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2023.11.3

首位タイ桑木志帆が見つけた幸運の青いライン

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

TOTO ジャパンクラシック 太平洋クラブ美野里コース(茨城県)第2日

 国内女子ツアーで未勝利の桑木志帆が、USLPGAツアーの大会で首位タイに躍り出た。第1日に続いてこの日も65をマーク。通算14アンダーにまでスコアを伸ばしたが、その原動力となったのがパッティングだ。初日が26パット、2日目が25パットで、平均25.5パットは出場選手78人中1位となっている。

 「実は、この大会前まではあまりパッティングの調子が良くなかったんです。それが、大会前日にたまたま練習グリーンで1本のラインを見つけて、それに沿ってストロークの練習をしたら良くなりました」

 桑木がいう練習グリーンで見つけたラインとは、USLPGAツアーの選手が道具を使って真っ直ぐ引いたラインのことだ。長さ3メートルほどで、ほぼ平らなところに引いてあったという。「そのラインを見てピンときたんです。一度パッティングの基本に戻って練習したら、調子が戻るんじゃないかと」。基本とは真っ直ぐなラインに対してヘッドを真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出す動きで、桑木はひたすらそのライン上でパターのヘッドを動かし、ボールを転がした。以前は傾斜のラインで練習していたこともあり、いつの間にかフォローで変な方向にヘッドを出していたことにも気がついた。

 「だれが引いてくれたのかは分かりませんが、そのラインのお陰で自分のストロークが良くなったのは確かです。それで第1日のスタート前に練習グリーンで探したら、またもやあったんです」。それが26パットにつながったわけだが、そんなによければ自分でラインを引けばいいと思うだろう。ところが、専用の道具がないと引けないらしい。

 2度あることは3度あるではないが、当然のように第2日のスタート前にも練習グリーンでラインを探した桑木。すると、「やっぱりありました。今日は青いラインでした」と笑顔を見せる。そのラインを使って練習した結果、アウトが13パット、インが12パットだっただけに、桑木にとっては幸運の青いラインといえる。


<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 今大会初出場ということもあり、桑木は今大会で優勝するとUSLPGAツアーの来季出場権を得られることは知らなかったという。「大会前はあまり海外には興味はありませんでしたが、この大会に出て考えが変わりました。ものすごく飛ばす選手やスーパープレーを演じる選手の中で戦いたいという気持が強くなったと思います」。第1日は同組のエミリー・ペダーセンにドライバーショットで30ヤードも置いて行かれ、その衝撃も大きかったらしいが、逆に新鮮でもあった。ただ、出場権のことを考えると、力みにもつながるので、あえてフラットな気持ちで残りの2日間を戦いたいという桑木。好スコアの鍵を握るのは、練習グリーン上の青いラインかもしれない。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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