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2023.6.8

フェービー・ヤオ、台湾の格言に打ち克つ2位タイ発進!

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)第1日

 この日7アンダーで2位タイ発進となったフェービー・ヤオが面白いことを教えてくれた。「台湾のゴルフ界、特にアマチュアゴルフの世界では、スタートホールでバーディーを奪うと、その日のラウンドはいいスコアが出ないーと、昔から言われているんです」。そのため、試合ではあえて抑え気味にスタートする選手が多いらしい。この日、ヤオはスタートの1番・パー5でイーグルを奪う。ピンまでの残り123ヤード地点からピッチングウェッジで放った第3打が、グリーンに落ちた後、そのままカップに吸い込まれた。「ギャラリーの歓声で入ったことが分かりました。ただ、台湾の格言があるので、ちょっと心配しました」

 『オハヨーイーグル』どころかスタートホールでバーディーを奪ったのも久しぶりで、むしろボギーを叩くことが多いヤオにしてみれば、イーグル発進は戸惑いの方が大きかった。それでも気分を入れ替え、2番ホールから新たな気持ちで臨むと、前半のハーフを31、後半を34でまとめ、65でフィニッシュ。ホールアウト時点でスコアボードの一番上に名前が刻まれた。

 台湾の格言を見事に覆した形となったが、その原動力となったのが練習ラウンドからひと工夫加えたショットだ。「練習ラウンドの際、バックスイングが大きくなりすぎていたせいか、左右にブレていたんです。バックスイングが大きいとタイミングとのテンポがずれやすいので、それが原因かなと思い、今日は85-90パーセントの振り幅で打ちました」。バックスイングを小さくしても飛距離的に大きく落とすことはなく、ミート率が上がった分、方向性がよくなったという。1番でイーグルを奪えたのも、方向性がアップしたからだ。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 また、ショットだけでなく、パッティングでもあることに気をつけていたという。「私の場合、インパクトで顔を上げてしまうクセがあるので、なるべくヘッドアップしないように集中しました」。ボールを目だけで追い、顔は下に向けておくスタイルを貫いた結果、パッティングの安定感が増した。17番パー5では1メートルのバーディーパットを残したが、きついスライスラインだったため、そう簡単に入れられるパットではなかった。にもかかわらず、しっかりと沈めることができたのは、ヘッドアップしないことでボールに対してフェース面をスクエアに当てた分、ラインに乗りやすかったからだ。

 今季は12試合に出場し、最高順位がフジサンケイレディスクラシックでの10位タイと今一つのヤオ。不調なときでも練習に対する姿勢を変えることなく取り組んでいたという。「明日も自分のゴルフができるように、目の前の1打1打に集中して、ベストスコアの64を更新できるように頑張りたいですね」

 ただ、格言を打ち破っても、スタートホールでバーディーやイーグルを積極的に狙っていくまでにはなっていないと笑っていた。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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