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2023.9.22

実りの秋は目前 蛭田みな美『一日、一日』

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

第50回ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント 利府ゴルフ倶楽部(宮城県)第1日

 蛭田みな美は「できすぎかなぁ」といいながら、視線は左上の遠くを見るような印象だった。アマチュア時の2012年、初めて体験したプロの試合が今大会。ベストアマに輝き、進路を決定した運命の3日間を過ごした。「いろいろと勉強させていただいているコース。毎年、感謝の気持ちを忘れずにプレーしてきた。なかなか結果が出ないけど・・・」とつぶやく。

 ところが、今回は違う。「5-6メートルのバーディーパットが決まり、序盤からリズムをつくることができた」という。パー5の2番でピン手前5メートル、3番では7メートルをカップイン。

 この日はスタートから勝負勘を研ぎ澄ませていた。「1番から5メートルのバーディーチャンス。いい感じでストロークしたけど、ショートしてしまった」と状況を説明した後、大きな変化があったことを告白。「今まで、ラウンド中に修正することはなかったけど、きょうはアクセントの意味で変更したことがあって。パターグリップを短くもって、例年より重いグリーンに合わせるようにした」。

 ちなみに、短くとは1.5センチ程度である。創意工夫が素晴らしいスタートを演出。一方で、前日はプロアマトーナメントの後、ドライビングレンジで熱心に打ち込みを行っている。というのは、テークバックで右足へ体重が乗っていないことが気になったから。「きょうも素振りで意識を植え付けた」そうだ。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 前週、第2日の9ホール終了後、熱中症のため途中棄権した。念願のツアー初Vの後も好調が続いていただけに、心配されたものの、「経口補水液をとって、寝ていたら回復しました。おかげで週初めの18日から、トレーニングができるようになって」。しばしの休養は再び、活力とひらめきを与えたのだろう。

 初優勝後の変化を照れくさそうにしながら、「ギャラリーさんがたくさんついてくださるように・・・。ものすごく励みになります」と語っている。さらに、第2日は福島から、「後援会の皆さんがいらっしゃる。コロナ禍で観戦ツアーはお休みでしたけど、ようやくです。50人以上の方が応援してくださる。とりあえず、いいスタートが切れた。少しホッとしている」とも。

 以前から、「東北はすべて地元の感覚です」と繰り返してきた。もちろん、期待に応えたい。「2勝目をしたいのはやまやまだけど、一日、一日です」と戒めている。シーズンに一度しかないチャンス。収穫の秋である。

(青木 政司)

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