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2023.4.15

首位の申ジエ『無事、ホールアウトできました』

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第7戦『KKT杯 バンテリンレディスオープン』(賞金総額1億円/優勝賞金1,800万円)大会第2日が4月15日、熊本県菊陽町・熊本空港カントリークラブ(6,523ヤード/パー72)で行われた。申ジエがこの日も好調。通算8アンダーで首位を守った。1打差の通算7アンダー、2位は岩井明愛。通算6アンダー、3位の葭葉ルミが最終日の逆転を狙う。
(天候:曇り 気温:19.3℃ 風速:6.6m/s)
《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:22.5mm》

 結果がどうあれ、良いことを探す。通算8アンダーで首位をキープした申ジエは、「無事にホールアウトできたことが一番。本当に良かった」とホッと胸をなでおろした。この日は、前夜からの降雨によるコースコンディション不良で、スタートが遅れティーオフしたのは12時20分。しかも、プレー中に何度か激しい雨に見舞われ、ホールアウトは17時56分だった。

 「途中、サスペンデッドになる-そんな不安が頭に浮かんだ。もし、1ホールを最終日へ残したら3時間、4時間は睡眠時間が減少。コンディショニング維持が難しくなる。第2日のプレーを終えることができたことは、とてもラッキーだと思います」。しみじみと語っている。

 あと3勝で、JLPGA通算30勝。永久シード権を得ることができる。とはいえ、「先のことを考えるよりも、目の前の1勝へフォーカスすることが大事。何勝できるかは、誰にもわからない。私は今まで、出場した試合だけに集中するスタイルを貫いてきた」。もちろん、今回も同様だ。

 1番でピン左から10メートルのバーディーパットが決まった。続く2番はピン奥4メートル、3番がピン奥3メートルと、3連続である。さらに6番でも4メートルを沈めて、前半はノーボギーで独走態勢を構築した。

 ところが、後半は一転。ボギーが先行し、後続がジワリジワリと差を詰めてくる。「スタートから3連続バーディーが決まって、ギャラリーの皆さんが驚いたでしょう。でも、プレーしていた私が、実は一番びっくりだった。だから、良いことばかりは絶対にない。気をつけろ-と心の中で言い聞かせた」そうだ。

 それだけに最終18番が印象に残った。第1打が左の林へ。それでも第3打で3メートルのバーディーチャンスをつくる。この時、「集中力がマックスだった」。稀代の勝負師の真骨頂を披露した。

 「とても長くて、後半は忙しい。自分のスコアがわからないぐらいでした。でも、アテストの時、アンダーパーの70だとわかって、いいプレーをしたと思い返したほどです。パッティングの調子がいまひとつだと感じていました。だけど、これほど天気がころころと変わる一日でしたから、そうではない。18番のストレートラインをきっちりと決められたから、悪くはなかった」。終わりよければ-最終日へつながるということだろう。

 続けて、「あすはいい天気になる。ただし、風が強く吹くかもしれない。だけど、私は風の中のラウンドが好きです」。描いたエピローグは完全Vである。

(青木 政司)

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

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