2023.2.24
春を待つ94期生~成澤 祐美
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
コロナ禍の難しい調整を克服。2023年、プロ2年目のスタートを切る。21年11月、29.2倍という、狭き門を潜り抜けた94期生は逸材揃いーとの評判が高い。
なりさわ・ゆみ=1997年11月21日、北海道札幌市
開幕へ向け、ラストスパート。充実を感じる毎日だ。今オフ、課題として取り組んだのはショートゲーム、パッティング。「特に、力を入れたのはパッティングです。アドレスから見直した。目標をしっかり定め、どんなボールをストロークするか…。基本を再確認している。去年、試合をたくさん経験し、上手な選手、優勝する選手は雰囲気から違うことに気がついた。アプローチでもアドレスへ入っただけで、これは寄せてくるなぁーと見ている人まで感じる。パッティングもそうです。私もそうした雰囲気が少しでも醸し出せれば、と励んでいる」という。
大きな転機となったのは、日本女子オープン開幕前の練習ラウンド。元世界ランキング1位、申ジエと一緒に行う幸運に恵まれた。「ショットとショットの歩き方からして違います。いい雰囲気。存在感が違った。技術的には第1打からすごいと感じるわけですけど、目を見張ったのは、グリーンまわりのアプローチ。あれだけ、難しいセッティングですぐに対応できるようなテクニックを無限に引っ張り出して、1打へ挑む姿勢です。本当にすごい。私はーといえば、パー5の第3打がピンへ絡んでいきません。わかってはいても、実際に目前で見て、心の底から勉強になったと思います」と解説している。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
昨年末から年明け7日まで故郷の北海道で過ごした。そして、元旦に初滑り。「久しぶりに、スキーへ行きました。最終プロテストで合格するまでは、けがをするといけないと足が遠のいていたけど、すごくリフレッシュできたと思います。ただ、ブランクが長いから、ちょっと上体が浮いてしまう。こういうところがゴルフに出るとまずいなぁ、と考えながらゲレンデにいました。姉が動画を撮ってくれて、こちらも参考になる」と話した。
1月からは岡山で総仕上げ。プレーは当然だが、けがをしない強い体をつくるために、トレーニングへ励んでいる。「10日間は集中的に合宿を行い、それ以降は週に2回のローテーション。タイヤにゴムを装着して坂を駆け上がること、室内では体幹を鍛える。みっちり行いました」。
今季のQTランキングは112位。前半戦はステップ・アップ・ツアー中心のシーズンである。「ファーストQTがうまくいかない。去年はたくさん試合を経験できたけど、シーズン終盤の調整がいまひとつ。仕方がありません。ただ、ルーキーイヤーでツアーを経験し、いろいろなことがわかった。お金を出してもできないことばかりです」と、しみじみ語っている。
22年、最も印象に残っているのはゴルフ5レディス。最終日、最終組を経験した。結果は27位タイに終わったが、異次元の世界にプロになった喜びをかみしめた。「1番でバーディースタート。ギャラリーの皆さんの声援と拍手をたくさんいただきました。本当にすごい。あぁ、これがトーナメントだ…。忘れられない」。コロナ禍をはさみ、プロテストへ6回挑戦した。あきらめずにチャレンジしたことが正解だったと、この時に感じたそうだ。
「目標は優勝だけど、ツアーで戦うことです。その上で、テレビに映るような格好いい選手になりたい。たとえば、上田桃子さんのクールな雰囲気や、テレサ・ルーさんのフィニッシュなど、私もそんな選手に、とあこがれのシーンがたくさんある。(申)ジエさんも含めて、たたずまいって大事ですね」と、所作のひとつまでを見逃さない洞察力は必ずプラスになるだろう。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
青が好きだ。「嵐の大野くんのファンです。彼のメンバーカラーは青だったから、その影響でしょう」。
現在、ヒット中の映画「ブルージャイアント」は、赤色よりも高温で燃える、青色巨星をタイトルにしたもの。静かに燃え続ける青い炎がインタービュー中に見え隠れする。輝きを失わないために「しっかり練習します」と結んだ。
(中山 亜子)
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