追する古江を、「ミスがほぼない。パッティングがすごく上手ですね」と評したが、「私はあまり他の選手についてとなると、興味がないのかなぁ。(タイトル争いは)差を詰められても、追い抜かれても仕方がありません」。すべてを受け入れる度量の大きさがある。ただし、ストレートに受け取るわけにはいかない。

 正念場を迎え、どんなパフォーマンスで成績を残すか-お手並み拝見。

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