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2023.2.3
春を待つ94期生~仁井 優花

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
コロナ禍の難しい調整を克服。2023年、プロ2年目のスタートを切る。21年11月、29.2倍という、狭き門を潜り抜けた94期生は逸材揃い-との評判が高い。
にい・ゆうか=2002年10月8日、大阪府東大阪市出身
己を知って、全力投球。2月、参加している沖縄合宿でさまざまなデータを集めている。体調、自然環境などによって、調子はいつも微妙に違うものだ。いかに各大会で、最良のパフォーマンスを引き出せるか。大きなポイントだろう。
「GCクワッドを買いました。とても高価な買い物でしたけど、これも先行投資。もちろん、各試合へ持参する。そのために、使い方になれなくてはいけない。とても楽しくやっています」という。高性能カメラを内蔵した弾道測定器を使用することは、ツアーでも見慣れた光景になった。ボールデータを蓄積して試合で生かす。とはいえ、決してお安い買い物ではない。インターネットで検索してみると、約240万円。20歳の決断は、「もっとうまくなりたい」という、一途な気持ちが駆り立てたのだろう。
「スイングを少し変えている。私はフェードヒッター。もう少し距離が欲しい。ただ、飛距離に重きを置くと、精度が下がる。GCクワッドのデータを参考に、ちょうどいい無理のない範囲でバランスよく改善中です」と説明した。感性だけで勝負する時代ではない。いかに最先端の用具を使いこなし、性能を引き出すか。競争が激化し、若年齢化が進行中の昨今、科学するプレーが必要なのだ。

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
22年10月、人生節目の20歳を迎えたのは沖縄だった。バースデーウィークで発奮する。かねひで美やらびオープンは第1日から好調で、優勝争いを演じ、3位。最終日、最終組でプレーしたことが23年の飛躍を目指す一番の思い出になったそうだ。
「19歳と20歳って、大きく違います。ゴルフは変わらなくても気分、気持ちが大きく違う。今、18歳で成人だけど、20歳は大人になったなぁ。うまくは表現できないけど、そんな感じです。だから、より謙虚でポジティブに-ゴルフの技術は当然としても、人間性も養っていかなくてはなりませんね」と、居ずまいを正した。
ましてや、QTランキング16位で今季、第1回リランキングまでのJLPGAツアー出場権を得た。上昇へ転じる準備は整ったといえよう。22年の成績を振り返ると、優勝こそなかったものの、予選落ちがわずかに1回。しかも、JLPGAツアー4戦へ出場し、すべて最終日までプレーした。
「JLPGAツアーは楽しさ、レベルが違う。23年は絶対、上でプレーすると思いながら、ステップ・アップ・ツアーで戦った。全国各地を転戦するホテル暮らしも苦にはなりません。そのつど楽しみを見出して、やってきたから。私、ひとりっ子ですけど、家でジッとしていられるタイプではありません。だから、プロゴルファーって、いい仕事を選んだなぁと感じます」という。続けて、「幼少時からゴルフ以外のことをやりたい、と思ったことはなかった。うーん、小学生の頃から、遊びではなく仕事感覚でプレーしていたのかもしれませんね」。

<Photo:Christopher Jue/Getty Images>
つまり、天職ということだ。好きなことを仕事にできる幸せを改めて、かみしめた。「3月から想像がつかない1年になりそうです。毎日、全力で頑張り通すしかありませんね。たとえ結果がどう出ようとも、とりあえず必死で-」。
シーズン開幕戦、ダイキンオーキッドのブレイクダウンを調べると、240万円は10位の賞金へ相当する。自ずと、ターゲットは決まった。投資は1試合で回収可能。それがJLPGAツアーだ。
(中山 亜子)
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