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2023.9.10

圧巻のV 神谷そら-シーサイドで大仕事

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン公式競技・第2戦『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』(賞金総額2億円、優勝賞金3,600万円)大会最終日が9月10日、長崎県長崎市・パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ(6,755ヤード/パー72)で行われ、ルーキーの神谷そらが通算12アンダーで逆転優勝を飾った。この日は2打差の3位から追い上げ、小祝さくらとマッチレースを展開。10番で首位に立つと、1打差のリードを死守した。通算11アンダー、2位は小祝。山下美夢有、西郷真央が通算8アンダー、3位タイ。
(天候:晴れ 気温:30.4℃ 風速:2.3m/s)
《グリーン=スティンプ:10 2/3フィート コンパクション:21mm》

 そらは、海が好きだ。圧巻の内容で、小祝さくらとのマッチレースをものにして、ルーキーながら、JLPGA通算2勝目を公式競技で飾った。離れ業である。「今、とても不思議な感覚。去年、同い年の川﨑春花さんが優勝したシーンを練習しながら、スマートフォンで見ていました。だから、ちょっとソワソワしている」。優勝会見では意外な言葉からスタートした。

 サンデーバック9。強烈なドラマが待っていた。4番目の難度だった10番。しかし、上位を争う各選手が、このホールの攻略に大苦戦する。15位タイまでに入った中で唯一、バーディーを決めた。残り134ヤードの第2打をPWで、1メートルへ。当然、バーディーである。

 ここまで、首位を並走した小祝がボギーを叩き、一気に2打差のアドバンテージを得た。12番はパーセーブでも、小祝がこの日、2つ目のボギー。一気に3打差となった。終盤は追い上げられたものの、少しも焦りなど感じない様子。堂々の内容である。

 「ポイントになったのは4番のバーディー。2カップは切れる、とても難しいラインです。距離は5メートルありました。パッティングはきょうも調子がいいんだなぁ。そう感じて、ショットでガンガン攻めることができた」と振り返った。

 ツアー初Vの時もパターを当週に交替。奇遇だが、今大会もモデルは同じだが、「フェースが柔らかい、新しいパターが火曜日に届き、それを使わせていただいた」そうだ。状況に応じ、ベストのアイテムを選択する感覚が素晴らしい。

 また、ツアーウイナーになって、置かれた状況が一変。「プロアマ戦へ出場できるようになった。それまでは練習だけをして2時間ぐらいコースにいただけだったのに・・・。そして、試合ではトッププロ、優勝を経験した選手と同組でプレーするペアリングです。勉強する機会が増えて、本当に優勝するって、すごいことだなぁと感じた」という。

 というのも、やはり一昨年、最初の受験だった最終プロテストを失敗。捲土重来を期した昨年、見事にトップ合格を果たした、回り道がより思慮深くなった要因である。前日は、熱中症気味で体調はすぐれなかった。しかし、若さの特権で、「昨晩、10時間弱、寝ました。きょうも心配だったけど、アドレナリンが出ていたからから大丈夫でした」と話す。

<Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images>

 距離のあるパー4の4番では、300ヤードのビッグドライブでギャラリーの度肝を抜いた。抜群の飛距離で圧倒。「小学3年で200ヤードは飛んでいた。ゴルフスクールへ入った時、ジュニアは私ひとり。成人の男性ばかりで追いつこう、と必死に毎日、クラブを振り続けた。今の飛距離はそのおかげかもしれませんね」と、幼少時を懐かしむように、目を細めながら語っている。

 締めはきょうのギャラリーへ、感謝のメッセージ。「試合があって、修学旅行で長崎へ来ることはかなわなかった。今回、初めてだったにもかかわらず、たくさんの声援をいただいて・・・。(故郷の)岐阜と、とても距離が離れているにもかかわらず、です。長崎が大好きになりました」と、姿勢を正しながら、かみしめるように伝えた。

 加えて、素晴らしいロケーションのコースでプレーできたことも、プラスアルファのパワーを引き出した要因だろう。「最後まで私らしい、攻めのゴルフができた。海を見ると、興奮するんですよ」。海は生命の源である。なるほど、そらと海は相性抜群なのだ。

(青木 政司)

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