逆転を狙う藤田さいき　日々是好日をアピール

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞

第41回大王製紙エリエールレディスオープン　エリエールゴルフクラブ松山（愛媛県）第3日

　経験豊富なベテラン、藤田さいきが2位をキープした。今季は2位が3回。優勝まで、あとひと押しが足りない。「最終日、スコアを伸ばさなければ優勝争いには残れない。今年、できることはすべてやってきた。結局、難しく考えてプレーをしても、さらに難しくなるだけです。ゴルフというスポーツは、メンタルで大きく変わる。私が楽しくなければ、まわりも楽しくない。で、あすはゴルフを楽しもう。それだけですよ」。

　凛としたたたずまい。この日の空のように心は澄み渡る。「うまくいくことばかりではありません。ダメな時だって、振り返ってみれば楽しい。状況に応じて、いろいろと考えながらプレーをすることがいいんです」とも語った。次週、22日は37歳の誕生日を迎える。

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞

　今シーズンは30試合へ出場。また、キャリア初の全英女子オープン出場も果たした。「スタミナはもう、限界に近い。ただ、もうすぐシーズンが終わります。体をうまくコントロールして、よく食べ、よく寝て−そんな感じかなぁ」と、話した。

　序盤からスーパープレーを披露した。前半は5バーディー、ノーボギー。パッティングはもちろん、ショットの鋭さが際立つ。難度ナンバーワンの5番で、バーディー奪取に成功した。さらに、8番では7Iであわや、ホールインワンのシーンまで。「あと10センチぐらい。惜しかった」と笑顔を浮かべた。

　そして、後半も11番から鈴木愛と同じ、3連続バーディーで競演。ギャラリーを大いに楽しませた。一方、17番では抜群の飛距離を披露した。293.00ヤード。「用具の進化がすごいから。私はそれに加えて、柔軟性を保つことを日々、心がけているおかげです」と控えめだが、努力の賜物だろう。

　ちなみに最終日、優勝を飾れば11年35日ぶりのブランクVになる。「ずっと、(優勝を)あきらめたつもりはない。だけど、(三菱電機レディスの)金田さんを見たら、もっと頑張ろうと思った。せっかく3日間、いいプレーをしてきたのだから、気を抜かずに行きます」。どっしりと構え、「いい年のとり方をしている自覚がありますよ」のひとことが、すべてを表しているようだった。

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞