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2022.8.20

単独首位で最終日 岩井千怜、偉業へ挑戦

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2022シーズン第24戦『CAT Ladies2022』(賞金総額6,000万円、優勝賞金1,080万円)大会第2日が8月20日、神奈川県足柄下郡・大箱根カントリークラブ(6,638ヤード/パー72)で行われ、ベストスコアの66をマークした岩井千怜が通算11アンダーで首位に立った。前週に続いて、再び優勝争い。最終日、ツアー初Vから連続優勝を達成すれば、05年の表純子以来、史上3人目の偉業達成となる。2位は通算9アンダーの若林舞衣子。通算8アンダー、3位から勝みなみが逆転を狙う。
(天候:晴れ時々曇り 気温:27.7℃ 風速:2.6m/s)
《グリーン=スティンプ:13フィート コンパクション:23mm》

 ルーキーイヤーで岩井ツインズの妹、岩井千怜の躍進ぶりが連日、クローズアップされている。ツアー初優勝を飾った前週の勢いがさらに加速。この日も、「ホールアウトしたら、8バーディー。いいプレーでした」と笑顔で話している。

 エンジンがかかったのはパー5・9番の第2打。3Wで2オンを果敢に狙った。「打ち上げでグリーンが見えない。でも、恐れることはなかった。しっかりクラブを振り抜くことができたことがバーディーへつながったと思います」。前週の優勝会見で何度も言葉にした、クラブを振り抜く-がチャンスを運んでくる。2.5メートルのバーディーパットを沈め、リズムが好転。

 後半へ入ると、スーパープレーを何度も披露した。10番、残り137ヤードの第2打を8Iで、ピン50センチへ。もちろん、連続バーディーである。さらに、12番からの3連続バーディーを呼び込む。特に、12番はグリーン外から12メートルのバーディーをパターで決めた。13番も5.6メートルをカップイン。「きょう、パッティングで注意したことは、インパクトで緩まない-」と振り返った。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 そして、今季ここまでの経験で培った精神面の鍛錬を語る。「スタートするまで、心臓の鼓動を全身で感じるぐらいまで緊張しています。食べ物がうまくノドを通らなくなる。でも、スタートホールの第1打から落ち着く」といい、「シーズン前半は、失敗したらどうしよう…。そんなことを考えてしまい、おびえて伸び伸びとプレーしていなかった。つまり、余計なことばかりを考えてしまったわけです」とひと息入れて、「(前週は)プレー中、ずっといいリズムをキープできた。考えすぎない。淡々とやった方がいい、とわかった。きょうも、待ち時間があった時は、空を見て気を落ち着かせ、キャディーさんとたわいのない話をして、集中力を切らさないように気をつけました」と続けた。セルフコントロールを身に着けたに違いない。

 開幕前、QTランキングは90位。出場チャンスは主催者推薦など、ごく限られたものだった。が、第1回リランキング前のリシャールミル ヨネックスレディスで2位Tへ入り、リランキング33位へ浮上。かつて稲見萌寧がそのパターンで、トップ選手へ昇りつめている。底力がなければできない。

 一方、連日の公式会見登場で、トークもなかなかのものになった。2週連続Vへ、「淡々とプレーして、チャンスをすべて決める」と頼もしい。また、プライベートの意外な一面も明かした。「私生活では、もちろん、怒るし、笑います。最近、感動したのは007をみて、泣いちゃったこと」。ノー・タイム・トゥー・ダイだろう。絶大な人気を誇るダニエル・クレイグが最後のジェームズ・ボンドを演じた。作品のタイトルの意味は、死んでいるヒマなどない。

 4度目の最終日、最終組は初の単独首位。「きっとうまくいく。クラブをしっかり振り切ればいい」と、格好いい言葉で締めくくった。


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