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2023.3.12

激闘を制し、4年越しで悔し涙を嬉し涙に変えた吉本ひかる

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第2戦『明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント(賞金総額1億円/優勝賞金1,800万円)』大会最終日が3月12日、高知県香南市・土佐カントリークラブ(6,228ヤード/パー72)で行われ、吉本ひかるが通算19アンダーでJLPGAツアー初優勝を飾った。勝負は序盤からデッドヒートを展開した、ささきしょうことのプレーオフへ。PO2ホール目、バーディー奪取で黄金世代12人目のウイナーへ輝いた。
 通算16アンダー、3位タイは古江彩佳、小祝さくら。通算15アンダーの金田久美子がサンデーチャージで5位へ入った。
(天候:晴れ時々曇り 気温:19.7℃ 風速:3.0m/s)
《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:24mm》

 吉本ひかるには苦い思い出がある。19年のフジサンケイレディスクラシック最終日、2位以下に2打差をつけての単独首位でスタートしながら、63をマークした申ジエに大逆転を喫したことだ。試合後は悔し涙が止まらなかったが、あれから4年、ようやく嬉し涙に変えることができた。

 奇しくもそのときと同じ2位以下に2打差をつけてスタートしたこの日、60台をマークすることだけに意識を集中。前半の9ホールを終えた時点では、1オーバーとスコアを落とし、2位にいたささきしょうこに逆転を許す。しかし、挫けそうになる気持ちを必死に奮い立たせた。「後半の方がバーディーを奪うチャンスはあるし、最後まであきらめずにプレーをしよう」と、60台への執着心を決して捨てることはなかったのだ。

 その思いがバーディーを次々に呼び込む。前半はなかなかチャンスにつけることができなかったが、後半は得意のショートアイアンにキレが戻り、15番パー5で3打目を3メートルにつけて3つ目のバーディーパットを奪うと、続く16番パー4では85ヤードの2打目をピン右1メートルにつけてバーディー。再び単独首位に立った。

 ただ、そのまま優勝という大きな山の頂にたどり着けるほど甘くはない。17番でささきに追いつかれると、勝負はプレーオフへ突入。2ホール目で約10メートルのバーディーパットを沈めて、ようやく栄冠を手にした。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 「優勝までの7年間は長かったです」と、次々に優勝を飾っていく黄金世代と呼ばれる同期を横目に見ながら、いつかこのチャンスをものできると自分を信じてきた吉本。この3年間は思うような成績を残せずに苦しい時間を過ごしたが、トレーニングやスイングについてトレーナーやコーチと研究しながらゴルフのレベルを上げることに専心した。

 特にトレーニングに対する意識を変え、昨年からゴルフ場へ到着したら20分ほどストレッチを兼ねた体幹トレーニングを欠かさず行っている。また、マスターズチャンピオンの松山英樹のケアも行う飯田光輝トレーナーから、松山流のトレーニングも教わった。例えば、あえて心拍数を上げた状態でトレーニングを行うことにより、試合で緊張する場面でもベストパフォーマンスを発揮できるようにしたという。「今回、そのトレーニングが役に立ちました」と、緊張する場面でも思い通りのプレーをできたことに胸を張った。

 ようやく悲願の優勝を飾った吉本だが、もちろん、この勝利がゴールではない。「プレーオフでは緊張してティショットを曲げてしまっていたので、そこを修正してもっと優勝を重ねていきたいです」と新たな目標へ向かって歩き出した。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

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