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2022.11.4

上田桃子 集中力アップで9メートルを決めた

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 日米両ツアーの選手が出場するUSLPGA公式戦『TOTOジャパンクラシック』(賞金総額200万ドル、優勝賞金30万ドル)大会第2日が11月4日、滋賀県大津市・瀬田ゴルフコース北コース(6616ヤード/パー72)で行われた。この日も好調をアピールしたのが上田桃子。69をマークし通算10アンダーで首位をキープ。1打差の通算9アンダー、2位タイは鈴木愛、山下美夢有がつけ、通算8アンダー、4位で小祝さくらが続く。渋野日向子は69でプレーし通算イーブンパー。48位タイから第3Rへ迎う。
(天候:晴れ 気温:19.1℃ 風速:3.7m/s)
《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:23.5mm》

 我が道を行くがごとし。上田桃子は長年のキャリアで構築したスタイルがある。今大会のテーマのひとつが淡々とプレーすることだ。とはいえ、あふれ出る闘争心を抑えることは、なかなか難しい。

 「前日と比較して、きょうは第1打が少し安定していなかった。パッティングもそうです。周囲の選手がスコアを伸ばしていたでしょう。それを考えると、よく我慢してスコアをつくることができた」。ホールアウト後、ほっと安どのため息が漏れる。

 ただし、外から観察すると、終盤へかかるほど集中力が高まっているように映った。

 17番がその証明である。この日2番目に難しいホール。バーディーはわずか2人だった。ピン奥9メートルから見事、カップインさせている。「上がり3ホールで、パー5が2つあるから、バーディーを2つの計算でした。ちょっと、残念」と苦笑した。とはいえ、後半は4バーディー、1ボギーと上々の内容。10番も印象に残った。第2打を左へひっかけたものの、ラフから10ヤードを60度でチップイン。集中力が結実したバーディーだったことだろう。

 「5番まで流れが来ていないように感じた。それだけに、離されることがないように頑張ろう。考えすぎないようにパッ、パッと前半は打った。6番、下りのスライスラインを決め、いい感じになったように思います」と振り返った。そうはいっても、少しコースになれた第2日は、「きょうはシンプル第一の、きのうと違って景観などを頭へ入れてプレー。どちらがいいのか、まだわかりませんね。淡々とプレーしているつもりでも、私にはちょっと難しい」とひと息ついて、「あこがれのようなものがある。淡々とプレーする選手を見ていると…。若い選手は、ほとんどがそうしているなぁ」と続けた。

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 また、今大会は日本人選手が上位を占めていることにも言及。「JLPGAツアーが充実していることの証明でしょう。実力を発揮すれば(互角以上に)戦える。それから、どちらかといえば、大味のアメリカと比較して、日本のコースはフェアウェイ、グリーンの小さな傾斜など、難しいところがある。ラフなども日本でプレーする選手は計算がしっかりできていると思います」と解説している。

 一方で、同時に行われている最終プロテストへ話題が及んだ。「2005年ですね。あの頃は最悪の場合、QTを頑張ればいい-という道もあった。今、テストは選手層が厚く、失敗したらまた1年間です。実力だけではない。気持ちのコントロールをいかにするかが重要でしょう。(諸見里)しのぶは期待され、注目を浴びていたから大変だったと思う。私は比較的、気楽でしたけど、もう二度と体験はしたくはありません」ときっぱり言い切った。

 その上で、不合格に終わった選手へ、「同年代から、スタートで遅れても乗り越えるのは自分自身。しっかり自覚して頑張ってほしいです」とエールを送る。いつもながら、発言のひとこと、ひとことに頷いてしまうほど、見事な会見だった。あすもまた−。

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