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2022.6.12

4差を逆転 山下美夢有、待望の複数回&関西V

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2022シーズン第15戦『宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント』(賞金総額1億5000万円、優勝賞金2700万円)大会最終日が6月12日、兵庫県神戸市・六甲国際ゴルフ倶楽部(6527ヤード/パー72)で行われ、通算12アンダーで山下美夢有が逆転V。4打差を追い、4位タイスタートから4バーディー、ノーボギーと抜群の安定感を披露した。今季2勝目、通算3勝目。1打差の通算11アンダー、2位は藤田さいき、通算10アンダー、3位タイへ勝みなみ、永峰咲希、稲見萌寧が入った。
(天候:晴れ 気温:25.1℃ 風速:4.7m/s)
《グリーン=スティンプ:12 1/4フィート コンパクション:23.5mm》

 シーズン目標の複数回優勝。山下美夢有は鮮やかな逆転で成し遂げた。風が強い。しかし、抜群の安定感を誇った。

 18番、残り30ヤードの第3打は、下り傾斜でしかも距離感が難しい。パーセーブを狙って集中力が増した。「パーを決めて、プレーオフへ臨もう。考えていたのは、たぶんそれだけかもしれない」と話す。

 最終日、4バーディーで通算12アンダーへスコアを伸ばした。「風が強かったうえに、ピンポジションが難しい。しかもショットの調子がいい、とはいえなかった。だから、最終日にノーボギーでプレーできたことがすごくうれしい」とほほ笑んだ。今季初優勝は、初の公式競技制覇のワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ。しかも、完全Vという付加価値がついた。

 「去年の今大会は2位。ちょっと悔しかった」と前置きし、「今、できる最善のプレーをすることだけを、きょうは意識。追いかける立場ですから、攻めるだけです。そんな意味でプレーは楽だったかもしれない。実際、15番までまったくスコアを気にしなかった。ホールアウトして、しばらくしたら結果が優勝です」。ベストプレーがVを運んできたのだ。

 最大の勝因はパッティング。「すべてのホールでカップインを狙ったわけではありません。とりわけ、下りのラインでタッチを合わせられるようにストロークできた。おかげで、課題の3パットが、だいぶ減ったなぁ」と説明。今大会、4ボギーにおさめた。その内、第2日の3パットが2回。すべて万全ではなくても、パッティングのミスを抑制することで第3日→最終日と日を追うごとに調子が上がる。この日、ボギーフリーは、出場選手でただひとり。パット・イズ・マネーを全身で実感したに違いない。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 優勝は名誉と、新たな挑戦への扉を開く。全英女子オープンの出場権を得た。ただし、即答はしない。「この2日間ぐらいで、ゆっくり考えます。確かに、行ってみたい気持ちはありますけど、出場するからには予選通過はもちろん。上位で戦えなければならない。技術面など、果たして、私にそれができるか…」と、断念した全米女子オープンに続き、慎重すぎるぐらい慎重だ。

 そうはいっても、「気持ちが入ると、スイングで突っ込んでしまう」というクセを修正しながら、4日間を戦い抜いた。明らかにプロ3年目の進化は、小柄な体形とは対照的にジャイアントステップと表現してもいいぐらい。ファンは世界への挑戦を待っている。

 表彰式では大きな、大きな優勝トロフィーを掲げた。「すごく重たかった。アマチュアでも出場した大会です。(大阪府寝屋川市出身で)同じ関西ですから、地元といってもいいですよね。きょうは、応援してくださった大勢の皆さんの前で優勝できたことが一番」。浮かれた様子はなかった。なぜなら、これからがオールラウンダーとして、プレーを極める大仕事が待っているからだ。

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